だらだら日記goo編

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日本絵画へのまなざし

2007-06-03 22:12:35 | アート・文化

いやいや速水御舟はやはりいい。

特に作品牡丹の墨の色合い、また違う牡丹の淡いピンクの色合いは素敵だ。

今回の名品展にあわせて作られたカタログを読むとこの美術館は速水御舟の作品を多く所蔵していることがわかる。

山種美術館は開館40周年記念名品コレクション、前期の会期が今日で終わるのででかける。

会場でまず僕らを迎えるのは横山操の「越後十景」だ、十点全部が展示される、これらの作品を好きと見るか嫌いと見るか分かれるだろうが、僕は北陸の重々しい風景に率直に惹かれる。

十点が幅を取るので勢いほかの作品の数が減るのが惜しいが竹内栖鳳の重要文化財「班猫」やら、下村観山の大作「老松白藤」、さらには村上華岳の「裸婦図」などが光った。

「班猫」は中国南宋時代の皇帝の描いた猫を想起して絵心がわいたという。

「老松白藤」も歴史があり明治神宮の依頼で伏見宮家に収めるため描かれたそうだがまことに年輪を感じさせる大作だ。

「裸婦図」はいささか西洋絵画的趣もあるが作者は「観音の清浄さ」とか「久遠の女性」を表現したかったらしい。

展示スペースと作品数がやや物足りないが、酒井抱一の重要美術品から加山又造の作品まで近現代日本画を俯瞰できる展覧会だ。

前期後期と分かれるが、全作品を一度に展示できれば満足がいくのだがうまくはいかないものだ。

出光を百点満点とすればここの展示は60点くらいだろうか。

新カタログは1800円、いままでの名品カタログが五千円近いのを考えれば妥当だろう。

ちなみに山種は江戸絵画も結構持っているが江戸絵画の名品展などやってもらえるとなおうれしい。

なおこの展覧会チケットもJuneさんにいただきました、あつくお礼申し上げます。