俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

地産地消ジビエで美味しい夜 @ 金沢 上中町 「 季節料理 つばき 」

2016年12月14日 15時27分05秒 | 時系列でご覧ください

春は山菜、夏は鮎や岩魚などの川魚、そして秋はキノコと季節季節に自然の恵みを満喫できる 「 つばき 」 だけど、その真骨頂を知るのにうってつけなのが冬の時期に山で獲れた野生の鳥獣を囲炉裏を囲んで頂くジビエ料理だ。

実はこれまで何度かお昼に足を運んでいたものの、そうした夜に供されるジビエを楽しむ機会がこれまでなかった中、おとといジビエを良く食べている常連の人たちに誘われてはじめて体験することが出来、その想像を超えた美味しさに命あるものを頂く感謝を心に刻んだ夜だったのでありました。



最初に登場した前菜は、右から粘りっ気が見事なまでに強い 自然薯に、風味豊かな なめこおろし、湧水近くだとすでに出てきているという採れたての 蕗の薹、そしてランチでも出てくるここのスペシャリテである 胡麻豆腐。
いずれも滋味深いというか、山を知り尽くした店主・昭義くんならではのライナップで、これだけでテンションが上がります。



そうした中、最初に出してもらった熊の脂肪、いわゆる 「 白肉 」。
これがまさに溶けて行く感じで、ほかのところで食べたのとは大違いで、何とも言いようのない淡い美味しさを感じるのであります。



そして続いての キジ肉 もまた、軽くたたきにされている分レア感たっぷりなんだけど、これって鳥なの? という初めての食感と言うか味わいで、ワサビとともに食べると、これまた美味しいったらありゃしない。



そしてそんな美味しさはここからさらに加速していくことになるのだけど、これまで何度かイノシシの肉を食べたことはあったけれど、あれはいったいなんだったんだと思うくらいこれまで食べた中で間違いなくベストだったのがこの 猪肉のカツ こと人呼んで 「 イノカツ 」。

臭みがどうのこうのは一切ないのはもちろんのこと、歯触りもへたなトンカツより適度に噛み応えがありつつ柔らかく、かつ味わい深くて、この イノカツ の味がもっと世の中で知れ渡れば、害獣駆除の切り札になってもおかしくないぞ! と思うほどだったのであります。



といった味の興奮も冷めやらず中、さらに出てきた 鹿肉のたたき だったけれど、淡白な鹿の肉自体ももちろん美味しかったけれど、それよりも何よりも驚いてしまったのが付け合せとして添えられたクレソンのびっくりするほどの美味しさ!
先の蕗の薹の近くに半自生しているものを摘んで持ってきているとのことだったけれど、その瑞々しさ、さっぱりしつつ感じる仄かな辛味、いやはや何とも堪らん美味しさでこれまた間違いなくこれまで食べてきたクレソンの中でも断トツの美味しさで、隣りで一緒に食べていた某八百屋のMくんもすっかり感心していたのでありました。



それにしてもこうした野生の獣の美味しさを知る機会はなかなかないと思うけれど、例えばこんな ねぎま(葱鮪)ならぬ ねぎいの(葱猪)(←勝手に命名)の美味しさを知ると、うまく加工して焼鳥屋あたりに卸すことも大いにありだと思うんだけどね、と思うくらい、これまた旨しなのです。



そして会も後半に差し掛かった時に満を持してようやく登場した 「 熊鍋 」は、シンプルに焼き豆腐と葱とともに。
熊肉そのものの甘さに、少量の砂糖も加わったこともあって甘い味付けながら、濃い味の熊肉にはちょうど良く、甘さを中和する生卵とともに食べると、旨さの化学変化が起こって、旨いこと旨いこと。
確か熊肉は火を通し過ぎると固くなると聞いていたけれど、そんなこともなくちょうど良い噛み応えで、囲炉裏の遠赤外線に加え、熊のパワーで身体も中からポカポカに…。



とかなんとか思っていたところに、さらに追い打ちをかけるように丸々と太っていたという太っちょカルガモのローストまで…。
巷間、青首鴨がどうしたこうしたと持てはやされているけれど、猟師にとっては太ったカルガモのほうが遥かにご馳走なんだそうで、それも納得の味わいで、熊肉を食べつつもつい箸が伸びてしまうのであります。


と言うわけで、この日はとある酒蔵の杜氏も参加していたこともあってこんな酒のライナップを種類豊富なジビエとともに囲炉裏を囲んで楽しむという、まっこと贅沢な時間を過ごすことが出来たのでありました。



ちなみにこの冬季の夜限定のジビエ料理、ある程度人数が集まればお願いが可能のようなので、機会があれば是非是非!

金沢の地にせっかく住んでいる、もしくは遊びに来ることがあれば、体験するべき料理がここにはあります。
そしてシーズン中に再度来てみたいと思っている今日この頃なのであります。



店の詳細はお昼に行った前回エントリーを → こちら



今日の1曲  “ Winter ”  :  U2



















最新の画像もっと見る

コメントを投稿