田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

剣の舞 我が心の旋律(Tanets s sablyami)

2020年09月20日 16時03分36秒 | 日記

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 クラシックの巨匠アラム・ハチャトゥリアンがひと晩で書き上げた名曲「剣の舞」の誕生秘話を描いた伝記ドラマ。第2次世界大戦中のソ連。レニングラード国立オペラ・バレエ劇団の団員たちは軍部の監視や物資の乏しさなど様々な困難に耐えながら、まもなく初演を迎えるバレエ「ガイーヌ」の練習を続けていた。音楽を担当するアラムは、振付家ニーナから連日のように変更を伝えられ修正に追われていた。そんな中、文化省の役人プシュコフが突然、完成した舞台の結末を変更した上に、最終幕に士気高揚する踊りを追加するよう命じる。公演開始まであと8時間に迫る中、自らの作曲家人生を懸けて理不尽な挑発に立ち向かうアラムだったが……。ウズベキスタン出身のユスプ・ラジコフが監督・脚本を手がけ、ハチャトゥリアンの自伝や記録、遺族の証言を基に、「剣の舞」完成前後の2週間に焦点を当てて描いた。(映画.comより)

 

 

 

 

 音楽に疎い私でも、そのリズムを聞けば「知ってる!」と思うくらい、有名な曲。「剣の舞」という題だったのですね。もはやそれがどこの国の音楽かすらも知らなかった無知な私ですが、なるほど思想統一を強いられる第二次世界大戦時(今でもそうか知らんが)に無理難題を吹っ掛けられて、短時間で書き上げた曲だったのですね。素晴らしすぎる才能!しかも充分に士気高揚する軽やかなリズム、急に変更を強いられたダンサーたちにも踊りやすい(と思われる)音楽。すごいですねぇ、才能のある人はかくも素晴らしい成果を上げるのか、と感嘆しきりでした。

 こういう時代は、非常につまらないことでも揚げ足を取られて捕まってしまう時代。練習を重ねて体で覚えこんだダンスを急に変更されたり。芸術家にはつらい時代だったでしょうね。国民全体が監視しあうような仕組みもどこも同じ。しかも何がつらいって、曲にしろダンスにしろ(小説とかでもそうだろうが)、それに関してはよくも知らないような役人が変更を指示すること。非常識をさらに超えるような指示でも、それがまかり通ってしまう。怖いですね。本人は恥ずかしいという意識もないし。今回は、アラム・ハチャトゥリアンの才能を妬む男(プシュコフ)が役人です。いろんな手を使って権力に取り入っているゲス男でした。ヒロインのプリマドンナがとてもきれいな人なんですが、彼女はハチャトゥリアンが好きなのに、プシュコフに呼ばれたり、違う男を押し付けられたり。逆らうと踊れなくしてやると脅されたり。もう本当に理不尽です。

 本編中に、アルメニア出身のアラム・ハチャトゥリアンがある席で”アルメニア大虐殺”に言及する場面があります。ところが、無知なプシュコフは「なんなんだ、それ」と間抜けな発言をして、連れてきた女性に「アルメニア虐殺のことじゃないの」とたしなめられます。それでも「ははは。そんなもの、100年も経てばみんな忘れるさ」と発言してハチャトゥリアンにビール瓶で殴られます。その時は「申し訳ない。大変失礼な発言をしてしまった」と言い繕うのですが、以来根に持っていたみたいです。

 遠く日本に住んでいると、ロシアやアルメニアの話はなかなか身近ではないのですが、こうやって普段から聴き慣れている音楽のバックグラウンドを知ることができて、よかったです。勉強になりました。あ、そうそう。本筋に関係ないですが、ハチャトゥリアン役の俳優さんがアンドリュー・ガーフィールドに似てると思いました。

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