写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

まさか

2019年06月24日 | 生活・ニュース

                       

 かつて小泉総理は、後任の安部総理が突然辞任したとき「人生には三つの坂がある。のぼり坂、くだり坂、そしてまさかである」と言った。政治の世界には、このまさかが付き物で、政界の戒めのため発言したものであった。

 この「まさか」を目の当たりに見せてくれたのが、広島カープの交流戦であった。今日(24日)、楽天との1試合を残しているものの、現在4勝12敗で、まさかの最下位である。

 交流戦に入る前は、2位巨人に4.5ゲーム差をつけて1位であったものが、交流戦で11勝7敗と好調であった巨人に、今や1.5ゲーム差を付けられて辛うじて2位に甘んじている。原因はいろいろあろうが、今日は攻守にわたって選手個人個人の好不調のことはさておいて、緒方監督の采配で気になっていることを書いてみる。

 監督の仕事で1番大切なことは、選手の起用方法であろう。コーチから上がってくる情報をもとに試合ごとに起用する選手を決め、結果を見ながら次の試合で微調整をしていく。

 ところが「どうしてそんな起用法をするのだろう」と前々から思っている筆頭は「捕手の石原」の起用である。ジョンソンが先発するときには間違いなく石原が出てくるが、打撃面では全く期待できない。ここは会澤で行くことがなぜできないのか。

 次は、1番ショート田中へのあのこだわり方である。三振に次ぐ三振、凡打に次ぐ凡打を2カ月以上も続けた絶不調の田中を使い続けたのも理解できない。その代役で出てきたルーキーの小園は、3試合で4失策、そのいずれもが失点に結び付き、敗け試合となったが、そんな未熟なルーキーを使っての3連敗である。

 バティスタの、外角低めのチェンジアップの空振りも、もううんざりするほど見せてもらった。メヒアに変わることはできないのか。田中の代役として出た1番野間は、不調にも拘らず引っ張りすぎた。総じて、今年の緒方監督の采配は、投手の交代を含めて選手交代を決断するタイミングが遅すぎはしないか。 

 当事者にしか分からないことはきっとあるに違いないが、外野席から前述したようなことを痛感しながら見ている。もちろん、監督の采配云々以前に、選手一人一人が本来の力を発揮することが大事であることは当然である。

 人生には三つの坂がある。のぼり坂、くだり坂、そしてまさかというが、今のカープは「まさか」どころか「まっさかさま」に、ペナントレースの最下位とならぬよう、心機一転又あの頑張りを見せてほしい。

 まさかには、必ず前兆があるという。その前兆をいち早く察知して、適切な対策を打つのも監督の仕事であろう。緒方監督、まだ間に合う。頑張れカープ!!