写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

誰も見ていなくても・・・

2005年05月08日 | 車・ペット
 昨夕6時前、ハートリーの散歩に出かけた。トイレットペーパーとポリ袋の入ったボックスを持っていつもとは違うコースに出かけた。

 外の風に接すると、ハートリーは気持ちよく用を足す。私はすばやくそれをペーパーとポリ袋とで包みボックスに収める。

 中型犬とはいえ、体重12kgの力で引っ張るリードを持って歩くのは、私にとっても結構な運動になっている。

 道すがら、家々の庭に植えてある草木を眺めながら、1km先の目標の所まで行き、来た道を折り返して我が家に向かった。

 家に入ろうとした時、ボックスのロックが外れて蓋が開き、肝心の「もの」がどこかに落ちてなくなっていることに気がついた。

 犬を置いて自転車に乗り、今帰ってきた道をもう一度「もの」を探しに走った。

 散歩の折り返し地点の道の真ん中に、それは落ちていた。自転車から降りて拾っている時、その近くに住んでいる奥さんが通りかかった。

 「どうしました?」「いや、かくかく・・・です」「まあ、几帳面なことで。ここまで取りに来られて」「いやいや、私の落し物なので・・・」と話した。

 今朝のことだった。回ってきた自治会の回覧の中に、小学校の「学校だより」というものが入っていた。

 その中に「誰も見ていなくても・・・」と題して、男の子が学校で、誰も見ていないのに、トイレのスリッパをきちんと枠の中にそろえているのを見て感心したということが書いてあった。 

 私もすんでのところで、この小学生に負けていたかもしれなかった。誰も見ていないことをいいことに、知らんふりをしなくて良かった。こんな当然のことに、自己満足をした雨の朝だった。
   (写真は、我が家の「散歩中もの製造機」)