韮山反射炉と同じストーリー群に入っている沼津市戸田造船郷土資料博物館の所蔵物は、ロシア特使プチャーチン、ディアナ号、ヘダ号などに関する資料である。
プチャーチンは、安政年間に伊豆下田に着き日露和親条約を締結する。ディアナ号は、停泊中安政東海地震による津波で大破し、改修のため戸田に曳航中、沈没した。
ヘダ号は、船がなくなった乗組員500名がロシアへ帰るための日本で最初に造られた洋式帆船。
沼津市教育委員会の学芸員から、丁寧な説明を聞いた。
悲運のディアナ号、500人のロシア人をどうするか苦悩する幕府。
ロシア人を帰路に着かせようとする戸田村の人々の人情など・・・。
ディアナ号にまつわる話は、幕末のロシアと日本の友好関係を物語るもので、資料とともに、そこにしみこんでいる当時の人々のエピソードを想像しながら見学する。
この資料館の資料は1級品であるが、地の利が悪く、観光客数は、伸び悩みのよう。
少しでも客足を伸ばそうと、これらの資料のほかに増築した深海動物の博物館もあるが、なかなか効果は期待できそうもないようだ。
しかし、この資料を後世に伝えなければという使命感を、学芸員の説明から感じた。