この前の出張のとき、最近読んだ「バッテリー」の続編「バッテリーⅡ」が空港の書店にあったので買い求めて、またしても一気に読んでしまった。
小学生から中学校という決まりごとが急に増える環境に進む主人公・巧。前作同様、傲慢なまでもの自分の才能に対しての自信から家庭でも学校でも衝突を繰り返しすが、彼はここでもあくまでも自分を貫き通す。そして「ただ野球がしたいだけ」というストレートな巧の想いは、時として勝手な我が儘と映り、大人たちに加え、同級生たちからも非難される対象ともなっていく。
読んでいて、少し融通を利かせろよ、とキャッチャーの豪と同様に、巧の不器用で率直な想いに対して思わず苛ついてしまう自分がここにはいた。そしてまるで自分自身が事なかれ主義の典型だなと自嘲。また同時にその実直さに痛快さを感じる自分もいた。確かにそうだったし、そうあるべきなんだろうなとかつての自分を思い出してしまった。
「書ききれなかった。描ききれなかった。ついに、捉え切れなかった。」と文庫本のあとがきで著者のあさのあつこさんは書いている。
そして「癒しのためだけの優しい言葉も、威勢の良いだけの空虚な掛け声も、巷に溢れたありきたりの修辞も砕けてしまえ。無用だ。そんなものいくら駆使しても、少年の髪の毛1本、表すことは出来ない。」とまでも。
1作目を読んだときの感想としてあさのさんは巧の気持ちを代弁するトランスレーターではないかと書いたけれど、こうした言葉を見るにつけ、この小説は作者が巧という少年を描いた小説ではなく、本来実在するわけがない巧が、いつの間にかあたかも存在し、作者に描くことを強いたのではないかとすら思えてくる。
とにかくこのリアリティは何なんだ!
そして単行本で続きを読むか、文庫本が出るのを待つか、思案してしまう今日この頃。
小学生から中学校という決まりごとが急に増える環境に進む主人公・巧。前作同様、傲慢なまでもの自分の才能に対しての自信から家庭でも学校でも衝突を繰り返しすが、彼はここでもあくまでも自分を貫き通す。そして「ただ野球がしたいだけ」というストレートな巧の想いは、時として勝手な我が儘と映り、大人たちに加え、同級生たちからも非難される対象ともなっていく。
読んでいて、少し融通を利かせろよ、とキャッチャーの豪と同様に、巧の不器用で率直な想いに対して思わず苛ついてしまう自分がここにはいた。そしてまるで自分自身が事なかれ主義の典型だなと自嘲。また同時にその実直さに痛快さを感じる自分もいた。確かにそうだったし、そうあるべきなんだろうなとかつての自分を思い出してしまった。
「書ききれなかった。描ききれなかった。ついに、捉え切れなかった。」と文庫本のあとがきで著者のあさのあつこさんは書いている。
そして「癒しのためだけの優しい言葉も、威勢の良いだけの空虚な掛け声も、巷に溢れたありきたりの修辞も砕けてしまえ。無用だ。そんなものいくら駆使しても、少年の髪の毛1本、表すことは出来ない。」とまでも。
1作目を読んだときの感想としてあさのさんは巧の気持ちを代弁するトランスレーターではないかと書いたけれど、こうした言葉を見るにつけ、この小説は作者が巧という少年を描いた小説ではなく、本来実在するわけがない巧が、いつの間にかあたかも存在し、作者に描くことを強いたのではないかとすら思えてくる。
とにかくこのリアリティは何なんだ!
そして単行本で続きを読むか、文庫本が出るのを待つか、思案してしまう今日この頃。
去年に読んでいらしたんですね~。
本に関する記事って探しにくくて、なかなかTBしにくいので放置状態です。
でも、nikidasuさんも読んでおられるなんて嬉しいです!
野球は(見るのが)とても好きなスポーツだし、弟がずーっと野球をやっていたのでこういう中学野球にも興味津々です。
もちろん野球に興味がなくても面白く読める本ですよね。
私も文庫本の最後で作者が書いていた文章に衝撃を受けました。
やはり「巧」という人物と付き合うには作者も読者も真剣勝負ですね!
いま3巻目読んでいます。