田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

怪物

2023年06月15日 15時32分23秒 | 日記

監督・是枝裕和×脚本・坂元裕二、夢のコラボレーション実現!新作映画『怪物』2023年6月公開決定 - SCREEN ONLINE(スクリーン ...

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 「万引き家族」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、映画「花束みたいな恋をした」やテレビドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」などで人気の脚本家・坂元裕二によるオリジナル脚本で描くヒューマンドラマ。音楽は、「ラストエンペラー」で日本人初のアカデミー作曲賞を受賞し、2023年3月に他界した作曲家・坂本龍一が手がけた。

大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。そんなある日、学校でケンカが起きる。それはよくある子ども同士のケンカのように見えたが、当人たちの主張は食い違い、それが次第に社会やメディアをも巻き込んだ大事へと発展していく。そしてある嵐の朝、子どもたちがこつ然と姿を消してしまう。

「怪物」とは何か、登場人物それぞれの視線を通した「怪物」探しの果てに訪れる結末を、是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一という日本を代表するクリエイターのコラボレーションで描く。中心となる2人の少年を演じる黒川想矢と柊木陽太のほか、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子ら豪華実力派キャストがそろった。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され脚本賞を受賞。また、LGBTやクィアを扱った映画を対象に贈られるクィア・パルム賞も受賞している。(映画.comより)

 

 

<2023年6月11日 劇場鑑賞>

 この映画、評価高いですね。確かによくできていると思います。ただ、難しい。物事と言うのは、いろんな側面があり、据える視点によってとらえ方は万華鏡のように変化してしまう・・・そういうことだと思うのですが、またマイノリティに対する考え方の相違・無意識の刷り込みなど、本当にいろんな要素を奥深く組み込んであると思うのですが、如何せん、それが深すぎて難しい。私も「話をこれほど複雑にする必要があったのか」と素朴に疑問を感じたので、鑑賞後にネタバレ考察をいくつか読ませてもらったのだけれど、なるほど、本当に深い洞察力が必要だったようです。私なんか、ほとんどわかってなかったから「話が複雑すぎる」と感じてしまったようです。これ、私のレベルだと、ネタバレを読んでからもう一度鑑賞する、その後もう一度ネタバレ記事を読む、それくらいでないとすべてを理解することはできないと思いました。

 是枝監督の言わんとすることはわかります。ヒトは皆、自分の価値観に従って生きているし、そこから外れる人たちを非難してはいけないこともわかってるし、多様性を認めなければいけないこともわかっています。また、寛容であらねばならないと自分に言い聞かせ、価値観を固定化してはいけないこともわかっています。それでも、無意識に働くバイアス、刷り込まれた価値観、自分を追い込んでしまう世間の目、そういうものからヒトは逃れることはできない・・・そういうことだと思います。ヒトは皆、どれだけ気をつけていても「怪物」なんだと。

 でも、映画は「見せる」使命を負っている以上、仕方がないとは思うのですが、やっぱり表現が少し極端だったような気もします。いくら悲劇の後だと言えども、校長先生の”資料棒読み”の態度はあり得ないと思うし、安藤サクラ扮する母親に抗議されてる最中にあめ玉をなめ始める担任教師や、訪ねて来た担任にいきなり「大学どこ?」と尋ねる中村獅童も、いやもちろんそんな父親もいるんだろうけれど、前半はあまりに極端な人々にちょっと戸惑ってしまいました。

 しかし、後半でぐんと話は展開します。結局は、そんなに悪い人はいなくて、みんな独自の価値観こそあれ、いい人なんです。誠実に生きてるし、子供のことも真剣に考えています。お互いに分かり合えば、それで済んだ話かもしれません。

 最後はちょっとファンタジーな感じで終わります。嵐(台風?)の後、子供たちはどうなったのか。あの背景は何を意味するのか。そこは観客に任せているようです。そういうところも難しく感じる由縁かもしれません。しかし個人的には、同じ是枝監督なら「空気人形」の方が好きかなと思いました(笑)。

 

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