ロカイユ様式、はあそんなものがあるのかとフランス語に弱い僕は必死にメモして歩いていた。
アラベスク文様に由来するだの、バベルがその代表的作家だのー。
カタログを読んでみると何のことはない、ロココのことだ、ロココは蔑称なのでフランスではロカイユといわれるとかー。
今東京都美術館で開催中の「ルーヴル美術展」の話だ。
展示は大きく二部に分かれていて、ルイ15世とポンパドゥール婦人の時代、これはロココがはやった時代で、ルイ16世とマリー・アントワネットの時代になると古典への回帰が進んだといった趣旨だ。
絵画作品はポンパドゥール婦人お気に入りのブーシェなどを除くと少なく、装飾品が中心の展覧会だ。
しかしこの展覧会、朝日新聞が大々的に宣伝しているため平日でも混雑しており、混雑を見越して展示解説をガラスケースの上部につけたのはよろしいが、嗅ぎ煙草容れといった小さな展示物には人だかりがしてろくに観られないといったありさまだ。
しかし大型の作品もありたとえば屏風だ、ルイ14世の時代から屏風が流行したという。
またこれはルイ16世の時代のコーナーになるが「ドン・キホーテの物語」の連作タピストリーも一堂に展示されて圧巻だ、ここいらへんはお客さん少ない。
当時の風俗画が版画として展示されるのもよい、どうも女性たちは髪形に関心大有りだったようだ、それを皮肉る!
そして最後の王紀マリーアントワネットにいきつく。
絵画には興味なく音楽やオペラに関心があったこの王紀を忠実に描いた絵が展示される、顔の欠点もありのままだ。
絵氏はヴェルトミュラーだ、当然批判をかっただろう。
マリーアントワネットは母親から五十点ほどの日本の漆器を相続したそうだ、蒔絵香入れとか蒔絵水差しなんかが展示される。
そして最後はヴェスヴィオ火山の噴火の絵で締めくくられる。
18C半ばの遺跡発掘が古典への回帰への誘因になったからだという。
ともかく疲れる展覧会だ、東京都美術館も儲けなくては行けないのはわかるがこんな混雑でフェルメールの展覧会は大丈夫なの?