奥さんから、夕食の買い物を頼まれて一人でスーパーに出かけた。メモを見ながらカゴに入れていく。「お父さんの好きなものがあったら買ってきたら」といわれていたのを思い出して、おやつ売り場を物色してみた。あるわあるわ、おいしそうなものが、わんさと並んでいる。
その中に「千葉産 ピーナッツ」と書かれた小さな袋に入ったものがあった。片手に乗せられるほど少量のものがなんと500円と表示されている。そのすぐそばに量としては3倍くらい入っているものがわずか130円くらいであった。
手にとってみると「産地指定・契約栽培」「原産国名・中華人民共和国」と書いてある。旧満州で生まれ、5歳まで生活していた時、おやつといえばピーナッツであったことから、今もって私の好きな食べ物であるが、このごろ中国産の食べ物は極力避けている。
しかし、これほど価格が違うとなると「ええい、たまには中国産でもいいや。食べるとすぐに死んでしまうわけでも無かろう」と思い買って帰った。食べてみるとおいしい。表示してある「産地指定・契約栽培」という意味を良いように解釈して食べた。
口入れるものは信頼できるものだけにしたいが、最近では中国からの輸入品は多い。外食する場合は、そんな区別は出来ないまま口に入れている。頼るのは輸入業者の信頼性だけである。その辺りも心もとない気はするが、そんなものを食べていながらも日本人の平均寿命は世界のトップクラス。時に中国産を食べるくらいであれば、よしとするしかないのかもしれない。
それにしても中国産は安すぎる。いや国産品が高すぎるのか。たかがピーナッツであるが、「安全安心」の国産品は高嶺の花ならぬ高値のピーナッツで手が出せないでいる。