「ねこ庭」談義 - 7 ( 高橋洋一氏の意見 - 2 )

　　〈　令和4年12月5日、高橋洋一氏の「統一教会問題」に関する意見　〉

　元財務省の官僚だった氏は、安倍政権時代に無給で内閣参与をしていた人物で親安倍派です。本人が隠していないので、わざわざ説明する必要はありませんが、微妙な問題なので念には念を入れています。氏が語っているのは、読売新聞が発表した世論調査の記事です。

　　　・読売新聞が世論調査をした結果を、次のように報道している。

　　　　　国葬を評価せず・・56%   　　旧統一教会を絶つべし・・76%

　　　・読売が関連会社を使い、統一教会はけしからん、けしからんと言ったから、その報道に乗せられた76%の読売の読者がそうだったという数字だ。

　　　・「統一教会はけしからん」と言う意見と、「国葬反対」は結構連動しているので、ここから私は、いろんな邪推をする。

　　　・岸田氏は財務省に近い家系である。

　　　・岸田氏が安倍派を統一教会問題で叩くと言うのは、政治的にありうる話だ。

　財務省の高級官僚だっただけに、氏は色々な情報を持っています。知らない話は黙って聞くしかありません。

　　　・国葬を実施する会社とも、読売グループは関係がある。むらやまという会社だが、イベント屋だからこの業界では老舗で有名な会社だ。

　　　・武道館や国技館のイベントを昔からやっている。実は読売の子会社だ。

　　　・国葬が良いという話になると参入業者が増えるが、悪いという話になると参入者が減り、受注はむらやまに落ちる。

　　　・ここで統一教会問題と国葬が連動するが、私のような見方をする人は少ない。

　　　・問題の元々の発端は、岸さんや安倍派の排除だったのかもしれない。私の意見は邪推かもしれないが、こう考えると全体が繋がり、分かりやすくなる。

　深刻な問題を語っても笑いながら喋るのが氏の癖で、へらへらしていて不愉快だという人もいます。意識して笑っているのでなく、こういう話し方しかできない人物なので気にしなくなりました。

　　　・ここからは、色々な解釈ができると私は思う。一つは国葬の経費問題だ。国葬費用の総額14億円が全部新たに生じる金額だとマスコミが言う。

　　　・しかしほとんどの金額は、警察庁と外務省の予算内の数字だ。

　　　・警察庁と外務省では、不要不急の外国要人接遇費用が常に盛り込まれており、国葬時の外国要人対応費もそのうちの一つだ。

　　　・警察庁は、日本全国何かあれば出張して警備している。その出張の一つに、武道館の場所がなったと言うだけの話だ。

　　　・増える費用が2億5千万円と言う話もあるが、この方が妥当で14億円という数字はあり得ない。

　氏を数字の天才と呼ぶ理由の一つが、元財務官僚らしく、省庁の予算数字を把握した上で意見を述べているところにあります。国の予算と税の計算をしていた財務官僚なら、数字の把握は珍しくないのかもしれませんが、彼らが口にしない情報を国民に語るというのは珍しいことです。

　　　・国葬に反対する人間には、つぎの3段ロジックがある。

　　　　　　1 段・・・安倍さんは統一教会とズブズブだった

　　　　　　2 段・・・統一教会はけしからん

　　　　　　3 段・・・だから国葬はけしからん

　　　・1 段目のロジックが崩れると全体が崩れるので、私が 1. について話すと、物凄い反論がくる。しかし実を言うと安倍さんは、統一教会が嫌いだった。

　　　・おじいさんの岸さんの時代には、良かったのかもしれないが、安倍さんは全然ズブズブじゃない。

　　　・統一教会は北と接していたり、拉致問題に接していたりしていた。合同結婚式の時には、慰安婦問題をプレイアップしていた。

　　　・拉致と慰安婦問題は安倍さんが最も嫌う話なのに、統一教会が触るから嫌っていたに決まっている。

　安倍元首相は旧統一教会とずぶずぶの関係でなく、むしろ嫌っていたと語りますが、氏は根拠になる資料を示していません。韓国では慰安婦問題に関して、たびたび騒ぎがあり、安倍氏の顔写真を被った人物が群衆の前で土下座したり、顔写真が足で踏み躙られたりしています。

　旧統一教会がこの二つの問題を氏の言う通り利用していたら、安倍氏が同教会を嫌っていたのは間違いないでしょう。では高橋氏が言う、「慰安婦問題のプレイアップ」とはどう言うことなのか。プレイアップとは、「強調する」「目立たせる」の意味があり、旧統一教会が「合同結婚式」で参加した日本人女性に語った「教え」を意味しています。

　本日ネットの情報を検索していましたら、偶然に令和4年11月14日の「立憲民主党ニュース」で、具体的な内容が公開されていましたので紹介します。記事には本名が書かれていますが、「ねこ庭」では〇〇〇○さんとし、長い記事なので必要部分だけを表示します。

　立憲民主党の記事は、安倍総理がこんな酷い宗教団体と深い関係にあったと言う糾弾が目的ですから、「ねこ庭」では逆の使われ方をしていることになります。もしかすると、goo事務局から無断流用の「警告」が来るのかもしれませんが、覚悟しなればなりません。

　〈　立憲民主党ニュース　2022年11月14日　〉

　「合同結婚式で結婚後、日本に帰国した被害者女性2人が、旧統一教会問題国対ヒアリングに参加」

　　　・〇〇〇○さんは、（1）一家離散の深刻な家族被害（2）未成年（当時19歳）の時にも50万円の絵画など献金をしているなど、未成年期からの金銭搾取・財産被害（3）合同結婚式による人生破壊――など教会から被害を受けたと訴えました。

　　　・韓国の教会では結婚目的の伝道が行われており、信仰のない見ず知らずの韓国人男性と1度目の結婚をさせられたと語り、その際、「日本人はメシアの国である韓国の女性たちを、従軍慰安婦として蹂躙（じゅうりん）した過去があるから、どんな相手が与えられても感謝しなければならない」とされ、夫が「教育だ」と言っては暴力を振るっていたが耐えていたと話しました。

　　　・しかし暴力がおさまることはなく、子どもに矛先が向かう懸念から、教会ではいけないこととされている「離婚」を選択したと語りました。

　　　・いわゆるマインドコントロール下にあった〇〇〇○さんは、「夫婦でなければ天国にいけない」と言われていたため、再祝福（再婚）をしたものの2度目の結婚相手の韓国人は、アルコール中毒で、ほとんど仕事をしない人で、結婚目的で統一教会に入信した人だったと説明。

　　　・後に、相手の「年齢」「学歴」「職業」等が全て詐称されていたことが判明したと話しました。

　暗殺された安倍元首相が教団の大会に祝電を送っていたのは事実ですが、教団を嫌っていた事実についても、マスコミは伝える義務があるのではないでしょうか。「ねこ庭」は是々非々の立場から意見を述べていますが、それでも安倍氏を否定される保守の方々には、「安倍信者」の一人ということになるのでしょうか。

　シリーズの1回目に述べた「談義」になっていませんが、安倍氏一族全否定の「保守」の方々と対話をしているつもりで続けています。次回も高橋氏の意見を紹介しますので、我慢できない方はスルーしてください。