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公募展のあり方

2014-02-21 22:07:14 | インポート
昨年は、日展、書で、不正が報道され、今回また、書の公募展で、不正が報道された。
公募展は意味があるのか?という感じだが、しかし、若い人の実力を最も発揮させる場が公募展であることも事実で、シェル美術賞や、VOCA展は長い歴史がある。
実は新宿にある、損保ジャパン東郷青児美術館も、若手発掘には、熱心で、というのも、東郷青児が若手支援に積極性だったという。
で、会社名が、安田火災の時から、公募展を開催していたと初めてうかがった。
今、この美術館で、開催しているー正しくは明日から開催するーFACE2014展も、その流れを受けたもの。
今日、web内覧会に参加させていただいたが、公募展という性格上、20代から80代まで、幅広く入選している。作品数は69点、なんか変な数だが、本来なら70点となるべきところを、不正が見つかったので、一点除外したという。
この辺り、この美術館の公募展が、きちっと行われている証拠になろうか。

展示は、まず、入ったばかりの部屋で、グランプリ、優秀賞、審査員賞、読売新聞社賞の9点を展示、あとの入選作は大きな部屋で、テーマ別というか、似たテーマの作品をまとめて展示している。
最近の傾向と基を一にして、具象が多く、抽象が少ない。
抽象画は、そのテーマの一つに押し込められてしまった。
グランプリに輝いたのは、川島優さんという、1988年生まれの作家さん、Toxicという作品で、何故かこの人の作品にだけ作家コメントが付いていて、退廃的な現代社会という中に汚染されていく自らを一人の少女として、表現したかった。とある。
これは美術館への注文だが、会場はもとより、図録にも作家コメントが載っていない。
観る方は勝手に推測するしかないわけだ。

では、気になった作品を二点。
まず、弓削真由子さん、畳図。
畳の画だ。鉛筆で、畳ちょうど一枚分を丹念に描く。発想が面白い。
別井友明さん、母99歳の死。
どきりとするが、審査員は審査課程で、タイトルは見ないそうだ、作品だけに向き合う。タイトルを見るとついそれにひきづられるからという。
パウル クレーの四面体みたいのが、色をそれぞれ付けて並んでいる。
恐らく、作家さんが、母の死に向き合った時の心象風景だろう。これがつまり、タイトルではなく、純粋に作品として評価されたということだ。

長くなるからやめるが、常設コーナーには、Face2013、グランプリも、飾ってあった。
グランプリは美術館買い上げになるのだ。
入選された方の益々のご活躍を念じてやまない。