俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」  ウーヴェ・ティム

2006年05月01日 02時36分23秒 | 時系列でご覧ください
とても近い友人が今ドイツのソーセージ(ヴルスト:wurst)中心のファーストフードショップを立ち上げようと画策中で、それに対する相談に乗っている中、たまたま入った本屋で見つけたのがこの本。

実はかつて二度ほどベルリンに行ったときにすっかり気に入った食べ物、それがまさにこの本の中でレーナとともに主人公となっているカレーソーセージ(カレーブルスト)だった。

カレーブルストと言っても多くの人は具体的なイメージをつかめないかもしれないけれど、簡単に言えば、焼いたヴルストにカレー粉とお店特製のケチャップがかかっているぶつ切りソーセージといったようなもの。
紙皿にのったそれを屋台で買ってハフハフと食べるわけだけど、値段も安いし小腹がすいたときにちょうど良い食べ物であったりしたものだった。



そんなカレーブルストの誕生秘話を、一人の老女が第二次世界大戦の敗戦前後のハンブルグを舞台とした想い出を回顧することによって語られるこの小説、女としての盛りを過ぎかけた女性の切ない恋心とその頃のドイツの街の様子が生き生きと描かれていて何とも魅力的だった。

カレーソーセージをめぐる冒険というか、それが生まれたきっかけを聞き出すという形をとりながら、ここに描かれているのは一人の女性の人生であり、あるいは映画「ベルンの奇跡」を少し彷彿させる戦争を描いた小説であったりもするのだ。

とにかく読んだあとは何としてもカレーとケチャップとソーセージを用意したくなる(苦笑)ということも含め、いろいろと深く余韻を残す良く出来た小説でかなりおすすめ。



今日の1曲 “ Wonderful Tonight ” : Eric Clapton

クラプトンと言えば“ Layla ”(邦題:愛しのレイラ)に尽きるのですが、ここはひとつご存知パーティへ来ていく服を選ぶ恋人のパティを待つ間に、ギターをつま弾いていたら作曲できてしまったというあまりにも有名なエピソードとともに知られる彼のこの曲を。
77年リリースのJJケールの名曲「コケイン」から始まるアルバム「スローハンド」に収録されています。
ちなみに今BIGLOBE http://broadband.biglobe.ne.jp/index_music_p.html?ch=music_pに行くとそんな彼の2001年カリフォルニアで行なわれたコンサートの模様を見ることが出来、この曲ももちろん演っています。


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