お断りしておくが、当ブログは、オリンピック・ブログでは決してない。
ので誤解されないように、今日は本の感想をアップ!
読んだ本のタイトル=競争戦略としてのグローバルルール
サブタイトルは、世界市場で勝つ企業の秘訣。
著者の、藤井敏彦氏は、日本の対EUロビイストの草分けだそう。
そんな彼が語る、日本の現状に対する危機感。
タイトルだけで、そのへんが伝わると思うので列挙。
第1章 ルールに翻弄される技術力の日本―なぜ世界で主導権をとれないのか
第2章 戦いのルールが変わった―事業の成否を決した知られざる一手
第3章 グローバルルールの孤島と化す日本―中国が日本の先を行くのはなぜか
第4章 未来志向を阻む呪縛―日本的真面目さの副作用
第5章 競争の前提を変える第3の経営戦略―その他大勢から抜け出すルールの活用法
第6章 交渉の実践テクニック―世界市場で勝つためになすべきこと
第7章 ルールメーカーの条件―日本は明日の世界をつくれるか
どの章も、あくまでも実例を軸に説明していくので、各々の主張がリアルに伝わってくる。
それは例えば、なぜ日本が水素自動車のルールでEUに負けたのか、インクカートリッジ攻防戦(プリンター)、アフリカに携帯革命をもたらしたルールなどなど...
そして、
多分作者が最も主張したかった(と思われる)部分が2度にわたって登場するので、以下。
「遵守、不遵守二分法の弊害」(115P )
日本では、違反の引き起こした実態的影響の程度は勘案されない。
人の健康には何の影響もないような微妙な数値の問題であったとしても、違反は違反として企業は存亡の危機に追いつめられるのである。
(中略)
「ヨーロッパは非自罰、日本は自虐的、他罰的」
もうひとつ(219P )
100%実現可能な策の「積み上げ」こそ正しい政策であると考える傾向にある日本の目には、多くの外国の政策が過度に
理想主義的に見えるか、もしくは理想主義に名を借りた陰謀に見えてしまう。
もちろん考えてみれば、理念先行だからこそ、ヨーロッパにはEUという共同体政府やユーロなる統一通貨が存在するのである。
ヨーロッパの政策立案者が日本のようにでいることを積み上げるスタイルになるとすれば、それは彼らにとって自殺行為に等しいだろう。
(中略)
結局、理念と現実の間をヨーロッパ人は彼らなりの方法で埋める。だから、EUがつくるルールをすべて額面どおり受け取る必要はない。
しかし、理念には理念の強さがあるのも事実である。この点で日本は損をしている。
日本は国際社会に何か目標を語ると、すぐに「外に言った以上、死んでも実行しなければ」となる。ある意味で誠実ともいえるが、
外に向かって雄弁に将来を語ることを難しくしてしまう。
グローバルルールとは、世界あるいはどこかの国で最初は作られるもので、かつ理念と現実の間のどこで落とすかの知の探り合い。
こう書くと当たり前のようだが、世界で日本はそれができていないことへの歯痒さがこう主張している理由か。
いかに状況に応じ、柔軟な思考を持てられる日本人を数多く育てなければならない、ということだろう!
(いかにもオリンピック・ネタ化しやすい気もしたが、なんとか耐えた 笑 )
| Trackback ( 0 )
|
|