お天気が続けば奥さんからなにかと注文が舞い込んでくる。朝、咲き始めたバラを見に庭に出てみると、「ここにもう1基オベリスクがほしいわ」という。
オベリスクとは、古代エジプト期に神殿などに立てられた記念石碑の一種で、上にいくほど細い四角錐になっているものをいうが、この形をしたバラなどのつる性植物を這わせたりする格子状の垣のことを園芸の世界ではオベリスクと呼んでいる。
数年前に手作りしたオベリスクを1基置いているが、もう1基あればバランスが取れたバラ園の景色になるので作ってほしいという。要請を素直に受けて、この際2基をDIYで作ってみることにした。
高さは1.8m、4本柱の最下部の1辺は50cmとして設計する。ホームセンターへ行き、3cm角の木材を買って帰リ、さっそく部材の切断に入った。
オベリスクを作るうえで一番厄介な仕事は、最先端で4本の柱が合わさる個所の芯となる部材の加工である。4隅を裾広がりに7度の角度に切り欠いた部材を作らなければいけない。これがなかなか厄介であるが、まあ園芸品で雨ざらしの庭に置くものであるから、それほど正確に作る必要もない。
2時間かけてオベリスクの組み立てを終え、次は塗装である。買い置いていた塗料の缶を見ると、「オールドグリーン」という、ローズガーデン用のものがあり、それを塗ってみた。新緑の若葉の色なのでちょうどいい。
すべての作業を終え、塗装も乾いたころ、奥さんが出先から帰ってきた。「どうだ?」というと「あらもうできたの。いい色ね。うれしいわ」と満足げな様子。今夜は缶ビールを丸々1本飲ませてくれそうな雰囲気となった。
観覧料を支払っての鑑賞会はいつでしょうか。
晴れの日を楽しみにしています。