日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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著者は、ニーアル・ファーガソン(ハーバード大学歴史学教授)
今年読んだ本で最も面白かった「マネーの進化史」の作者なので、手に取った。

ところが、今回は上下2冊、計1000ページもの大著。
しかも中身がタイトルにあるように、最大の世界的殺戮の場となった20世紀を、彼の手で再構成。
このため極めて残虐な記述がえんえんと続く。
このため、再構成された情報量が多いだけでなく、一気に読み抜けることはとうていできなかった。
8月の夏休みにそうしようとトライしたが、もう10月(笑)


「マネーの進化史」の時のように、特に刺さった部分を以下メモ。
2冊あわせると長くなりそうなので、まず(上)から。

「第一次世界大戦」という言葉を考えだしたのは、ロンドンの「タイムズ」紙の特派員チャールズ・ア・コート・レビントン。
彼の功績は「第一次」を命名した点にある。つまり、世界大戦がその後も起こる可能性を予見していた。
イギリスには地球上の四分の一におよぶ領土と、それを上回る広い海上交通路を支配しながら、
「情けないほどの」小規模な地上軍しかなく単独には戦えないため、世界規模で連携して戦争を繰り広げるしかなかった。

前線における憎悪が激しくなっていく過程を最も雄弁に物語るのは、敵の捕虜に対する扱いの変化だ。
西部戦線で「捕虜を捕らえるな」というムードが次第に醸成されてきたため降伏をおもいとどまる兵士が増えた。
これは消耗戦のなかで自然発生的に起きる、暴力連鎖の一環だった。

ユダヤ人に対する暴力は、対戦が始まる前から、東ヨーロッパでひんぱんに起きていた。
1901年の時点で、将来どの国でユダヤ人の大量虐殺が起きるかと予測した場合、ドイツなど候補にも上がりそうも無い国だった。
ユダヤ人はドイツの全人口の1パーセントにも満たず、しかもそれに先立つ20年間は減少してきたからだ。

アルメニア人の皆殺し、国会のギリシア人の虐殺、そして「合意に基づく」ギリシアとトルコの相互人口移動は、
アレッポ大司教の警告が正しかったことを明確に裏付けた。
つまり、他民族国歌が民族国家に生まれ変わろうとするとき、必然的に大量虐殺に結びついてしまう。
それは、近代的な均質性という表面的な大義名分のもとに、だれもが持つ根底的な本能の最も低俗な部分が、
部族的な対立による流血という自体を引き起こしたのようだった。そのできことには経済的な合理性などなかった。

これだけでも十二分に凄まじいが、(下)に入ると、第二次世界大戦に突入、恐怖のホロコーストに突入する。
まだ読んでいる途中だが、輪をかけて....

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