栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

若葉Sと「マンカフェ×Blushing Groom」

2009-03-21 05:55:06 | 血統予想

若葉Sはヤマニンウイスカー、ベストメンバーとマンハッタンカフェ産駒の2頭が人気を集めているが、どちらも母系にBlushing Groomを持つ点が共通する
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104716/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104732/
このマンカフェ×Blushing Groomのニックスについてはもう何度も書いてきたが、メイショウクオリア、オリエンタルロック、ココナッチパンチ、メイショウレガーロなど、活躍産駒の多くがこの配合パターンだ

マンカフェがサンデー産駒最強のステイヤーであることに異論を挟む人は少ないと思うが、そのスタミナは主に母の父の父Alleged(凱旋門賞連覇のRibot系の名馬)とドイツの名門牝系(3代母SuleikaはAditi≒Alchimist3×3というドイツが誇るDark Ronald系のニアリークロス)譲りだろう
一方で上がり33秒台の脚で有馬記念を差し切るなど、日本の芝長距離戦特有の上がりの速い競馬に対応できたのは、Halo≒Boldnesianのニアリークロス2×4に因って、父系の軽いスピードも受け継いでいたからだと考えられる
Halo≒Boldnesianは
Royal Charger≒Nasrullah
Pharamond=Sickle
Sir Gallahad
Blue Larkspur
この4血脈が共通する

で、ここに同じような組成のスピード血脈をもってきてやると、ズブくなりがちなマンカフェ産駒からスピードを引き出せるはずで、これが配合の最重要ポイントではないかと、産駒がデビュー前の新種牡馬レビューで書いた
Red GodはNasrullah×Menow×Bull Dog×Peter Penだから、Halo≒Boldnesianの共通4血脈を全て継続クロスできることになり、つまりマンカフェにBlushing Groomを持ってくるとHalo≒Boldnesian≒Red Godのニアリー継続クロスになるわけだ

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オープン大将

2009-03-18 18:22:43 | 血統予想
スプリングS出走予定のリクエストソングとフラワーC出走予定のワイドサファイアは、エイプリルソネットの孫にあたるイトコ同士
この牝系のオープンでの活躍馬を列記してみたが、アフリートのスピードが強いミリオンディスクを除けば、Tom Fool的な自在で手堅いスピードを武器とし、芝1800m前後がベストで、重賞にはあと一歩で手が届かないオープン大将がコンスタントに出る、というイメージで概ねまとまっている

リクエストソング:きさらぎ賞2着
モノポール:巴賞,富士S2着
クイーンソネット:新潟記念2着
エルカミーノ:新潟大賞典3着(2回)
ハッピーリクエスト:ターコイズS
ミリオンディスク:すばるS2着
ワイドサファイア:エルフィンS2着

ワイドサファイア(父アグネスタキオン)もリクエストソング(父シンボリクリスエス)も父のイメージよりは力馬っぽくてモコモコ走るが、これはこの牝系のイメージでもある
ハッピーリクエストはターコイズSを勝ったし、クイーソネットは不良のターコイズで僅差3着。エルカミーノも中山芝1800mは①②④⑭で、モノポールは重の巴賞で2着だった
パワーと自在味の活きる中山芝1800mとは相性のいい牝系で、週末の雨予報もプラスに勘定できると思うが、果たしてこの牝系に念願の重賞タイトルをもたらすことができるのかどうか?…というありきたりな締めで
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中山とFair Trial

2009-03-18 02:24:18 | 血統予想

バレークイーンは父がSadler's Wells、母が英オークス馬Sun Princessで、そこにCaerleonが配されてダービー馬フサイチコンコルドが生まれたのはご存じの通り
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006412/

ただしForli(Lady Juror4×4)とPetingo(Lady Juror3×5)を通じてFair Trial-Lady Jurorのクロスを持つので、前向きな性格で小脚がきくというFair Trial的な特徴を伝えるケースも多く、たとえばFair Trial6・6×4のトニービンが配されて生まれたグレースアドマイヤ(府中牝馬S2着)の産駒は、リンカーン(父サンデーサイレンス)もヴィクトリー(父ブライアンズタイム)も中山では俊敏に捲ってみせるのに、東京の長い直線では脚の使いどころが難しいというか、意外に追って味がない面がある
グレースアドマイヤの全弟ミラクルアドマイヤは3戦1勝で種牡馬入りしてカンパニーなどを輩出したが、カンパニーの中山での俊敏さと東京でのもどかしさはリンカーンやヴィクトリーと通じるものがあり、これらはみんな大雑把に言ってFair Trial的なのだ

アンライバルドはネオユニヴァース×バレークイーンだからトニービンは引かないが、ネオユニの母ポインテッドパスはTudor MinstrelとPalestineを通じてLady Juror7×6を持つから、まあトニービンほどではないにしても、バレークイーンのFair Trial的前向き小脚を引っ張り出す動きはするだろう
字面はズブすぎる心配があるほどのステイヤー血統だが、京都内回りのスローで11.5-11.7を楽々と抜け出す俊敏さがあり、岩田も川田も腫れ物に触るように乗らざるをえない前向き気性で、レースぶりを見ていると、やはりこの馬もFair Trialなのかと思わされるところが多い
だから中山1800mが忙しいとは思わないが、1800mのほうが折り合いやすいなどと言っているうちは、この良血が100%開花することはないだろう
リンカーンは中山2500mに出ると俊敏さとスタミナでいつも見事なレースをしたが、ヴィクトリーもアンライバルドも、気性の問題さえクリアすれば中山2500mマスターに完成するはずだと思っている

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ワンカラットの血統

2009-03-17 05:52:34 | 血統予想

ワンカラットの母バルドウィナはペネロープ賞(仏G3・芝2100m)勝ち馬で、ファルブラヴを向こうで種付けして日本に持ち込まれた
母系はフランスの異系血脈で固められ、母BaliokaはSunny Boy4×4で自身はSupreme CourtとDjebel-Tourbillonのクロス
Northern DancerもHail to ReasonもNasrullahも持たない凄い血統だが、こういう血統でしかも能力を示した牝馬を買ってこれるのも凄い
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103025/

とはいえ、これだけ異系傍系の血ばかりだと遺伝的な影響力はそれほど強くない。ワンカラットの場合は、父ファルブラヴというより祖父Fairy Kingが強いマイラーに見える
配合全体からみても、Fairy KingのForliに「Supreme CourtとHyperion」の組み合わせを二つ合わせることで、Fair TrialとHyperionの組み合わせの実直さと粘り強さが表現されたヨーロピアンなマイラー、というあたりが落としどころではないだろうか

Fairy Kingを引くスプリンター・マイラーにはシンコウキング、スズカフェニックス、ヘルスウォール、ソーマジック、カレイジャスミン、トールハンマー、ロードダルメシアンなどがいるが、サンデー的な斬れも受け継いだスズカを除けば、概ねパワーと粘りで走るタイプに色分けできる
昨年は「ソーマジックはシンボリクリスエスではなくFairy Kingが強い」と書いて、直線の長いコースでは軽視したが、この馬も外回りになってプラスはないと思う

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レースリプレイを見ながら久々に熱血仮面しちゃいました

2009-03-16 02:05:11 | 血統予想

日曜の中山芝2000m(重)で勝ち上がったレイクメリットは「ネオユニヴァース×トニービン」
京都芝1800m(重)のつばき賞を逃げ切ったジョーメテオと同じ組み合わせだ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102914/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101140/

この組み合わせは、(ネオユニの母)ポインテッドパスとトニービンのところで、Rockefella=Rock Goddess,Prince Bio,Palestineといった重厚な欧血のクロスになる
Sharpen Upとトニービンを通じるRockefella=Rock GoddessとFair Trialのクロスからは、ストーミーカフェ、ゴーステディ、クリスタルウイングなどが出ており、「HyperionとLady Juror」的な粘りを増す効果があることがわかる
またトニービン産駒でPrince Bioをクロスすると、オフサイドトラップ、ミスズシャルダン、サクラヴィクトリアなど、トニービンのナタ斬れというよりKalamounのダラッとしたグレビオ的斬れが伝わりやすい、ということは昔よく書いた

とすると「ネオユニヴァース×トニービン」は、ストーミーカフェとオフサイドトラップを足して割ったようなイメージの馬が出やすいのではないかという仮説が成り立ち、ジョーメテオもレイクメリットもそんなイメージで重馬場をタラタラと押し切った
字面だと東京の芝良でズバッときそうだが、実は中山の重をダラッと流れ込むタイプが出やすい配合パターンであることは、覚えておいて損はないだろう
特にジョーやレイクのように祖母の父がノーザンテーストだと、よりジリで粘着な脚質に出るケースが多いと思いますよ

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明け方のつぶやき

2009-03-15 04:48:05 | 血統予想
パールシャドウは現状急坂小回り1400mがベストだろう。岩田がポンと出してしまえば押し切り十分とみているが、パドックで馬体を見るまでは◎は思い切れない。▲だなあ…
ミクロコスモスはジェニュインをカナダ血脈のパワーでいかつくしたようなイメージで、ベストは1800mだと思う。好走は間違いないが1400mだと取りこぼしもある。○だなあ…

中山牝馬はキャッチータイトルを△で引っかけたい
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雨とアグネスデジタル産駒

2009-03-14 02:17:55 | 血統予想
アグネスデジタルは5代アウトで、若い頃はCrafty Prospectorの早熟軽薄なスピードだけで走っていたが、年を食うにつれてChief's Crownのナスキロ的斬れやBlushing Groom牝系の底力成長力が表出してきて、オールラウンドな名馬に大化けした
5代アウトなので種牡馬としてはあまり強く自己主張するほうではなく、ヤマニンキングリーの母はTurn-to4×4、Nasrullah≒Royal Charger5×5・5・5、ユビキタスの母はGold Digger≒Fleet Nasrullah4×3、ドリームシグナルの母はHail to Reason3×4、エイムアットビップの母はNasrullah=Rivaz≒Pherozshah5・6・6×5・5・6・6と、NasrullahやTurn-to系のクロスの強い牝馬との配合が成功する傾向がある

土曜は東西とも雨予報。中京記念のヤマニンキングリーは雨のプリンシパルと白百合で好走したように道悪に不安はないが、東風Sのドリームシグナルも雨の京王杯でインをすくってレッツゴーキリシマを差したように道悪は巧い
近走は直線長いコースの上がり34秒台の斬れ勝負で見せ場がなかったが、ここはスパインを筆頭に行く馬が多い
ちょっと急仕上げのようで◎は打てなかったが、シンザン記念のような上がり(37秒0)になれば一発の期待も…
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Bull Leaな後肢

2009-03-12 00:21:34 | 血統予想
GCで重賞出走予定馬の追い切りをやっていた
あれをみると、ヤマニンメルベイユとヤマニンキングリーは同じような後肢のつくりで、同じような蹴り方をしているのがよくわかる
姉弟だから母方からの遺伝なのだろうが、イトコのヤマニンシュクルも同じような後肢で同じように蹴っていた
あの蹴り方は鋭角なコーナーをスピードを落とさずに回るには有利だが、長い直線をストライドで惰性で伸び続けるのには不利だ
シュクルがオークスで失速したのを見たときからそのことは薄々わかっていたので、それからはティファニーラスの牝系でBull Leaの影響が強い後肢の持ち主は、小回りコースでは重視し、直線の長いコースでは軽視してきた
実際メルベイユは中山(3.1.2.1)に対し東京(0.1.1.5)だし、キングリーはここ4戦小回りの適距離で連対を続けている
今回は中山内回り1800mと中京2000mだから、コース適性で割り引く必要はないだろう

PCは土曜に届く予定。ネカフェ難民生活は続く…
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生唾ものだが飛びつけない

2009-03-11 01:06:34 | 血統予想

パールシャドウはミクロコスモスと同じカナダの名門Fanfrelucheにさかのぼる牝系
ミクロの祖母のようなえげつないクロス(祖母ArchimillionnaireがCiboulette≒Conqueluche3×1)はないが、こちらも母がなかなか面白い配合をしていて、
母ピュアティーはIntriguing≒Glowing Tribute3×3と表記できる(Striking≒Searching,Swaps≒Flower Bowl,Nasrullah≒Royal Chargerが共通)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103398/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103035/
父系がフレンチで母父がWoodmanだからエイシンデピュティを思わせる組み合わせだが、エイシンは祖母の父がSir Gaylordで、いわゆるナスキロのクロスになり、肉量豊富な体つきに見えても動かすと意外なほどしなやかで粘りがある
パールシャドウの場合は母の二アリークロスにDeputy MinisterやNever Bendのパワーが呼応するから、ほとんどパワー一辺倒の配合と言っていい
だからスリープレスナイトやアストンマーチャンに近いイメージで、デビュー当初から「現状は急坂小回り1400mベストで、そのうちもっと硬肉がついてきたら突進力が増してスプリンターになってしまうかも」と評してきた
東京のマイルは1F長いし、ここ2走は不利もあって競馬になっていない。阪神内1400mなら無理に押さえず好位差しでいけそうだし、だからこそアネモネを捨てて遠征に踏み切ることにしたのだろう

とすると、この人気ダダ落ちは生唾ものなのだが、陣営は阪神への輸送に関しては「やってみないとわからない」的なコメントを出している
過去5年のチューリップ賞とフィリーズレビューにおいて、関東馬が連対したのは06年フィリーズ1着のダイワパッションだけ(前走比-6キロ)
先週のチューリップ賞でも、人気の一角となったカウアイレーン(-16)とマイティースルー(-14)は、ともに大幅な体重減で明らかに気配が薄かった
ところが関東馬でも伏兵サクラミモザだけは大きな馬体減りもなく(-4)、超スローの逃げにも恵まれて2着に粘ったわけだが、この馬だけは前走で京都に遠征経験があった
暮れの阪神JFでは栗東に長期留学したダノンベルベールが真っ向勝負で2着したが、何かそういう手立てを打たないかぎり、美浦の若い牝馬の阪神への初輸送は割り引いて考えたほうがいいだろう
重い印は入れるつもりだが、当日のパドックを見るまでは◎を打つ勇気はないです、私には…

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両横綱が王道ステップを圧勝

2009-03-09 02:45:57 | 血統予想
しかし、ノリが逃げた意図がよくわからない
「休み明けでテンションが上がっていたから」とコメントしているが、本当にそれだけなのだろうか?
坂路でえげつない時計を叩き出すような馬はだいたいがスプリンターだが、使われる毎に気性が前向きになってきているのかもしれない
まあこの馬はセイウンスカイのように持続力でねじ伏せる脚質だから、ある程度行ってしまうほうが紛れは少ないと思うが、それにしても逃げるとは思わなかった

NEWパソ購入や確定申告に追われそうで、今週はブログ更新は控えめになるかもです…
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