日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



昨晩、夜22時~NHKハイビジョンで放送された、アンナ・ネトレプコがスザンナ役で出演のK.492 歌劇「フィガロの結婚」 (ザルツブルグ音楽祭2006)

NHKでほんのちらっ、と紹介されてから、放送される日を楽しみにしていましたが、期待以上の出来にたいへん満足です。

開始直前のアナ・ネトレプコのインタビューで、「ヒッチコックっぽいフィガロです」という発言でちょっと不安に?!?....


序曲があけ、オペラが始まると、確かにダーク。
照明も暗め、登場人物は基本的に全員が「黒」の衣装!!
(あるいは良くて紺色)

セクシャルなシーンもたいへん多く、濃いめのキスシーンが何度もあったり。2人で床に寝転んだりそして女性が男性の上にまたがるなど(当然ネトレプコも!)かなり斬新な演出。


ところが....
この演出の中で響くモーツアルトは、ものすごくいきいきとしているのです!!(まるでモーツアルト本人が演出も含めて喜んでいるがごとく?!)

管楽器が特に良く響いていたウィーンフィル アーノンクールの演奏ももちろん、どの出演者も当世ベストの選出と言われるだけあって、スバラシ~出来。

特に素晴らしかったのが、
ケルビーノ役のシェーファーの有名なカンツオーナ、「恋とはどんなものかしら」
この曲でこんなに感動したのははっきり言って、初めてです。
観客もこの演奏のあと、盛大に拍手しておりました!

もちろんネトレプコ良かったです。彼女の唄そして表情、その美しさが伯爵の取る行動に説得力を加え、強力。

....にもかかわらず、最大の感動は意外なところへ落ちたわけです。
これだけでも、今回のキャスティングの質が伺えるかと....
伯爵、伯爵夫人もいい出来でしたし。


演出は、クラウス・グート。
「あ~確かにこれが正しいかも」とはっとさせるエロティックな演出はもちろん(かなり納得させられる部分あり)、今回の最大の仕掛けは、「天使」というキャラを新しく狂言まわし(と言っても一言もしゃべりませんが)として登場させ、登場人物にちょっかいを出して翻弄することです。
壁から出入りしたり、扉の裏から消えたりしつつする「天使」は、いたずら心たっぷり。

この出し物、去年の夏、生でザルツブルグで観たかったと心底思います。
日本人でその生体験をしたのは、何人いたのでしょうか...........

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