goo blog サービス終了のお知らせ 
日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



サブタイトルは「なぜ世界屈指の高級紙はメディア王マードックに身売りしたのか」
著者のサラ・エリソンさんは元々、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)で働いていた人。
このため内情にくわしく、登場人物も省略をできるだけ避け、ざっと70人くらいと非常に多くなっている。
そこにまたリアリティが。

甘い汁を吸おうと寄ってくる証券会社、投資会社、既にマードックに買収済の新聞社編集長 etc...
これらの魑魅魍魎の活躍(笑)及び、WSJに異様なこだわりを持つマードックの破格のオファー。
干渉を最小限にしてきたオーナー一族 バンクロフト家の結束がこの攻撃に、じょじょに分裂・崩壊。
そして遂には買収が成立してしまう様が克明に記されている。


この話の展開の中で、時代背景的に911、リーマンショックがさらに今回の買収に強い影響を与えていることが印象に残る。
しかも、まさに現在形として、ニューズ・コーポレーションは紛争に巻き込まれており、マードックのごり押し路線が日々伝わってくる昨今。

これだけに、本の後半で起こる「買収後のWSJへの実力行使」も、よりリアルに感じさせる。
コンテンツとしてのWSJ の個性が消され、普通の新聞に近づいていく様がなんとも痛々しい。
それこそ、現在の格下げ危機についての骨のあるレポートを本来期待したいところなのだけれど...

この本、現在時点で「今年ベスト1」本の状態(つい最近、某映画で使ったばかりの表現なので極力避けたいところだが...)
読んでしまったページ数から残りを計算しつつ「ここまで既に読んでしまった、もったいない」(笑)と思わせた数少ない1冊だからだ!
面白いノンフィクションに勝るものはない!、を実感。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集