まず、タイトルに1発で惹かれる。
現役時代から監督時代そして現在に至るまで、天才野球選手 落合 博満氏の発言はいちいち面白い。
切り口が全く違うだけでなく、一言でその本質を言い当てるサマが違う。
その落合(以降、敬称略)の中日ドラゴンズ監督時代を追った担当記者による落合論。
監督在任の8年間、リーグ優勝 ×4回、日本一 ×1回、日本シリーズ進出 ×5回、Aクラス ×8回 とすごい成績。
馴れ合い野球を切り捨て「勝負」に徹した彼の生き様を時系列を追い、本人・選手・コーチスタッフ視点で切る!
具体的には、
選手 = 川崎 憲次郎、森野 将彦、福留 孝介、宇野 勝、岡本 真也、吉見 一起、和田 一浩、小林 正人、トニ・ブランコ、荒木 雅博
スカウト = 中田 宗男
取締役編成担当 = 井手 峻
そして浮かび上がってくるのは、フロントの意向も受け「勝負師」に徹した姿。
彼のスタイルは、独自の切り口で一言でその本質を言い当てる、なのでマスコミ受けはしない。
解釈を必要とせず雄弁にベラベラとコメントしてくれる監督が記者にとっては楽で良いのだ(笑)
当然、登場している選手たちも自分の価値を監督がどう評価しているかがわからず、惑う。
本では × 10人に絞っているが、おそらく選手全員がそのような心境だっただろう。
このため「孤立」を余儀なくされ、年々追い込まれていくことになる…
その姿をドキュメントする、500ページ弱をおおいに堪能した!
結論:異端の名選手、の「勝負」に徹した監督時代を克明に書き綴った本著は稀有に面白い一冊!