市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ事件発覚から18周年・・・地方自治体史上最高額の横領事件に安中市民はどう対処したか(会報11号) 

2013-06-23 23:19:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル

■今回は、平成7年8月29日に発行された会報11号を見てみましょう。史上空前の役所の不祥事が安中市民に衝撃的に伝わってから約3か月が経過しようとしている時、表向きには未だに事件の全貌が混とんとしている状況でしたが、既に警察では事件の初動捜査を一応終えて、平成7年(1995年)8月21日には前橋地裁で第1回目の公判が開かれ冒頭陳述が行われました。しかし、その裏では、事件の根幹である横領金の具体的な流れを追及しようとしていた現場の警察官に、上層部から圧力が加わり始めていました。それと並行して、事件の重要参考人とみられていた元職員の上司も、警察の取り調べに対して余裕のある受け答えをするようになっていたのでした。

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■市政をただす安中市民の会  会報11号(上)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年8月29日発行

正規口座からも11億円! どこまで膨らむ事件全容
48億円を上回る借入総額に安中市民ボーゼン自失!

前橋地裁で事件初公判開かれる!

8月21日午前10時から事件の初公判が前橋地裁で開かれた。初公刊の模様を傍聴すべく、当会からは市民11名が朝8時半に出発。現地に到着すると既に60~70人が並んでいた。整理券をもらって順番を待つ。裁判が開かれる1号法廷の一般傍聴席は30席。報道機関は別に傍聴席が準備されているが入りきれず、一般席傍聴をしたいとするマスコミ関係者も出たため、28席の傍聴券をめぐり最終的に70名で抽選が行われた。幸運にも当会からは11名中7名が傍聴券を手にいれることができた。
■当日、当会の他にも、安中市職員や市議会議員らが相当数押しかけた。市議会では、共産党関係者が4名詰めかけたが、傍聴できたのは1名。新政会からも6名の市議が行ったがわずか1名しか傍聴できなかった。市民クラブも何名か行ったが、やはり傍聴できたのは1名程度のよぅだった、
■開廷後、検察側から冒頭陳述が行われた。約40センチの高さに積み上げた証拠書類を前に、検察官が早口で読み上げた起訴状には、被告が昭和60年3月31日から平成2年2月1日まで正規口座で計26回にわたり11億3千万円を不正借り入れしたという衝撃的内容が含まれていた。
■この他にも起訴状で、昭和57年から当初は2~3万円から始まり、巾側から手数料として公社に支払われた30万円のうち15万円をごまかし、公社の理事や監事の管理・監査チェックのズサンなことに目を付け、同60年迄には4~5千万円へと次第に横領額がエスカレートしてゆく過程が浮き彫りにされた。
■罪状訟否て被告が「間違いございません」と起訴事実を全面的に認め初公判は1時間ほどで終わった。この模様はNHKの昼のニュースでも早速取り上げられ、テレビ各社、新聞各紙で大々的に報じられた。次回の公判は9月18日午後3時から行われる予定。

正規口座11億円余の徹底調査要求書を市長に提出!
8月21日の初公判で平成2年以前にも11億3千万円もの金が正規口座から引き出されて使い込まれていた事実が判明したのを受けて、当会では8月22日市長に対して!1億3千万円の新たに判明したカネの使われ方について帳簿上どう処理されていたのか直ちに臨時広報で市民に伝えるよう要求書を提出した。
■同じく22日に百条委の小西委員長に対し、48億円に膨らんだ事件の徹底解明を要求する文書を提出。

市民傍聴を許司するよう百条委に対し再要求書を提出!

8月25日に2回目の百条委が開かれる予定というので、24日広上議長と小西百条調査特別委員長に対して、今度こそ市民傍聴を許可するよう再要求書を提出。

正規口座横領11億円余で知事に再度情報開示請求!

当会では、これまでに群馬県知事に対して、平成元年度から平成6年度までの安中市土地雨発公社に聞する事業報告書などの資料の開示を請求した。その結果、群馬県では安中市にたいして市民に積極的に公社に関する資料を開示するよう指導し、安中市もそれに従って関連資料の公開に踏み切った経緯がある。
■今回、21日の初公判で多胡被告が平成2年4月16日以前にも正規口座から11億3千万円という大金を不正借り入れしたことが判明。これまで言われていた37億4879万2千円とあわせ計48億円余という被害額の大きさに市民はもう驚きを通り越して、ただただ呆れるばかり。
■そのため、平成元年よりも前の公社の事業内容を把握することが真相解明に不可欠だと考え、当会として2回目の公文書開示請求に踏み切った。今回の開示請求は、昭和55年度から63年度までの公社の事業報告書、決算報告書、収益費用明細書、貸借対照表、損益計算書、財産目録、余剰金計算書、決算監査報告、その他関連公文書一式。ところが5年を過ぎた書類は保管していないという理由で、県はその場で申請を却下。安中市民は門前払いを食わされてしまった。

◎37億事件とそれを許した市当局や市議会に関するあらゆる情報は事務局又は連絡事務所へ!◎

なぜいま家屋調査?48億円市民転嫁への地ならし

「居候3杯目にはそっと出し」という川柳がある。居候の分際で飯を3杯もおかわりするのは気が引けるが腹も滅ってるし、ダメもとで遠慮しいしい3杯目の茶碗を差し出すさまを詠んだもの。ところが安中市当局の場合、臨時広報で市には1円の損害もないと公言しているにも関わらず、8月20日の広報おしらせ版で「ご協力下さい!家屋現況調査」と題して「市では、家屋の課税状況の把握に努めてきましたが、より適正な課税状況を把握するために市内の全家屋について現地調査を実施」と、臆面もなく増税を画策している。市当局の2枚舌は今に始まった事ではないが、これほど露骨なのも珍しい。
■この件について、ただす会で税務関係者に直接尋ねたところ、土地・家屋の評価替えは平成6年に済んだばかり。次回平成9年迄の3年間は見直しないはず。昨年やったばかりなのに、なぜまた今年再調査しなければならないのか根拠がないと判明。何とかして48億円の穴埋めを市民になすりつけたいとする市当局の思惑がみえみえ。市側の間違った考えをただすには私達市民一人一人の自覚と認識が不可欠だ。
■市当局はなぜ今こんな姑息な事をしたがるのか?それは市民の間に48億円事件で行政に対する不信惑が高じてきたためである。事件の真相を隠そうとし続ける市側や市議会の体たらくに市民は愛想をつかしており、市民の納税モラルにも影響が出てきている。それを補うため固定資産税を再評価して、これを増税分で市民から取りLげようというのが、安中市独自のこうした家屋再調査の背景に違いない。
■今回の突然の家屋現況調査には48億円問題が絡んでいることは明白。増税に向けた地ならしのための家屋立入調査は直ちに取りやめさせよう!もし、市民の敷地内に調査員が立ち入ろうとしたら、大声をあげて撃退しよう!調査員の立入りを拒否しても逮捕されることはない。おしらせ版によると、この調査は国際航業に委託し9月中旬から来年2月下旬まで実施するらしいが、市民は平素より監視を続ける必要がある!

6月25日の広報臨時号のデタラメさ加減!

48億円事件が起きてから既に3ヵ月経過するが、この間に市当局から市民に対して出された事件に関する資料は6月25日に配布された広報臨時号だけ!ところがそのたったひとつの市当局の報告にデタラメな点のあったことが判り、さあたいへん!
■広報臨時号には5月31日現在の公社借入金は10億1690万4千円であると明記してある。一方、公社の事業報告書によれば今年の3月31日現在の借入金は19億1378万5千円となっている。この違いに気付いた当会の市民専門家が、「なぜ2ヵ月間で8億9688万1千円も滅ったのか?その財源はどこからひねりだせたのか?」と公社の職員に質問した。ところが公社の職員の返答が曖昧なため、更に追求したところ、「公社の借入金については、実はこの(群銀からの10億1千余万円の)他にも、別の金融機関からもある」ことを公社側が渋々認めた。
■上記の通り広報安中臨時号では「金額については、公社の借入残高は10億1690万4千円」と明記してある。臨時号を読む限り、金融機関からの「正規」の借入金額はこれがすべてであるかのようだ。市民は当然そのように解釈した。ところが、実際には群銀以外からの借金はこれに含まれていないというのである。市当局が出した事件に関する唯一の資料さえも、市民に真実を教えていないことがハッキリした以上、広報臨時号で発表された37億余円という不正借入金額自体、信憑性が疑われる!
■おりしも21日の初公判の起訴状朗読で明らかにされた正規口座での11億3千万円の新たな横領の事実は、事件の真実を覆い隠そうとする市当局の姑息な姿勢を端的に浮き立たせる結果となった。

―――――市政をただすスローガン秀作集(4)―――――
肩幅の 広い町にと なる筈が 肩身の狭い 安中市民
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37億円(今となっては48億円!)というカネの重み―――――
●1万円札で積み重ねると37メートル50センチ!10階建てのビルの高さに相当。
●1万円札で横に倒すと25メートルのプールを折り返してプール中央まで戻るまでの長さ。
●1万円札で地面に敷き詰めれば4560平方メートル(1400坪)!テニスコート約18面分
●千円札なら4万2730平方メートル(4町3反、1万2900坪)!
●年収500万円の給与所得者の740年分!

◎この会報に対する賛否のご意見は、実名でお聞かせください。紙面上の匿名は希望に応じます◎

■市政をただす安中市民の会 会報11号(下) 連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年8月29日発行

旧安中地区シリーズ 上野尻公会堂で市民報告集会ひらく!

8月18日(金)午後7時半から上野尻公会堂で約40名の市民が集まり当会主催の報告集会が開かれた。集会は、まず事務局側から百条委に至る事件の経過、百条委の解説、公社/市が被害を受けた場合の市民生活への影響について説明。そのあと参加市民の間で質疑応答に入った。以下に主な討議事項を示す。
■百条委員会は、群銀関係者への訊問は割合熱心だったが、公社/市になると途端に質問が鈍りトーンダウン。百条委と市当局のナレアイぶりが良くわかる。
■群銀を始め、市長や市の職員ら市当局関係者、理事長や監事ら公社関係者の殆どが証人ではなく、参考人として召喚された。証人として呼んでこそ百条委の価値がある。これでは百条委の及び腰がみえみえ。
■容疑者が群銀からおろした金はどこにいったのか、百条委で調査できるのか?[本来はできるはずだが、安中市議会の百条委は市当局とナレアイなのて期待できない1
■実害を少しでも減らすように、容疑者本人ばかりでなく、親戚から金をかき集めて返済に充てるという事はできるのか?[道義的責任はともかく借入れの金銭は連帯保証人でない限り強制的には無理]
■群銀の裏口座に残っているという2億円がもったいない。普通預金らしいが小川市長の公印がないとおろせないのか?[公社が公金ではないとして、群銀との話し合いに応じない限り手つかずの状態が続く]
■市長はそんな金知らないと言って、ぬくぬくと座っていられないはずだ。[誠にもったいない話し]
■多胡容疑者が自供した内容は市民には判らないのか?[警察では公判維持という大義名分があるので、公判前に供述内容を発表することはない。マスコミに一部リークする場合はあるが。いずれにせよ8月21日の前橋地裁での第1回公判で起訴状が朗読されるので、かなり明らかになることが期待される]

旧安中地区シリーズ 旧邸公会堂で市民報告集会開く!

8月21日(月)午後7時半から旧邸公会堂で聞いた市民報告集会に約60名の市民が集まった。集会は、まず事務局側から市民傍聴を拒否した議会の経過、百条委の解説、公社/市が被害を受けた場合の市民生活への影響について説明。21日に前橋地裁で聞かれた事件の初公判の傍聴報告も交え、ホットな情報が参加市民に提供された。そのあと参加市民の間で質疑応答に入った。主な討議事項は次の通り。
■百条委員会の市民傍聴を拒否できるような条文が何かあるのか?[条例では委員長権限に委ねられるとされているが、屁理屈をこねくりまわして市民に傍聴させないようにしているのが実情]
■県外の友人らがこの事件に注目しており、ぜひ事件の内容を知りたいという要請も受けて今日の集会に参加した。民間会社では社印管理はうんと厳しい。安中市には公印押捺簿がちゃんとあったのか?
■地方分権が叫ばれているが、今回の事件はそうした権限を安易に地方に委譲するととんでもない事態が起きる可能性があることを実証した。この意味からも前代未間の大事件!なぜ安中で起きたのか、行政も市民も自問自答しなければならない!
■なぜ15年間も48億円もの着服がバレなかったのだろう。私は市タト勤務だがこの事件で同僚にバカにされている。こうなったら市民がいっそ夜逃げでもしない限り国は助けてくれまい!本当に困った事態だ!
■中央政治の体質が汚職の温床になっているから権限を地方におろせと言う声がある。結局地方も甘い汁を吸いたいというのがホンネ。この日本の体質をはからずも露呈したこの事件は内外で往目されている!
■何十億円もかけてできた新しい体育館がここ旧邸からも見えるが、隣には一生懸命おばあちゃんを看病している家族が住んでいる。年寄りへの配慮ができる市議はいないのか?不良議員を一掃するためには、高潔な人はカネがなくても老若男女を問わずふるって政治の世界に出なりればと、つくづく思った!
■こんな事件が安中で起きて市民としてなさけない!会報をよく読んで次回の選挙ではぜひ参考にしたい!
■37億円の使途は裁判の仮定であきらかにされるだろうか?[本日公判傍聴したら、容疑者が一番先に公金に手をつけたのは昭和56年頃。手数料が公社に30万円振り込まれると初っ端から15万円をネコババ。昭和60年にはこれが4、5千万円になった。平成2年に経理に明るい直属上司が来たのと古城団地の特別会計にヒントを得て裏口座を開設。結局48億円もの詐欺事件となってしまった。9月18日の午後3時から追公判あるので次第に巨額横領金の使途が明らかになると期待されるが、これは司法だのみ。市民側としてできることは市民代表の議員が百条委で真相解明するしか方策がない]
■私は税金がズサンに使われるのは納得できないので、納税を銀行自動振込で支払うのは止める!納税組合冊由か自分自身で銀行に納めることにしたい。

ここが知りたい(4)――――――――――
横領したのは19億円だけとする容疑者供述報道のウソ!

新聞報道で、容疑者が骨董やギャンブルなどバブリー消費に使った額は19億円、利子元金返済に16億円、裏□座に残金が2億円と供述、などと報じられ、これを読んだ市職員や市民の中には容疑者が実際に使い込んだのは19億円で、所得と見なせるのは19億円だけと信じ込んでいる人が多い。これには大きな誤解がある。新開報道に惑わされないように、市民専門家の見解をもとにきちんと訂正して置きたい。
■分かりやすいように次の仮定をもとに説明する。
 容疑者は5年間で13回の不正借り入れをしているが、この聞に既に返済を済ませて借り替えた元金を一括して10億円と仮定。この間に支払った金利合計を年4%として年4000万円×5年=2億円と仮定。一方、5年間に不正借り入れした金でまだ返済期限の到来していない元金合計が21億円と仮定。これ迄に支払った金利合計が年4%として年8400万円×5年=4億2000万円と仮定
●容疑者は不正借入した元金10億円の償還期限到来前にどこから金を調達して返済に充てなければならない。そこで群集から10億円借り替えのために借り入れたとすると、金利分の2億円も一緒に返済しなければならなかったので、横領がバレないためには実際には群集から12億円を借り入れたことになる。
●不正借入してまだ期限のこない21億円の分について、横領がバレないためには金利分合計4.2億円を期末毎に払い込む必要があり、この分も群銀から借り入れなければならない。そこで元金10億円の返済時に必要な利息2億円と共に、トータルで6.2億円の金利を借り替えて返済に充てたことになる。
●まだ返済期限のこない21億円に対して、口座に残っているカネは2億円だということから、実際に着服した金額は21億円-2億円=19億円だというのが容疑者の供述。これを鵜呑みにしている人も多い。
●容疑者の供述のトリック―――――
                 /【返済期限】/【現在の借入金額】/【容疑者の供述】
不正借入元金:21億円      /→末到来・継続中/○ 19億円/自分で使った
                    /口座残高→/○  2億円/まだ使っていない
不正借入元金:10億円      /●到来・返済ずみ/-/元利返済に充てた
不正借入金利:42億円(21億円に対し)/●到来・返済ずみ/-/元利返済に充てた
不正借入金利:2.0億円(10億円に対し)/●到来・返済ずみ/-/元利返済に充てた
新たな不正借入:16.2億円(10+4.2+2.0億円)/-/○6.2億円/-
             ●返済ずみ元利合計16.2億円 ○借入金合計37.2億円
――――――――――
●しかしこれはトリック。容疑者が使い込んだ金は37.2億円全部であることは自明の理。この単純トリックを説明しても容易に理解できない市税務課職員もいる。横頭金は本人が自分の金銭消費に使ったわけだから、税務当局がしっかりと追徴課税しない限り、まじめに納税してきた市民にとって今後の納税モラルの低下は不可避。事実、37億事件で怒っている市民約10数名が銀行自動引落手続を止めたという。
●所得税法によると課税の時効は7年。従って、いつの時点で領領金が所得と認定できるのかがポイント。訴訟の判決をひたすら待つのか、それとも国税庁や県や市の税務課を促し独自調査を進めるのか、いずれにしても放置して37億円使いドク、という事態にならぬよう当会では国税庁長官に告発状を出し早急に徹底的な税務調査を依頼済み。市税務課によれば国税庁も本件について興味を持って見守っているとか。
●地方税法施行規則17条の6の1項の3号によれば裁判で確定判決が出た後3年間は課税を修正、即ち時効にならないとされる。今回は裁判を通じ容疑者のせしめたカネが公金か否かを明らかになるわけで、容疑者の課税を修正する判決が出ることは、即ち行政にとってプラス(徴税引賦課)になる事を加味する。なぜもっと積極的に容疑者の税務調査に取り組まないのかと、まじめに納税している市民は切歯扼腕するばかり。
●もっとも37億円はとうの昔に闇に消え去り、全財産はたいても2~3億円しか弁済できない状況と見られるから焼け石に水?
●37億円で驚いていたら、8月21日の初公刊でさらに11億円が被害額に上積みされている事が明らかになった。この先いったいどうなるのか!市民の不安は尽きない。
――――――――――
開かれた 見える政治を 市民の手で!
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次回定例集会9月2日(土)午後8時半~ 於:安中公民館

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【ひらく会情報部・タゴ51億円事件18周年記念調査班】

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太田市長による広報への当選御礼記事掲載で、太田市広報課からオンブズマンに来た補正通知の意図

2013-06-22 08:10:00 | オンブズマン活動

■太田市の清水聖義市長が書いた4月の市長選の当選御礼挨拶文を表紙コラムに掲載し、公選法違反が問われたため、既に8万3500部を印刷して新聞折り込みまで済んでいたものを急遽回収した件で、清水市長は同5月21日に記者会見で「広報紙の廃棄に伴う損失額について『当然、その経費は私が負うつもりだ』と話し、給与を減額して穴埋めする考えを示した。」(上毛新聞)と報じられました。市民オンブズマン群馬では、この広報刷り直しについて、当初は秘書室や広報課を管轄する担当部長の判断で、今年度の広報制作発行に係る予算内でやりくりすると発表していたのに、5月21日の記者会見では一転して自己負担を表明したことから、5月21日の記者会見の正確な発表内容を確認すべく、平成25年6月10日付で同市在住のオンブズマン会員を通じて公文書開示請求をしていました。

 ところが、6月13日になって太田市広報課からオンブズマンに電話で「記者会見では文書で発表していない。いろいろな内容の中で、この広報の問題について、自己責任なので返済することにしたと市長が発言したものだ」と言ってきました。

 文書がないのであれば不存在通知をくれればよさそうなものですが、太田市の広報課から突然6月18日付で、補正通知が送られてきました。その内容は次のとおりです。

**********
平成25年6月10日付で提出されました公文書開示請求書について、補正を通知します。
         記
1 補正事項
 開示の請求に係る公文書の名称又は内容が特定できないため、請求の目的にある「マスコミ発表の確認」について詳細資料を提出してください。
 例:○○新聞  ○月○日号  ○○ページ
   記事の表題:○○○○○○
   記事の文言:本文中○段○○行目  「○○○○○○(具体的な記載の文章)
  ※複数ある場合は、その全てを記載してください。
2 連絡事項
 補正の期間は、この通知の到着日から起算して15日以内とします。
          担当:企画部広報課
             TEL0276-47-1812(直通)

**********

■市民オンブズマン群馬が平成25年6月10日付で、太田市長宛に提出していた公文書開示請求書では、次の情報について記載されていました。

<開示の請求に係る公文書の名称又は内容>
広報おおた5月号表紙コラムに太田市長が本年4月14日投開票の市長選の当選御礼挨拶について執筆した印刷物が公選法等の観点から全て廃棄され、修正版を刷りなおした件に関する次の情報。
(1) 太田市長が平成25年5月21日(火)に記者会見をした際、マスコミに発表した発言内容、関連文書、資料等一式。
(2) 本来の広報印刷・配送等にかかる業者との契約の経緯と条件が分かるもの(入札調書、契約書を含む)。
(3) 今回の擦りなおしに係る業者への発注に関する経緯と発注条件がわかるもの。
<請求の目的>
マスコミ発表内容の確認(オンブズマン活動目的)

■なんと開示の請求に係る公文書の名称又は内容が特定できないという理由で、請求目的である「マスコミ発表内容の確認」について、詳細資料を提出しろ、というのです。

 オンブズマンの5月21日付公開質問に対して広報課は、5月30日付で「5月21日の記者会見で発表したとおりです」と回答してきたため、この記者会見の内容を確認しようとしたのですが、太田市では開示を先送りするために、このような時間稼ぎ目的の嫌がらせの補正通知を出してきたものとみられます。あるいは記者会見の内容について詳細を公表したくないため、こうした作戦に出て来たのかもしれません。

 このため、この機会に、今回の広報私物化事件に関する一連の太田市の対応とマスコミの報道との整合性を補正書をきちっと提出することで確認しておきたいと思います。

【市民オンブズマン群馬からの報告】

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これでよいのか群馬県環境行政…ついに事前協議の最終局面を迎えた安中の大規模サンパイ場計画

2013-06-21 18:00:00 | 全国のサンパイ業者が注目!
■群馬県大物OBを役員に擁して、関東でも最大級の大規模サンパイ最終処分場を安中市岩野谷の大谷地区に設置計画している㈱環境資源がよろこびそうなニュースが飛び込んできました。来る6月27日(木)に大規模審議会が県庁で開催されるというのです。今年3月までに事前協議が終わってしまうのではないかと見ていた住民らは、新年度にはいっても具体的な動きが出てこないのでおかしいな、と思っていましたが、やはり行政と事業者との間では水面下で次の一手に向けて合議が進められていたのでした。

 この大規模審議会というのは、正式名は「群馬県大規模土地開発事業審議会」といい、有識者10名で構成され、そこで出された答申は知事に上げられそれに基づき、知事が殆どの場合承認することになります。

■環境資源による、この関東最大級の大規模サンパイ場計画では、役所の手続を知り尽くしている中島ノブヨシという県の環境行政の実務トップだったOBが、環境資源の役員に天下りしています。

 加えて、既に平成19年4月から大谷地区で稼動しているサイボウ環境㈱による一般廃棄物最終処分場の設置許可申請手続きで辣腕を振るった角田ユタカという人物が専務として暗躍しています。

 この二人は行政手続きの表も裏も知り尽くしているだけに、行政の表しか知らない地元住民にとって、人的・利権のつながりによる官と業者の癒着の実態は想像の域を遥かに超えるものです。それだけに、いくらサンパイ場反対を行政にアピールしても、いつのまにか、行政と業者の間で手続が進んでしまうのです。

■今月27日(木)に「群馬県大規模土地開発事業の規制等に関する条例」に基づき、いよいよ大規模審査会が開催されることになった背景には、廃棄物処理法にもとづいて群馬県が制定した「群馬県廃棄物処理施設等の事前協議等に関する規程」でも、この環境資源による大規模サンパイ場計画が事前協議の最終段階を迎えており、地元住民らや区長、安中市区長会名で群馬県に提出された数々の反対意見書をつぶすために、大規模条例による事前協議を先行して完了させ、廃棄物処理法関係の規程で以前足踏み中の本件事前協議を完了させるための促進剤として、このたびの大規模審議会の開催が目論まれたと見ることが出来ます。

 そのため、当会ではさっそく大規模条例を管轄する群馬県企画課土地・水対策室に電話をして、現状を確認しました。すると驚くべきことが判明したのです。

 ことしの3月まで、本件について地元の出前口座で講師を務めていただいたこともある浅野次長をはじめ、直属の部下の松本土地利用係長、そして上司の原澤室長らが、すべて4月1日付の人事異動でどこかに行ってしまい、全く新しい職員と入れ替わっていたからです。

 電話に出たナラワ職員にかわって電話口に出たのはツノダという次長兼土地利用係長でした。ツノダといえば、サイボウ環境㈱の廃棄物処分場の設置手続の過程で、境界確定書を偽造した事実が住民に発覚して告発され刑事事件沙汰になっても、偽造したのは測量会社でサイボウ元社長はしらなかったというシナリオを司直に認めさせ豪腕振りを住民サイドに見せ付けた同社のツノダ・ユタカ専務のことが思い出されます。「親戚ですか?」と聞いたところ「業者専務のツノダさんとは全く無関係です」とのこと。

 そこで、「近々大規模審議会が開催されると聞いたが、いつ開催されるのでしょうか?」とツノダ次長に質問したところ、「特定の住民に公表することはできません」との回答がありました。地元住民で納税義務を果たしている県民に対しての発言としては信じられなかった為、当会は「ご自身の判断ではなく、上司なりしかるべき責任者に確認をとってから回答をお願いします」と再度確認を依頼しました。

 すると、「1時間程度時間をください」というので、待っていたところ、40分ほどして当会に電話が有りました。上司のトモマツ室長に確認した結果だとする回答内容によれば、環境資源の大規模サンパイ場に関する大規模審査会の開催日時は6月27日(木)午後2時からだということです。しかし、会議室の場所は「県庁内」というだけで、教えてくれません。

 実は、既に当会は開催日については他の複数のルートや、別の部署の職員から情報を得ていましたが、なぜか肝心の土地・水対策室だけが秘密主義なのです。

■さらに大規模審議会の委員についても、トモマツ室長の判断だという情報開示の限度は、10名の委員の専門分野のみで、それぞれのメンバーの氏名や所属先は公表できないというのです。これでは、一層、官と業者の癒着を疑わざるを得ません。

 ちなみに、大規模審議会メンバー10名のそれぞれの専門分野は、農業、林業、商工観光、自然環境、文化財、都市計画、土木、法律、報道(マスコミ関係者)、地質だということです。

 当会から「なぜホームページで大規模審査会のメンバーや審査内容の議事録について、ホームページ上で公開しないのですか?」と質問しましたが、土地・水対策室は「非公開になっているから」というだけで、「もし必要なら、情報公開請求をすればよい」というのです。情報公開請求をすれば最低14日はかかります。それでは6月27日(木)の大規模審査会には到底間に合いません。

■当会では、東邦亜鉛安中製錬所のサンパイ場設置手続で、地元区長が出した災害防止協定の締結を事業者である東邦亜鉛との間で希望する旨の住民意見書が群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課によって握りつぶされた際に、同じように群馬県の廃棄物・リサイクル課にその際の事情を確認し住民意見書をきちんと県から事業者に送るように、群馬県廃棄物処理施設専門委員会のメンバー6名宛に要請書を郵送し、その写しを群馬県に提出していました。しかし、いまだにメンバーはもとより、群馬県から何の反応もありません。委員会のメンバーに群馬県職員のOBや関係者が含まれているのも心配です。群馬県のいうことしか聞かない有識者だけを集めて「委員会」として中立的立場をよそおって、業者の都合のよい結論をだすのが目的だけのダミー委員会なのでしょう。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1018.html#readmore 参照。

■今回の大規模審議会の役割は、県ホームページによればこの記事の末尾にある大規模開発にかかる条例にもとづいて設置されていると記されています。

 この土地・水対策室のホームページによれば「大規模な土地開発事業の適正な誘導に努め、開発事業の施行に伴う各種災害の発生や開発に伴う公共施設の不備による各種弊害の発生を防止し、安全で良好な地域環境の確保と県土の秩序ある開発の推進を図っている」ことから、当然、その審議の過程や審議する県民代表の有識者の情報は公表されるはずです。

 しかし、実際には行政はそのようなことを好んでいないことがわかります。つまり、納税者である県民に対して、表向きはきれいごとをいっていても、実際には、「知らしむべからす」という江戸時代同然の封建思想が蔓延していると言えます。とくに利権がらみの開発案件、とりわけ儲けが大きく行政の裁量で許認可がどうにでもなるゴミ処理関係案件では、顕著にその性向が見られるのです。

■行政が開示すると都合の悪い情報や、開示したがらない情報でも、県民を代表する議員であれば、役人はこばむことができないはずです。環境行政に熱心な議員や、地元選出の議員にかぎらず議会の全議員の皆様には、ぜひ役人の秘密主義のバリアーをうちやぶり、行政の内部で行われている手続の正確な情報を迅速に有権者に伝える使命感をわすれずに行動して欲しいものです。

 県の大物職員OBが役員を務めているサンパイ業者に対して、役人の皆さんは、退職後の利権の確保を優先して考えてしまう為、思い切った情報公開が出来ないと思われます。それを打ち破れるのは議員の皆さんの力にすがるしかありません。

 大規模審議会が開催されるまでに、審議会のメンバーと開催場所があきらかになるかどうか、注目したいと思います。

【ひらく会情報部】

※参考情報
大規模土地開発事業について
http://www.pref.gunma.jp/04/b4010010.html
 群馬県では、昭和40年代後半の列島改造ブームに伴い開発事業が急増しゴルフ場や別荘地が無秩序に開発される情勢にありました。
 そこで、このような情勢に対処すべく「群馬県大規模土地開発事業の規制等に関する条例」を昭和48年7月10日に全国に先駆け制定し、同年9月10日より施行し、大規模な土地開発事業の適正な誘導に努め、開発事業の施行に伴う各種災害の発生や開発に伴う公共施設の不備による各種弊害の発生を防止し、安全で良好な地域環境の確保と県土の秩序ある開発の推進を図っています。
1.大規模開発条例のポイント
■5ヘクタール以上の一団の土地の開発事業(大規模土地開発事業)を行う者は、開発事業に係わる土地売買等の契約を締結する前に、また開発に必要な法令等の許認可手続の申請の前に知事と協議することとしています。  (条例 第7条「事前協議」)
◎事前協議
事前協議手続に先立ち、開発事業区域内の地権者同意を90%以上取得してください。
「大規模土地開発計画協議書(事前協議書)」は、県で受理し、群馬県土地利用対策会議(土地利用対策会議)で、各法令に照らして審査します。また、開発区域内の市町村に意見照会します。(事前協議書の記載の詳細については、下記連絡先に確認してください。)
土地利用対策会議の審査が終了すると、「群馬県大規模土地開発事業審議会(大規模審議会)」に諮問し、その答申を踏まえ、知事が当該開発事業計画に係る異議の有無を通知します。
なお、事前協議手続を終了したとしても、開発許可なり開発に関する権利が附与されるものではありません。
◎承認(許可制度)
承認手続に先立ち、開発事業区域内の100%の用地を取得してください。(借地等も含みます。)
他の法令等による開発の規制が適用されない区域が5ヘクタール以上ある場合、大規模開発条例に基づく「承認」が必要となります。
「大規模土地開発事業承認申請書(承認申請書)」は、県で受理し、土地利用対策会議で、承認基準に照らして審査します。また、開発区域内の市町村に意見照会します。(承認申請書の記載の詳細については、下記連絡先に確認してください。)
土地利用対策会議の審査が終了し、承認基準に適合していることが確認できましたら、当該開発事業に関連する他法令の許可等と併せて「承認」となります。
大規模土地開発条例の手続の流れ(PDF形式:35KB)
4.大規模土地開発条例の承認が適用になる開発事業とは
■大規模土地開発条例の「承認」が適用される大規模土地開発事業は、他の法令等による開発規制が適用されない区域(いわゆる規制白地区域)が開発区域内に5ヘクタール以上ある場合に他法令の開発規制を補完するする目的で適用されます。したがって、すべての大規模土地開発事業に対して「承認」が適用されるものではありません。
5.大規模開発条例の手続はいつだれが行うのか
■5ヘクタール以上の一団の土地の開発事業を行おうとする者(開発事業を自ら行い又は行わせる者)は、開発事業予定区域の土地について、所有権その他土地を利用する権利の取得に係わる契約の締結前並びに開発を行うために必要な法令等の許認可手続きを申請する前に知事に協議することとしています。  (条例 第7条「事前協議」)
○事前協議はなぜするのか
 事前協議は、県土の保全と秩序ある開発を図るために行う行政指導方式による手続きといえますが、一方で事業者の方にとっては、以下の利点があるといえます。
大規模土地開発事業を実施するにあたっては、関係する法令等の許認可やそれに伴う行政機関との協議、調整も多岐にわたります。このため事前協議手続きを経ることで、こうした協議、調整の窓口を一本化して総合的な観点から審査、指導手続きが進められるため、事業者の方の協議、調整手続きが軽減されるともいえます。
また、当該開発を行おうとする土地の売買契約の締結前に、その開発事業について事前に知事と協議することにより、その協議を通じて当該土地の開発の法的ないしは物理的な可能性が明らかになります。これにより開発が不可能と認められる土地の買収を防止するとともに、協議者が損失をこうむることのないようにするための措置であるともいえます。
6.大規模開発条例の手続きはどれくらいかかるのか
■手続きに要する標準的な期間は「開発構想書の提示」については2~3箇月、「事前協議」については6~9箇月、「承認」については標準処理期間を90日(「群馬県行政手続条例」により申請書を受理してから承認までの期間は規定されています。)です。
7.その他
■ここに記載した手続きは、あくまで一般的な手続きの流れとなります。
○「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が適用される廃棄物処理施設等の設置に係わる大規模土地開発事業は別途所定の手続きを要します。
このページについてのお問い合わせ
企画部土地・水対策室
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2361
FAX 027-223-0024
tochimizu@pref.gunma.lg.jp

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タゴ事件発覚から18周年・・・地方自治体史上最高額の横領事件に安中市民はどう対処したか(会報10号)

2013-06-18 23:12:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル

■18年前に安中市役所で発覚した地方自治体史上最大級の巨額詐欺横領事件に関してリアルタイムに状況を市民に報じた市政をただす安中市民の会の会報10号は平成7年8月22日に発行されました。

**********
■市政をただす安中市民の会  会報10号(上)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年8月22日発行

事件の真相から市民を遠ざけようとする議会の本牲!
市民の再三の公開要請にそっぽを向いた百条委員会

百条委の市民傍聴について各委員に直撃インタビュー

8月17・18日の百条委員会を二日後に控えて、市政をただす市民の会では15日午前、百条委メンバーの自宅を訪問。再度、市民傍聴について賛成か反対かひとりひとりの意見を開いた。結果は次の通り。
◆小西勝二委員長:市民傍聴については14日に広上議長と、長沢副委員長と3人で長時間激論し合った。議長は傍聴内容を歪曲せずに市民が伝え合うなら傍聴認めると発言したのて私も同じ気持ち。
◆長沢尚副委員長:(留守のため置き手紙をしてきた)
◆松本利一委員:傍聴市民が傍聴内容をゆがめて伝えないという条件が守られるなら市民傍聴は問題ない。
◆沢博委員:(不在。家人によれば17・18日の準備勉強会のため夕方まで外出。結局会えずじまい)
◆上原信委員:新政会として市民傍聴させるべきと考えるが会報には傍聴内容の真実のみを書いて欲しい。
◆小林孝委員:新政会としても個人的にも市民傍聴は必要だ。実現できるよう明日の会議で尽力したい。
◆上原延秋委員:百条委の市民への公開にはやぶさかでない。(いまいち歯切れよくない)
 以上の結果から百条委メンバーの意見は圧倒的に市民傍聴に賛成。市民公開に向けて期待が膨らんだ。

百条委員会に37億事件真相の徹底解明の要求書提出!

8月11日やっと設置が決まった百条委員会。市民の会では事件発生が報道されて収束ずっと百条設置を議会に要求してきただけに、議会の対応のスローモーさにジクジたるものを感じていた当会としては、何とか百条調査権を最大限有効に行使して欲しいという願いから、市民の英知や知見を活かして百条委員会を支援してゆけないものかと考え、8月16日午前11時に次の内容の要求書を提出した。
――――――――――
安中市議会議長広上輝男殿              平成7年8月16日
調査特別委員長小西勝二殿              政をただす安中市民の会
                          事務局長 関口八郎
          要 求 書
     (安中市土地開発公社不祥事件の徹底真相解明について)
(前略)8月11日の臨時市議会で地方自治法第100条調査権が付与された事件調査特別委員会が8月17・18日に開かれ8月21日にはこの事件の第1回公判が予定されております。いよいよ前代未聞の大不祥事件の真相が明らかにされようという段階を迎え、市民の議会に対する期待度はいやがうえにも高まっており、百条調査権を最大童に行使して徹底的かつ的確な調査および調査状況の迅速なる市民への開示が望まれます。当会としては、事件に係る金の流れをしっかりと把握することが真相解明への最も重要な要件であると考えております。そのためには百条委員会の調査に際しても、できる限りの協力を惜しみません。私たちの真意をご理解の上、何卒下記要求を実現下さるよう重ねてお願い申し上げます。
          記
1 群銀に対して次の記録の提出の請求をすること。これらは容疑者の元職員が裏口座を開設した以降の記録のみならず、それ以前に遡って公社に就任中の関係する全ての記録も請求すること。
(1) 群馬銀行から安中市上地開発公社への融資の元帳(貸付台帳含む)
(2) 土地開発公社の表口座・裏口座に関わる群馬銀行の預金元帳およびそれに付随する伝票類
(3) 土地開発公社の表口座・裏口座に関わる通帳の写し
2 容疑者の元職員の担当弁護士に対して次の記録の提出の請求をすること。
(1) この事件立件証拠を示す起訴状、公判記録及び訴訟記録の謄写(現在立件のもののみならず、今後立件されるであろう裁判記録に関連するものも含む)
3 百条委員会に対して市政をただす安中市民の会がお手伝いできるように、両者の話し合いの場を設けること。
4 百条委に市民10名迄の傍聴を認めること。(当会の貴殿宛8月11日付要求書の通り)以上
――――――――――
◎この会報に対する賛否のご意見は、実名でお聞かせください。紙面上の匿名は希望に応じます◎

何がなんでも市民傍聴阻止に凝り固まる議会百条委!

百条委メンバーヘの直撃インタビューの結果、市民公開に向け大きく踏み出すと期待された議会百条委。しかし期待はあえなく潰された。百条委開催を翌日に控えた8月16日の市議会の2枚舌ぶりを報告する。
■8月16日午前11時に当会事務局は広上議長、小西百条委員長、長沢百条副委員長と面談。左記の要求書を提出。百条調査権の徹底行使による真相解明への最大限の努力と、当会としての協力申入れを行ない、改めて市民傍聴許可をお願いした。小西委員長は午後1時の準備会で皆に諮り結果を連絡すると約束。
■午後3時に呼び出しがあり、市役所3階に行くと小西委長から「あのあと、このことでずーっと話していた。その結果(市民傍聴に)賛成できない」と回答あり。前日と180度違う答えに耳を疑う。
●小西委長「百条委の個人全員に開いてみた。賛成が多かったが全員が賛成した訳ではない。反対がいる」
▲当会「反対は誰か?」
●小西委長「それは言えない」
▲当会「黙っているからますます市民の疑惑を呼ぶ。納得がいかない!」雷鳴が轟き一時停電するなど異様な顎用気の中で1時間半ほど押し問答が続いた。
■小西委員長は市民傍聴拒否理由について、当初「参考人の人権保護。傍聴許可の前例がない。時期尚早だから」と言っていたが、市民の執拗な追求を受けるうちに「(ただす会の)会報がやたらと出る。議員の人権に関わる記事は問題だ。ありのままを書いてくれ」と、いつのまに議員の人権にすり替えてきた。
■押し問答の末に小西委長は「ちょっと待ってくれ。委員を集める」と言って委員会室に消え、市民は更に待つこと1時間余り。会議が終わり小西委長いわく「どういうことを言っても信用しないから委員ひとりひとり連れてきた。それぞれ賛成か反対か意見を言うが時間ないので(市民からは)質問しないでくれ」

百条委の市民傍聴に関する各委員の意見(8月16日夕方現在)

●S市議「開かれた議会をめざすから傍聴賛成。ただし最終的判断は委員長に一任」
●N市議「まだ結論は出ない。敢えて言えば反対かもしれないが慎重論と思ってよい。大勢は公開の流れではあるが、若干の不安や人権問題もあり、反対でなく慎重と理解してもらいたい。個人的には問題点克服しつつ公開すべきだと思う。多数意見尊重の中で多数には従わざるを得ないと思っている」
●委員長「S議員!人権問題も含め私の先ほどの意見を付け加えて欲しい。そうでないと委員長権限と言われても困る。傍聴には賛成だが、こういう問題でそうもいかないという事をちゃんと話して欲しい」
●KT市議「傍聴させるべきと考える」
●UM市議「私も傍聴に賛成。ただし昨日話したとおりの条件つきということで」
●UN市議「決して反対ではないが、百条委は難しい問題。今日の打ち合わせ会議で検討で連絡する旨昨日話した。こんな形(地方自治法に関するコピーを見せて)で今回は遠慮して頂きたい」
●M市議「個人的には賛成だが、市民クラブの代表なので皆に相談しながらやってきた。前回のただす会の会報についても事実と違う事が多少あるようだという事で、議員が笑ったなどとかいう文章は今後反省して真実を伝えろという話しが出た。真実を伝えるなら傍聴してもかまわないが、市民クラブとしては現段階では百条で人権も絡むから、報道機関だけ許可して市民は遠慮したらという結論。市民クラブの代表なのでそのように対応させていただく」
●委員長」先ほどS議員は傍聴賛成と言ったが、打合わせ会では人権等々の問題が絡んでくるからと本人が言ったことを付け加えておく」
●S市議「だから委員長判断とした」
▲市民「ひとりでも反対があればできないと委員長は言っているが、全員一致でなければ市民傍聴させないという理由が我々には理解できない」
●委員長「傍聴させないと言っているんじゃない」
▲市民「では何対何で賛成すれば合意なのか聞いたのか」
●委員長「メンバーに聞いてみればわかるが反対はいない、全員賛成。ただ百条委員会は参考人を呼ぶので。特に社会党は反対ではないが遠慮してもらいたいと強く主張。UN議員にもらった資料を自宅に持ち帰って皆でよく勉強してみてくれ。委員長権限ではなく、ハッキリみんな賛成だが、こういうのがあると言うので。それでは皆にうかがわざるを得ない。ぜひ私の立場を理解頂きたい」
▲市民「スピーカで公開してもらえるのか?傍聴はダメだというなら、さっきの委員の話しでは、スピーカつけるなら良いということだったが」
●S市議「私がそう言った。私はあくまでも委員。傍聴はいいと。最終的な判断は委員長がするしかない。私は委員長ではない。一人二人反対者がいるから傍聴はダメだというのは委員長の判断の線引き次第」
▲市民「なぜ記者クラブに傍聴させて、いちばん主役の市民に傍聴させないのか。この理由を示さないのは納得できない。これでは市民不在と言われても仕方ない。また会報云々を条件にしているが、我々市民の運動を議員の皆さんは気に入らないとみえる」

◎37億事件とそれを許した市当局や市議会に関するあらゆる情報は事務局又は連絡事務所へ!◎

■市政をただす安中市民の会  会報10号(下)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年8月22日発行

市民をしめだした17-18日の百条委!

議員の人権配盧だとか、市民の前では正直な事が言えないとか、ただす会の会報は真実を報じないとか、訳の判らぬ口実やケチをつけまくり、百条委は報道機関のみ傍聴の秘密会形式で開かれ市民を失望させた。
■一方、市役所では急速16日夕方に公社理事会が團かれ、百条委員会での承認・参考人尋問を明日に控え事前打合わせが行われた。市長が雇った公社の弁護士の忠告に基づき、容疑者の監督責任を問われている直属上司は出頭拒否させた方がよかろうとか、公社にとって都合の悪い事項はしゃべらないよう口裏を合わせる相談が夜の9時過ぎ迄行われた。翌日の茶番劇に向け関係者でシナリオを練っていたらしい。
■明けて17日。朝9時から始まる百条委を前に、再度傍聴許可を迫る市民に小西委員長は「何でまた来た?きのう(傍聴させないと)言ってあるじゃないか」と門前払い。ところが驚いたことに、松井田町に住む碓氷タイムス土屋氏が市職員の手招きでスイスイ百条委員会室に入って行くのを目撃。なぜ隣町在住者が傍聴できるのかと部屋の外から大声で抗議すると共に、18日に議長と委員長に書面で問題提起したら、同氏はその後退出したと判明。もし市民がその場にいなければウヤムヤになる所であった。

緊急報告→ 17日の百条委員会の猿芝居ぶり

■9時に開始。午前中は銀行関係者が参考人で出席。群銀安中支店足支店長宮内氏(平成2年2月6日~3年11月3日)、前支店長渡辺氏(平成3年11月4日~5年8月3日)、現支店長の松井氏と次長の清水氏の4名。
◆今年4月、群銀として今回の事件とは全く関係なく、県内の公社にいくら貸し付けているか調査。4月4日に本店から支店に指示が有り、6日に公社へ照会。10日に公社の高橋次長から銀行に連絡があった。この時点で銀行側の把握する数字と公社側から提示された数字に大きな差があった。銀行の担当者は「多胡被告が長年携わってきた業務で、今年の4月に異動になったことを考え、何かの間違い。勘違いだろう」と考え、この「差」に特に注意を払うことなく済ませてしまった。担当者から上司への報告もなかった。
◆異動後も多胡被告が金を引き出していた事実について、「当面、現職員が慣れないので、公社の仕事も手伝うようにと、市長から言われている」と言って、銀行側に対応させていた。
◆多胡が一回におろす金は12万円から1500万円。大体500~600万円。それほど大きな額でもないので、支店長の立会いはなかった。引き落とした回数は、225回(百条委員会)、245回(銀行側)にも上る。[それぞれ数字が異なっている!]
◆債務保証蜀は補正予算により変更されるが、市当局から銀行へは、その変更について特に連絡はなかった。(銀行は)全く知らなかった。
◆多胡が作った特別会計口座から他銀行への振込が一件あった。公判のこともあるので詳しくは言えない。
■午後は、公社側から監事の坂東氏と吉田市議、前監事の広上市議、元監事の萩原市議、そして公社事務局長の加部氏、理事長の小川市長が参考人として出席。いずれも「確認しておりません」などの連発で全くの「猿芝居」。話にならない状況。それでもいくつか興味深い事項があった。
●4月の群銀からの問合わせについて公社側証言に食い違いあり。公社では4月11日に照会の問合わせがあり12日にメモを渡したという。その後、群銀から何も問合わせがなく事件発覚まで何もしていない。
●百条委員会の長沢市議によると、小川市長が「『証人』としてではなく『参考人』として欲しい」と言っていたそうだ。小川市長は正式に申し入れはしていないと否定していたが・・・・・・。
●現在、多胡容疑者の弁護人(穂積氏)と公社の弁護人(東京の田辺氏・こもだ(?)氏)、群馬銀行の弁護人で被害弁償を含めて協議している。小川市長は「市民に負担をかけないよう、最善の努力をするのが使命」と発言。改めて群銀に対して訴訟を起こすつもりはないと。
●5月29日、容疑者は発覚した事実について「他会計にプールした」と言ったそうだ。
■以上が第1日目の顛末。傍聴したマスコミの談「やる気があるのか疑いたくなる。これではいけない!」

緊急報告→ 18日の百条委員会の茶番劇ぶり

■9時に開始。午前中は安中市関係者の横田氏、石井氏(財政課?)、秘書課長の堀越氏、議会事務局長の渋谷氏、須藤助役、小川市長が「参考人」として出席。午後からは公社関係者として理事の原田市議と事務局次長の高橋氏が「証人」として出席した。次の示すように、中身のうすいやりとりに終始した。
●今年3月31日の分に関しては、変更契約書?(声が小さくて聞き取れず)7枚の中に、多胡容疑者が偽造したものが含まれていた。つまり6枚の変更契約書と1枚の多胡容疑名の偽造文書。そういう状態で市長印が押された。誰がその書類を財政課に持ってきたか、横田氏は記憶がないと言っていた。3月31日分に関しては「弐億伍千」が九百六十一万いくらかに付け加えられていた。これは、数字を書き込むという改ざんではなく、全く新しいものを作ったというもの。
●渋谷議会事務局長は昨日まで議事進行を補佐して百条委員会委員長席の隣に座っていた。今日はいきなり参考人として出席。昨日迄の議論を全て聞いている訳で、そんな人物が参考人として状況を述べている。
●事件発覚前、公社に理事長印使用簿はなかった。

■以上が2日目のあらまし。傍聴した報道陣の感想は「昨日の公社局長の答弁もひどかったが…。警察に資料を持っていかれたので確認できないとか…。今日もみんな声が小さく、よく聞こえない。これじゃ、余りにもお粗末でとても市民に公開などできない、と実感」という。記者もみんなあきれかえっている。

市役所3階ものがたり 百条調査そっちのけの怪文書改ざん騒動

先週11日の臨時議会の前に、市長不信任案提出をめぐり虚々実々の駆け引きがあった市役所の3階で、そうした動きを撹乱する目的でもうひとつのドロ仕合が仕込まれていたことが判明。37億円の真相解明を心待ちにしている市民に、ドロを塗る結果とならねばよいがと、事情通の間で深刻に憂慮されている。
■ことの発端は、臨時議会の前に怪文書が市役所の3階に配布されたことに始まる。選良の控える市役所3階の中にまで怪文書が横行すること自体、およそ普通のジョーシキでは考えられないが、37億円事件が起きた自治体ならば驚くにあたらない、とする冷静(?)な向きもある。
■この怪文書というのが、驚くなかれ7月31口に市内各所のゴミ捨て場などで発見され大騒ぎになった元祖「黒い霧」怪文書の「訂正版」である。元祖怪文書に名前が載っていた人、載らなかった人など、悲喜こもごもの思いがあるようだが、いまだに作成者や配布者については判明していないらしい。
●今度3階で配布された訂正版は一箇所だけフルネームに替えてあったという。前回はゴミ捨て場に針金でくくられていたという怪文書が、今度はちゃんと市役所内にも届けられたというから余計ややこしい!
■訂正版の怪文書を見てフルネームで名指しされた議員が仰天し、早速捜査陣が大挙して12日に市庁舎に入り現場を撮影、指紋をとるなど大騒ぎになった。余りの騒ぎに動転したのか「実は怪文書に手を加えた」という御人が現れ、議長を伴って出頭したので、議会は上へ下への大騒動。改訂版で名指しされた議員は、今度こそ告訴してくれると鼻息荒く、訂正版をつくって持ち込んだ御人の所属する会派では、とりあえず告訴を取り下げてくれと平身低頭。メンツにかけても絶対取り下げないとする名指し議員との間でスッタモンダが続いており、成行きが心配されている。[16日までに告訴状を提出し受理された。怪文書を改ざんした御人は所属会派に16日夜脱会届け。慰謝料で解決をはかろうとする動きもあるらしい]
■百条委員会を控え15日10時、16日9時の各会派会議、10時の会派代表者連絡会議、1時の百条準備会が周到な事前打合せと信じていた市民。実はこのスッタモンダが主な議題と判り肩透かしを食った。
■8月21日の37億円詐欺事件関連の初公判の前にかけ込みでかろうじて間に合れせた恰好の百条調査特別委員会。その権能をフルに活かさねばならないのに議会のこの体たらくぶり!先が思いやられる。
■以上が市役所3階ものがたりの一幕。次々演じられるドタバタ劇に安中市民は只々ヘキエキするばかり。

ここが知りたい(3) 37億円の市民しわ寄せは絶対にゴメン!

市長は「市民には負担をかけないように努力したい」といい、議員にも「市税は法律で決められており直接負担はありえない」などと耳触りのよい言葉を使う者がいる。編されないようにマユを湿す必要あり。
■市税にはいろいろ種類がぁる。この税率は絶対的に決められているのではなく都合で変えられる。税率を上げる場合は正当な理由が必要で、すべて議会の議決を必要とする。「37億円の穴を空けたから市民の皆さん負担して下さい」という値上げ理由は通るわけはないが、「高齢者が多くなったので福祉行政充実のため」などと口実をでっちぁげ、議会で議決すればどうなるか。ノーテンキ議会なだけに余計心配だ!
■時あたかも8月20日号広報おしらぜ版は「より適正な家屋の課税状況を把握するため」に9月中旬~来年2月下旬に市内の全家屋を現地調査する」と報じた。スワッ!37億円穴埋め目的の課税見直しか?
――――――――――
 税   目   / 税 率 の 種 類 /制限税率の有無/現在の税率/摘 要
個人市民税(所得割) 標準税率3~11%    有(1.5倍)  3~11%  23.39億円
個人市民税(均等割) 標準税率1,500円    有(2,000円) 1,500円  ↑
法人市民税(法人税割)標準税率12.7%     有(14.7%)  14.7%   ↑
法人市民税(均等割) 標準税率4万円~300万円 有(1.2倍)  1.2倍   ↑
固定資産税      標準税率1.4%      有(2.1%)   1.4%   ※26.85億円
軽自動車税      標準税率あり      有(1.2倍)  標準税率 1.40億円
入湯税        標準税率あり      無(青天井)  不詳    ↑
都市計画税      標準税率なし      有(0.3%)   0.2%   2.50億円
※固定資産税が1.7%を超える場合は自治省に届出が必要。摘要欄の数字は平成6年度の税収(56.39億円)内訳(市タバコ税2.25億円不含)。市の税収で、いかに固定資産税と市民税の割合が大きいかがわかる。
―――――集会のスケジュール―――――
8月21日(月)午後7:30~旧邸公会堂
8月24日(木)午後7:30~新邸公会堂
8月26日(土)午後8:30~定例集会(中央公民館)
8月30日(水)午哉7:30~伝馬町公民館

**********

【ひらく会情報部・タゴ51億円事件18周年記念調査班】

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当選御礼掲載の広報刷り直し事件でオンブズマンに経緯説明を約束した太田市長に立ちはだかる秘書室の壁

2013-06-17 23:42:00 | オンブズマン活動

■平成25年4月14日の太田市長選挙を勝ち抜いた清水聖義市長が、広報おおた5月1日号の表紙のコラムに当選御礼記事を書き、秘書室のチェックを経て8万3500部印刷し、新聞折り込みまで完了しました。ところが、5月1日の配達準備が整った段階で、配達の1日前に、いつものように広報課から記者クラブに配られた広報の原稿を見た毎日新聞の記者が、一読するなり「これはおかしい。公職選挙法に抵触する可能性があるのでは」と広報課に指摘しました。すると市広報課もしくは原稿チェックをした秘書室が、慌てて配達をストップさせて、新聞折り込み広告から全部引き抜く作業を行いました。

 太田市の場合は毎月1日、10日、20日と3回発行している広報おおたを、全て新聞折り込みで各戸に配っています。そのため、急遽5月1日号を休刊にして、5月10日号として、清水市長の表紙コラムの選挙違反抵触部分だけを変えて、表紙に掲載された清水市長のデカデカとした顔写真はそのままに、8万3500部を刷り直したため、広報おおた5月1日号は幻となりました。

 当初、無駄になった幻の広報5月1日号の印刷費用や、各新聞販売店への配送費用、そして新聞販売店における折り込みから引き抜く作業について、合計約120万円は以降発行の広報おおたのページ数やカラー印刷のモノクロ化などで節約するなどとして、本件をウヤムヤにしようとしていた太田市でしたが、市民オンブズマン群馬が提出した平成25年5月21日付の公開質問状など市民からの疑問の声を受けて、同日の記者会見で自ら費用を弁済すると発表しました。

■そして、オンブズマンの7項目の公開質問に対して、太田市長名義で秘書室から5月30日付で回答がオンブズマン事務局に寄せられました。

 この中で、太田市長(秘書室長)は、当初の損害賠償を公費で賄う方針について5月21日の記者会見で発表したとおりであり、損害額については未確定であるなどと回答してきたため、オンブズマンではそれらの事実を確認しようと、6月10日(月)付で太田市長あてに3項目の情報公開請求を行いました。

 1番目は、市長が記者会見をしたときの文章があれば、これを公開してほしいというものです。2番目は実際に廃棄にかかった費用がわかるものです。3番目は、広報の印刷を請け負っている者(どうやら上毛新聞らしい)が本件印刷を受注した経緯と条件を示すものを教えてくださいというものです。

■これについて、6月13日(木)に太田市の広報課からオンブズマンに電話による口頭での連絡がありました。それによると、「記者会見では文書で配布していない。いろいろな発表内容があったため、その発表の中で、市長が口頭で、この広報に関する問題について、自分の責任なので返済することにしたと発表した。だが、オンブズマンがそれでは納得がいかないというのであれば、オンブズマンの代表者に市役所に来訪頂き、清水市長から直接説明するから。ただし、太田市は現在議会開催中なので、議会開催中は面談出来ないため、6月17日(月)、19日(水)、20日(木)、21日(金)、24日(月)、25日(火)のうち、オンブズマンの都合のよい日取りを第1希望日、第2希望日、第3希望日として教えてほしい。そうすれば、市長のスケジュールに合わせて、その中から面談予定を段取りする」ということになりました。また、「開示請求にかかる2番目と3番目については、その面談日に併せて開示する」ことになりました。

 広報課の話では「広報おおたの発注先はプロポーザル評価方式で決めているため、受注会社遺体の業者が提案したものについては、公表できない」ということなので、オンブズマンからは「とにかく一部黒塗りでもよいから、条例に基づき出来る限りの範囲で開示してほしい」と申し入れました。

■そのため、オンブズマンでは6月15日の例会で、この件について、第1希望日時として、6月25日(火)午前9時もしくは9時半から、第2希望日時として同21日(金)午前9時若しくは9時半から、第3希望日時として同19日(水)午前9時もしくは9時半からと決定し、6月17日(月)に、太田市に伝えました。

 ところが、太田市の秘書課では、「市長がオンブズマンと直接面会して説明するなどということは全く聞いていない」などと言い出しました。広報課から聞いていた話と食い違いを見せているため、再度経緯を確認するように申し入れていますが、今日の定時までには返事がもらえませんでした。

 おそらく秘書室では、当該記事のチェック機能が果たせなかったことを気にして、オンブズマンが清水市長に面会時、この問題について触れてもらいたくないという強い気持ちが働いている可能性があります。

 引き続き、太田市からの回答を待ちたいと思います。

■なお、清水聖義市長との面会が果たせる場合、オンブズマンとして次の質問を想定しています。

(1)秘書室のチェック機能に関する市長としての現状認識および改善の必要性等
(2)公職選挙法の遵守について市長としての自覚
(3)表紙の自身の写真掲載について市長の指示の有無と経緯
(4)広報配布における新聞折り込み方式の採用理由と新聞未購読世帯への対応
(5)その他

【市民オンブズマン群馬からの報告】

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