
クラシックな趣の家を。そんなイメージをクライアントと共有しながらできあがった家のワンシーン。
クラシックといってもいろいろあるけれど、なんとなく共通しているのは、木部が濃く深い色だということでしょうか。
本来はだんだんと木部の色がくすんで古色を帯びる、というのが正式なのかもしれないけれど、有名なクラシック建築でもあらかじめ着色してあることも多いものです。
あの千利休の有名な小さな茶室も、古味塗装されてあの雰囲気ができているのです。
では、そんなクラシックのもつ懐古的なイメージをどうやってつくるか、というところですが、それもなかなか奥が深いものだなあと思います。
この家では、床はオークの無垢材、天井はラワンのベニヤ板。それぞれ色調を微妙に変えながらオイルステインで着色しました。
壁はペンキ塗りで、少し赤みがかったグレー色。
出窓に寄り添うように置かれた、ウォルナット材で作られた椅子と、レトロな雰囲気のランプ。
スイッチプレートも、シャープでかっこいいものの真逆な、レトロなホーロー製のプレート。
どちらかというとコストを抑制しながら造った家だけれども、余計なものを省き、古びる気配だけが空間に立ち現われたのでした。
個人的はこういう雰囲気、とてもしっくりきます。
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