栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

マンボ絡みでアントニオ

2009-03-04 14:57:57 | 配合論

Kingmamboはオールラウンダーだが配合には正直だ。サドラーズギャルとの配合でエルコンが出ることはあっても、ビリーヴとの配合で中距離馬が出ることはまずない

アントニオバローズの母リトルアローはKingmambo×TentamでNatalmaとNative Dancerのクロス。TentamはKnown Factの兄でGone Westの叔父で、ジェニュインの祖母の父でもある。Tom Foolの万能スピードとTudor Minstrelの粘りで走るマイラー血脈で、リトルアローは「Kingmamboのマイラー配合」というべきだろう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104938/

マンハッタンカフェがサンデー産駒の最強ステイヤーだということに異論を挟む人はいないだろうが、京都新聞杯,シンザン記念,札幌2歳S,フローラS,福島記念,愛知杯と、産駒の重賞勝ちは2000m近辺に集中している。それはなぜかというとマイラー牝馬との配合が成功しやすいからで、母からスピードを補強した結果、父より距離適性が短くなっている仔が多いのだ

メイショウクオリア(Rahy)、レッドアゲート(スキャン)、メイショウレガーロ(Carson City)など母父スピード型の活躍産駒が多いし、ココナッツパンチの母ココパシオンもシェーヌ賞(仏G3・芝1600m)に勝ったマイラーだった

マンハッタンカフェ×Kingmamboというのは奧のある血統だし、角田が何年周期で引いてくる大物かもしれないという期待も持てる素材なのだが、距離適性に関しては父より短く出ていると考えるべきかもしれない

走りを見ているとNureyev的なパワーも出ていて、力まかせにねじ伏せるように勝っているところがまた荒削りな印象を与えるのだが、思えばジャングルポケットもフサイチパンドラもそういうところがあった

ちなみにヤマニンウイスカー(母父Sadler's Wells)は、これまでのマンカフェ産駒のなかでは最も父寄りのステイヤーだと思う

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マンファス増幅が早道

2009-03-04 14:53:06 | 配合論

Kingmamboは万能型だが配合には正直で相手牝馬の持ち味を引き出す。キングカメハメハの場合は母マンファスがトライマイベスト≒Nijinsky2×4で、主にこのパワーで走っていた馬だった

だから「キンカメらしさ」を伝えるには、このマンファスが持つ二アリークロスを継続増幅するのが手っ取り早いだろうという予測をキャロット会報には書いたのだが、現時点でのキンカメ活躍産駒の配合をみると、ナサニエルはトライマイベスト=El Gran Senorの全兄弟クロス4×3だし、スガノメダリストはNijinsky≒Midsummer Magicの3/4同血クロス5×2だし、キングスレガリアもベルベットロードもNijinsky絡みのクロスを持っていて、ここまでハッキリと傾向が出るとは思っていなかった
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103696/

フィフスペトルの母ライラックレーンはNijinsky3×3、Never Bend≒Nanticious3×3という強力な相似配合になっていて、そこにマンファスを合わせるとNijinsky≒トライマイベスト4・6×4・4、Mill Reef≒Riverman5×3(Never Bend≒Nanticious6×4・4)となる。マンファス増幅が成功への早道だという仮説が正しいとすると、それを最も強力かつ密に累進したフィフスペトルが、一番馬の座に居座っているのは順当だろう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102859/

ただしマンファス増幅は父のパワーを受け継ぐには効果的だが、中距離のスタミナは保証されるものではない。むしろ遺伝力の強いラストタイクーンのマイラーっぽさが伝わりやすいから、それがここまで1600m~1800m(18.30.26.124)、2000m以上(0.3.2.21)という産駒の距離適性に現れているのかもしれない。あの体型は誰が見てもマイラーだ

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オークス馬の姪

2009-03-04 03:17:56 | 血統予想

◇先週の3歳勝ち馬から

デリキットピース(牝)
父ホワイトマズル,母デリキット(その父サンデーサイレンス)
3/1中山・新馬(芝2000m稍)、2分06秒0(3馬身1/2)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103004/

母デリキットはアドラーブル(オークス,チューリップ賞,エモシオンの母)の半妹
ホワイトマズル×サンデーサイレンスはアサクサキングスやシャドウゲイトと同じ

Herbager系のスタミナを引く牝系で、無駄肉のない体つきといい柔らかく燃費のいい走りといい、これはオークス向きですなあ~
なかなかいい馬です

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冬の小倉の海の幸

2009-03-04 01:22:23 | グルメ
2月に競馬観戦を兼ねて九州旅行に行ってきました
博多と北九州を拠点に、長崎や別府方面にも足を伸ばしたのですが、この時期の海の幸は噂通り絶品ですなあ~

写真は小倉駅近くの「A」という店で食った、関サバとヒラマサの刺身です
事前に当たりをつけていた店の一つだったのですが、金曜の夜にフラッと一人で入って適当に注文したら、まあ何食っても美味いこと美味いこと
九州の醤油が溜まりっぽくて甘いのは「博多もつ鍋」で知っていたんですが、あの甘さと刺身がまた合うんです
競馬新聞を読みながらチビチビやってたら地元の競馬オヤジが話しかけてきたのですが、開催中は競馬関係者もたまに訪れる店らしい
入り口近くには格闘技に転身した元横綱の手形がありました

翌日は当日輸送でやってきた競馬狂バカップルと合流して小倉大賞典を観たのですが、帰りに三人でまた同じ店に寄ってしまいました
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並ぶ間もなく

2009-03-04 00:56:18 | 血統予想
◇中山記念回顧

◎ドリームジャーニー○カンパニーの1点予想で馬連ワイド的中。予想コメントは以下の通りです。

「この頭数でキングストレイルの単騎スローだと、Aコースのラチ沿いに2頭ずつ隊列が並べば、最後方でも先頭から5馬身差にすぎない。だから位置取りやコース取りは実は大した問題ではなくて、オールカマーのようなラップでフワフワッと流れ込むであろうキングスを、ゴッホのように並ぶ間もなく捲ってしまう脚が使えるのかどうか、というシンプルな思考でいってしまうべきだろう。これまでそんな脚を使ったことがあるのは◎○しかいない」

エアシェイディはノーザンテーストが強い体型で中山向きの捲る脚はあり、AJCCでも4角で捲りきれたので2着にこれたのですが、あの捲りは外から1頭ずつ抜いていくのを数えることができるほどで、“並ぶ間もなく”というほどの速い脚ではありませんでした。年を食って馬がだんだん渋くなって、長い距離も我慢するようになった反面、若い頃ほどマイルで鋭敏な脚は使えなくなってきている印象もあり、昨年の中山記念やオールカマーを見た感じでも、マイラーっぽい瞬発力を要求されるレースではまた届かない心配はありました。だからAJCCは◎にしたものの、レース後の当コラムでは「良の中山記念で再戦があったとすると、今度はドリームジャーニーのほうを上にみたい」と書いたのです。

アドマイヤフジは体型は父似で距離適性も同じぐらいで2000m前後がベストですが、母アドマイヤラピス(ステイヤーズS2着)から「ハイペリオンとフェアトライアル」の粘り強さを受け継いだぶん、父のような鋭敏な脚は使えません。中山金杯にしても、勝負所でゴーサインを出しても前のミヤビランベリとの差は全く詰まっておらず、直線半ばでミヤビが失速してから差していました。あの反応ではスローで逃げるキングストレイルを“並ぶ間もなく”交わすのは難しいでしょう。

とすると、スローの中山1800mの4角で、ゴッホのような反応で“並ぶ間もなく”捲れそうな馬はカンパニーとドリームジャーニーしかいません。以下「血統分析」から抜粋しますが、今回は小回り1800mベストで瞬発力最上位の2頭が順当に1,2着したということで、東京マイルの安田記念につながるレースだったかというと、そこはまた再考の余地があるでしょう。

「カンパニーは中山記念は3回出走して2,4,1着。4着は重馬場で良ではバラゲーにしか負けていない。毎日王冠は過去7,5,5着と一息だが、これは父ミラクルアドマイヤにフェアトライアルが多く入るせいで小脚がききすぎているからで、バレークイーンの一族はリンカーンやヴィクトリーなどもそうだが中山>東京の小脚使いがよく出る。良なら58キロでもリピート好走を見込んでいいだろう」

「ドリームジャーニーはノーザンテースト4×3のクロスの影響でマイラー体型に出た。ピッチのきいた走りで一気に加速するので、東京だと直線が長すぎて脚の使いどころが難しいが、その反面小回りを俊敏に捲る脚があるのは朝日CCや小倉記念を見ての通り。AJCCはタフな馬場で持久力も要求されるレースになったので伸びあぐんだが、今回は距離もコースも最適だから巻き返しは必至だろう」
コメント (2)
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