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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

三潴信吾氏著『統帥権について』 - 4 ( 長尾たかし氏の憲法改正論 )

2018-03-18 17:46:53 | 徒然の記

  たった180ページの文庫本なのに、まだ本題に入っていません。

 話が外れますが、昨夜久しぶりに動画を見ました。我那覇真子さんの、「おおきなわ」( 大きな和、沖縄・大和 )という、動画です。

  ゲストが、衆議院議院議員の長尾たかし氏で、「憲法改正」「沖縄自民党」「米軍基地問題」について、語っていました。

 「統帥権」の本の途中で、氏のことをなぜ語るかと言いますと、「憲法改正」を悲願としているので、自民党の議員として氏が何を語るのかに興味を持ったからです。

 長尾氏の意見を、紹介します。

  ・自民党は結党以来党是として、憲法改正を掲げてきました。しかし結党当時は、改正をやらなきゃいけないという、掛け声だけでなにもやっていません。
 
 ・それよりも、高度成長の時でしたから経済優先でした。行政に関係する一部の人には、憲法改正が頭にあったのかもしれませんが、一般国民にはそんな意識はなかったのです。
 
 ・第一、20年くらい前までは、憲法改正という問題はタブーでした。口に出した政治家は右翼だと攻撃されますし、特に九条には触れるな、と言われていましたね。
 
 ・これが、今のように語られるようになったきっかけは、安保法制の審議からですね。戦争がなくなり、テロの時代が来ました。無差別攻撃をする敵があると分かり、やっと政治家も一般国民も、これではまずいと、思いだしたのです。
 
 ・憲法改正に関する、国民の機運の盛り上がりを感じるのは、ここ二、三年のことです。」
 
 日本には著者の三潴信吾氏だけでなく、敗戦以来、ずっと現憲法に疑問を抱き、真剣に考えてきた人々が沢山います。
 
 長尾氏は事実を知らないのか、「
 
 国民の機運の盛り上がりを感じるのはここ二、三年のことです。」
 
 と、つまらない意見を述べています。こういう人物が安倍総理の推挙で、自民党の憲法問題にかかわる委員に参加しています。
 
 我那覇さんは、正面から質問をしていますが、氏の答えはピントの外れた政談でした。保守の本質を問う彼女に対し、答えが政界のハウツウ論です。馬鹿馬鹿しくなり、途中で動画を消しました。
 
 ネットで調べた、長尾氏の略歴を紹介します。

  ・昭和37年生まれの氏は、今年満55才

  ・平成14年に、民主党の大阪支部に入り、」

  ・平成15年、17年と、衆議院選挙に立候補、落選。

  ・平成21年の選挙で当選し、衆議院の拉致問題委員会の理事  ( 鳩山内閣の時 )

   ・平成24年の解散と同時に、民主党を離党。

  ・「自民党へ入党し、衆議院議員選挙立候補するが、落選。

  ・平成26年の衆議院選挙で、自民党公認で大阪から出馬し落選。比例で復活

  ・平成29年の衆議院選挙で、自民党公認となり3選。

 長尾氏が民主党を離党したのは、野田内閣が解散した時でした。反日の総理と議員が、米国との関係をダメにし、中国と韓国へ追従していった時です。

 泥舟となった民主党では選挙に勝てないと、国民から見限られた時の離党です。自民党への入党も安倍総理に誘われての話らしく、信念のない政治家の一人でした。

 ここで再び、三潴氏の著作に戻ります。「ローマ法」と「ゲルマン法」の話です。

 ・「ゲルマン法」のような考え方は、実は東洋の法思想の方が、ずっと先輩と言っていいでしょう。

 ・少なくとも、東洋の法思想と相通じるものがある。だから、今まで「ローマ法」の考え方で来た者は、「ゲルマン法」を野蛮視した。

 ・同時に東洋と言うものも、野蛮視した。今までの東大は、その態度を取ってきた。

 ・「ローマ法」の思想は、プロシャに受け継がれ、プロシャの法思想が、東大を通じて、日本に広まったわけです。

 ・それでいま、日本が苦しんでいるわけです。

 ・ところが、第二次大戦以後ヨーロッパでは、「ローマ法」の考え方を見直そうという動きが、どんどん起こってきた。

 ・ドイツのみならず、フランスでも、イギリスでもそうです。つまりこれらの国々は、「ローマ法」から「ゲルマン法」の思想へと、くるりと変わってしまった。

 ・この転換を、われわれはよく承知しておく必要があるのです。これが日本の中で、少しも説かれていないことが、残念であります。

 ・これが分からなければ、英国をもって代表されるような近代デモクラシーの、本当の意味が掴めないことになる。 

  え、本当にそうなんですかと、言いたくなりますが、長尾氏のような信念のない政治家の話の後なので、三潴氏を信じたくなります。
 
 どうやらこの著作で氏が述べたいのは、「大日本帝國憲法のゲルマン法的解釈」でないかと、そんな気がしてきました。ローマ法的解釈しかしない、東大憲法学への反論と、現行憲法への反対論
 
 氏の目的がここにあるらしいと、ぼんやりと見えてきました。しかし見えないのは、滋賀本物の学者か否です。
 
 明日から本題に入りますが、氏の意見は、やはり私には難解 ( 曖昧 ) です。「憲法問題」を考えるにあたり、氏の難解 ( 曖昧 ) さと、長尾氏のいい加減さを比較すると、「氏の難解 ( 曖昧 ) さ」を取りたくなります。
 
 突飛と聞こえる氏の意見ですが、氏なりの信念も感じられます。信念のない政治家とは、比較にならない学者の真剣さを見る気もします。だから明日も、氏の意見を紹介します。
 
  今、夕方の五時です。花冷えとでもいうのでしょうか、朝晩は冷えます。
 
 冬なら外は真っ暗ですが、あたりが明るいので、春の到来を感じます。これから風呂掃除にかかり、居間と和室の雨戸を入れ、カーテンを引きと、これが私の仕事です。
 
 繰り返す日々の平穏さと、夫婦が健康であることを、天の神様とご先祖様に感謝します。
コメント (4)
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