写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ローデシアン・リッジバック犬

2017年11月05日 | 車・ペット
 夕方5時半、陽も落ちたころ散歩から家の前まで帰ってきた。その時、前方からシェパードくらいある大きな濃い茶色の犬を引いて外国人の男がやってきた。5mくらいまで近づいた時、突然犬が私に向かって吠え始めた。

 怖くなって傍の駐車場の中に駆け込み、メッシュフェンスを介してこの犬と対峙した。「ダイジョウブデス、カミツイタリシマセン」と言いながら、外国人は犬を抱きしめてにこやかな顔をしている。

 この男、そこそこ日本語が話せる。近くにある瀟洒な日本家屋を、外国人が数年前に買って住んでいることは知っていたが、この男であることを知った。奥さんは日本人、男の子がいるという。日本語交じりと英語交じりの会話が始まった。

 「この犬の種類は何ですか?」「
ローデシアン・リッジバックといい、南アフリカ原産です。ライオン狩りに使われる犬で、背中の毛が直線状に頭の方に向かって生え、リッジ(隆起線)があるのが特徴だ」といいながら、背中の毛を逆なでして見せた。

 それで分かった。体躯は大きく目も精悍で、体つきは好戦的に見える。こんな犬をペットとして買うのは難しそうだが、見かけよりは優しい犬のようである。「ワタシノナマエハ レング です。L・e・n・gト カキマス。アナタノナマエハ ナンデスカ」といわれて、すぐ目の前にある我が家を指さしながら、きちんと答えておいた。

 米軍基地で英語の先生をしていると自己紹介をした。「こんどゆっくり、コーヒーでも飲みながらお話しましょう」と言っておいたが、果たしてLengさん、ほんとに来てくれるかどうか。やってきたら、片言の英語と日本語と両手を使ったジェスチャーで、日米交流が果たせるか。

 時遊塾の定款に、「英会話」「国際交流」という項を追加する日は近いようである。「犬も歩けば
棒に当たる」ではなく、「私が歩けば 犬に当たる」。