ブログ仲間の遊行さんが今年最高の洋画展というので行ってみたが、どうも彼女とは感性が違うようだ、僕にはこの画家の悪いところばかり見えた。
生涯誰にも師事しなかったということで、独学なので仕方ないかもしれないがまずこの人は輪郭線がはっきりせず色が溶け合う傾向にある。
即興的に描いたようにも思える。
さらにいけないのはこの画家が暗さとか影とまったく無縁だということだ。
府中市美術館は「田園の輝きー児島善三郎」の展覧会だ。
「田園の輝き」とはうまいタイトルだ、この画家が地形の面白さに惹かれて国分寺にアトリエを構えたことを言っているのだろうが、この人の描く田園は展示93が典型だがあまりにも明るくあまりにも濃すぎる熱帯の田園のようだ、田園風景とはもっと素朴だと思う。
逆にその明るさが成功したのが静物画だ、展示85,110,115などの画面いっぱいの花は素敵だ!
熱海の賑わいを描いた絵もあるが、隣には熱海に比べると素朴な西伊豆の風景を描いた絵もなかなかだ。
僕のみるところ今回の展覧会での一番の成功作は展示118,「早春、梅」ではないか。
田んぼか畑が広がる中、ひっそりと梅二輪を描いた作品だ。
この人の作品には珍しく落ち着きと静寂がある。
会場には児島のアトリエも再現してあり、展覧会にかけるいきごみはかおう。
ついでに係員がアンケートをお願いしますと盛んにやっていた、バス停からの行き方がわかりにくいー特に天神町幼稚園からーことを書きたかったがそういう設問がないのが残念だ。