写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

「もったいない」

2005年05月29日 | 生活・ニュース
 その日は朝から奥さんは、やや遠方まで出掛けて行った。
私のお昼は、ちゃんと用意してくれている。

 用意してくれているというよりか、前日の夕食を残しておいた
ものである。とはいえ私の好きなものなのでまったく問題はない。

 ハートリーとふたりだけの午前を過ごした。エスプレッソを飲みな
がらブログもアップしたし、お付き合いのあるブログもチェックした。

 お昼のサイレンが、けたたましく鳴ったのを合図に、昼食にする。
炊飯器の蓋を開けると、もち米で炊いた五目飯がひとり分入って
いる。

 小さな茶碗で一杯半の分量がある。テーブルの下から見上げる
ハートリーの目を気にしながら一杯目を食べた。

 二杯目といっても茶碗に半分しかない。炊飯器の内面に数十粒
の米粒と人参・椎茸などの具がへばり付いている。

 しゃもじをうまく使って、そのひとつひとつをじょうずに茶碗に移す
と、炊飯器は洗ったあとのようにきれいになった。

 「ご飯は、最後の一粒まできれいに食べなさい」と子供の頃、親
からくどく言われていた。 

 茶碗に装ったご飯を、一粒も残さず口に入れた。最近話題になって
いる「もったいない」は、我々世代では子供の頃から身についている。

 飽食の時代・物余りの時・使い捨ての世相と言われて久しいが、ご飯
を自分で装うことで「もったいない」の文化を思い出すことが出来た。

 「お袋は もったいないが だまし良い」と言った奴がいたが、小さ
なことさえもだましにくいうちの奥さんも、やっぱり「もったいない
   (写真は、「もったいない」最後の一粒)