だらだら日記goo編

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映像をめぐる冒険

2014-05-03 22:33:11 | インポート
この展覧会はおおいに戸惑った。
何しろ、普通の展覧会とは違って、入り口を入ると、いろいろと映写機が廻っていて、何かを映している。
でもって、壁に映像が映されているわけだが、何か壁には通路も六ヶ所あって、その中に入るとまた、部屋があって、いろいろ映像を展示している。
東京国立近代美術館は、映画をめぐる美術ーマルセル ブロータースから始める、という展覧会だ。
マルセル ブロータースがいかなる人物なのか知らないし、この人から何を始めるのかも解らない。
ただ、はっきりしたことは、映画をめぐる美術という表題が間違っていることだ。展示室には都合12名もの作家の映像が流れるが、僕らが映画という言葉でイメージする作品は一つもない、所謂、現代美術家の映像作品が映し出されているのだ。
従って、普通の映画のように、観るのに、一時間二時間かかるという訳ではない。10-20分程度でそれぞれの作品は見終わる。
しかし、12名だから、皆観ると、かなり時間が取られる。
でもって、展示室入って、壁に映し出されていた作品はマルセル ブロータースという人の作品で、通路を通ってそれぞれの部屋で映し出されている作品は現代美術家のものだ。
まず、マルセル ブロータースという人の作品、
ボードレールが行った実在の旅、大西洋航海、に触発された作品とか、マグリットの有名な、パイプの絵と、フーコーの著した論考、これはパイプではない、に触発された作品とか、まあ感じが解ってきたので、では通路を通って部屋へ。まずは、日本人の作品を、ということで、やなぎみわ、の作品に行くが、なんかしらんが、女子高生の文化祭の演劇のレベルで呆れる。
次は、ボードレール繋がりということで、エリック ボードレールという人の作品を。
これは、日本赤軍の重藤房子と、その娘メイ、二人を追った映像作家に触発された作品でなかなか面白い。
他には、ジャンヌ ダルクの異端審問の裁判記録に触発された作品とか、アルバニアで、かつて過激派のメンバーとして活躍していた自分の母親にインタビューした映像とか、まあいろいろ。
因みにゴダールは、映画は、毎秒24回の真実、と、述べたとか。

さて、二時間以上この展覧会に費やしたが、国立近代美術館は、常設展示も観ないと。
これがまた、地震の後で東北を思う。という特集展示をやっていて、映像が多いんだなあ。
今の国立近代美術館は、映像美術館の感がある。
時間が取られることはくれぐれも忘れずに。