やはりフランス絵画はいつ観てもよい、心からそう感じた。
たとえばモネの「ルーアン大聖堂」だ、「聖堂」をまるで気体のごとく表現するのには当時は賛否両論あったというが、観ているほうは見飽きない。
今回は遥かベオグラードの所蔵のフランス絵画だ、日本橋三越に観に行く。さほど混んでいないのは助かる。
今回の展示の目玉はドガとルノアールだ。
ドガはイタリア旅行に訪れてギルランダイオの壁画の影響を受けたという「フィレンツェの神殿」とか、踊り子の習作で光や色について書き込みがあるなど興味深い。
ルノアールは最初の裸婦図がここに展示されている、「眠る水浴の女性」というが、陰鬱なロマン的なのはルノアールとしては珍しい。
ルノアール最晩年の「カップ」といった小作品がたくさん展示されているのも眼を引く。
ルドンも良い、眼のモチーフをルドンは用いた、「グラスのなかの卵」など卵に、目がついている。眼はルドンにとって特殊な器官だったという。
西洋美術館で開催間近のロダンとカリエールの作品もある。
カリエールの「ロダンの肖像」は幽霊みたいだ。
そのほかローランサンやユトリロのまばゆいばかりの白の表現、モローの両性具有の顔の表現、ドランの古典主義的な絵画、いろいろ楽しませてくれること請け合いだ。
フランス近代絵画というと年始にポーラ美術館の印象派の展覧会を観たが、こちらのほうが質が高いかもしれない。
全国巡回している展覧会だが、ベオグラードにひっそりと眠る名作に驚いた。
しかも日本橋三越はカタログを購入すると招待券をくれる、無料で入れるというのが良い。
その後立川に出て西武百貨店の無料チケットを、家に帰ると毎日フレンドから相田みつを美術館の招待券が届いている。
ロダンの展覧会も招待券をもらえるだろう、ただで贅沢三昧だ。