だらだら日記goo編

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私は驢馬に乗ってー

2010-05-02 23:46:08 | インポート
女性の下着は白が当たり前の時代にそれに異議を唱えた女性がいた。
鴨居羊子という、今河口湖美術館で展覧会が開かれている鴨居玲のお姉さんだ。
鴨居はジャーナリストから下着屋に転身して下着のショーを開くなど斬新な方法で世の中にうってでた。
その鴨居を振り返る展覧会が今川崎市岡本太郎美術館で開かれている。
なぜに岡本太郎かというと岡本と鴨居は面識があり、岡本は鴨居の写真を撮っているばかりではなく、鴨居は岡本太郎に宛てて手紙を出していたという。
なんという個性のぶつかり合いか!
それどころか鴨居の戦略は凄い、ヨーロッパに出かけてから、人形を次々と制作するが、それらを、英江さんにお任せします、と細江英公のところに持ち込み撮影してもらう。
そもそも下着会社を設立するとき、今東光や司馬遼太郎に役員になってもらったり、女は下着でつくられる、という映画作品の監督までするというからどんな女性かと思ってしまう。
1925生まれの女性だ、女は良妻賢母であるべきという思想が支配していた時代でもある。いかにも突飛な女性を想像するが、彼女もごく普通の女性でもある。
彼女の描く絵には大体犬や猫が登場する。彼女はいう。
ライオンはいないから、とりあえずそのころは道で行きかうのら犬やのら猫が私の唯一の友だちとなった。
彼女の描く絵の中にはキャットガールなる頭に猫を乗せた不思議な人物も登場する。
下着革命とはいうものの時代の中で理解してくれる人も少なく内面は孤独だったのだろう。
さて今日は劇団唐ゼミ☆によるイベントもあり楽しんだ。
したぎと中世ーわたしは驢馬になって下着をうりにゆきたい。
鴨居がデザインした下着をはいた劇団員たちが、30分会場内を練り歩く。
展覧会チラシには15分と書いてあるが、30分だ。
しかし思う、今はミセパンなどといってわざと下着を見せるのが若い女性の間で流行っているが、鴨居のような存在があればこそだ。まさに時代の前衛、岡本太郎とも共通するなと。
図録には鴨居の、下着ぶんか論1958が全て収録されている、良い展覧会をみた。