
大阪大学教授の湯浅邦弘の「このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる」を読んだ。平成25年10月発刊。中国哲学専攻の著者が老子,荘子の考えを対話形式で分かりやすく著述した。湯浅は同年代だが,頭の構造がここまで違うのか。すごいの一言。
漢文などは高校時代に習った程度なので,現代語訳でしか解読不能だ。ましてや哲学なので,その考えを今にどう伝えるかがカギである。今回の登場人物は40代に突入した中小企業の男性サラリーマン。三流大学出が,意に沿わぬ出向を命ぜられ,同期の昇進や家庭での会話のなさを嘆きながら日々暮らしている。
そんな男が飲み屋で老人と出会うことから,この本が始まる。老人は,男が散歩,電車,会社などにいる時に登場し,老子,荘子の考えを伝える。いつか必ず負けるあなたへ,水のように生きる,言葉をつむぐほど真実から遠ざかる,濃密すぎる人間関係は長続きしない,世界の始まりを知り,終わりなき日常を生きるの5章立て。仏教にしても中国古典にしても,今に残るというのはそれだけで意味があることだ。つまり,その時代,その時代で,人がその考えを必要とし,共感してきたからこそ,連綿と語り継がれてきたのだから。
湯浅は,老人の言葉として,一方的な紹介はしない。孔子や老子,荘子など,いろんな考えを知ることで,生き方に余裕ができ,プラス思考も出てくるという。
湯浅は,諸子百家や菜根譚などの本も出している。先輩の生き方を知ることは,決して無駄ではないと思った。処世本はいつの時代でも無くならない。人はいつも悩み多い生き物だからだ。
漢文などは高校時代に習った程度なので,現代語訳でしか解読不能だ。ましてや哲学なので,その考えを今にどう伝えるかがカギである。今回の登場人物は40代に突入した中小企業の男性サラリーマン。三流大学出が,意に沿わぬ出向を命ぜられ,同期の昇進や家庭での会話のなさを嘆きながら日々暮らしている。
そんな男が飲み屋で老人と出会うことから,この本が始まる。老人は,男が散歩,電車,会社などにいる時に登場し,老子,荘子の考えを伝える。いつか必ず負けるあなたへ,水のように生きる,言葉をつむぐほど真実から遠ざかる,濃密すぎる人間関係は長続きしない,世界の始まりを知り,終わりなき日常を生きるの5章立て。仏教にしても中国古典にしても,今に残るというのはそれだけで意味があることだ。つまり,その時代,その時代で,人がその考えを必要とし,共感してきたからこそ,連綿と語り継がれてきたのだから。
湯浅は,老人の言葉として,一方的な紹介はしない。孔子や老子,荘子など,いろんな考えを知ることで,生き方に余裕ができ,プラス思考も出てくるという。
湯浅は,諸子百家や菜根譚などの本も出している。先輩の生き方を知ることは,決して無駄ではないと思った。処世本はいつの時代でも無くならない。人はいつも悩み多い生き物だからだ。