奇才、チャーリー・カウフマン の新作。
冒頭、壁紙のイメージ(写真バック)が次々と展開するところから始まる。
それらのカラー・デザインに見とれているうち、プロットにスムーズに移行。
わずか4分でもってかれる!
そこからは密室での会話劇、約 20分(汗)
だが、そこのセリフの応酬が面白いので 飽きさせない。
流石!
この 20分程度で類推できるのが、今回のカウフマンのスタンス。
珍しく本人のオリジナル脚本から離れ、今回はベストセラー小説の原作物を映像化している。
おそらくその原作の構造を可能な限り生かすようにしているのだろう、と。
つまり、それは映画の「通常フォーマット」からの脱皮ではないか。
だからこその、冒頭4分からの20分弱の密室での会話劇。
劇場で通常公開されることを前提にしていたのでは、とうてい実現できない技。
その予想は当たり、その後も公開映画フォーマットを意識的に踏み外していくような展開。
TENETじゃないが、時間軸さえズレ出し、主体・客体が崩壊しだす。
一歩間違えるとホラーになっちゃいそうな展開(汗)
だが、そこはカウフマンが演出でうまくコントロール。
そんな中、当ブログ的に 一番の驚きだったのが!
ほんの数秒のことだが、ルイス・ブニュエル的な手法が登場!
何かは言わないが(笑)
そしてルイス・ブニュエルのニワトリならぬ、違う動物も飛び出したり、もする。
これは完全にシュールレアリズム!
だけじゃなく、
キャラの一人が映画を観るシーンがあり、その映画の監督は何とロバートゼメキス!
映画の内容は作今回のキャラが一部登場するもので、ラストへの伏線となる。
(映画じゃないが)ミュージカル「オクラホマ!」繋がりのネタが何回か登場。
知らなくても大丈夫だが、その伏線が重要だということは知っておいた方が良さそう(汗)
結論:Netflixフォーマットだからこそ実現できたかもな? 通常の映画の文脈をあえて踏み外していくカウフマン映画。
次は、なぜか観てないカウフマン作 アノマリサ Anomalisa に手を出す予定!