花と緑を追いかけて

山を愛し、花を愛し、旅と
映画とパソコンと、好奇心も
いっぱいの主婦の日記です

街に咲く花々と、映画「マーガレット・サッチャー」

2012年06月01日 | 映画、観劇
風薫る5月も終り、鬱陶しい梅雨の季節が間近です。
転んで思わず付いた左手の甲を骨折して一ヶ月以上が過ぎました。

痛みは和らぎましたが、圧迫感のあるギブスが何とも辛いです。
ギブスの周りは皮(垢?)がボロボロ・・・
特に一番動かしている親指は擦り切れて、皮がむけて赤くなってきました

医師に少しでも早く外して欲しいと訴えたら
「最低一ヶ月間はしていなければ駄目」
「5月2日にギブスをはめたから、外すのは早くて6月2日以降、遅い方が望ましい」
「それまで出来るだけ骨折した方の手は使わないように」とのこと・・・


片手生活の不自由さは思った以上です。
洗濯やアイロンがけはできても、たためない
シャンプーしても、ドライヤーでのブローが出来ない

車の運転もパスなので、二日に一回ザックを背負い、散歩も兼ねて
歩いて20分の駅前のショッピングセンターまで買い物に出かけます。
(ビールなどの飲み物は、主人がいる時に車を出してもらいますが)

途中、公園や家々の庭の花々を愛でながら行くのが日課・・・
車では見逃していた珍しい花々もあって、ちょっと得した気分

三つ葉のカタバミ(ムラサキカタバミ)がこんなに綺麗だったなんて、知りませんでした。


我が住宅街のお宅に咲いていたこのお花、ず~~っと気になっていました。
大きさこそ違え、私の好きな「タイザンボク」の花に良く似ています。

歩いて食事に行く時、主人に聞くと「レンゲだね」と・・・

蓮華とはハスの事、このお花はどう見てもマグノリア系だわ。

ネットで調べてみると「オオヤマレンゲ」、叉は「ミヤマレンゲ」でヒットしました。


4年前まで、西オーストラリア州のパースに家を借りて毎年通っていましたが
その際、旅先の南極海に面した「アルバニー」の街の小さなホテルの前庭に、
これとよく似たお花がたくさん咲いていました

宿の主人に花の名前を聞くと「マグノリア」と言う答えが返ってきました。
マグノリアとは「モクレン属」のお花のこと・・・

オーストラリアでは(カナダでも?)お花の名前は実にアバウトですね。
春の野原に咲く花々は「ワイルドフラワー」でひとくくり


こちらもオーストラリアにたくさん咲いていた「ブラシの木」(オーストラリア原産)
養護学校の門の脇にありました。


その横には「ハマナス」が・・・
北海道のオホーツク海沿岸でよく見ましたね。

♪流氷とけて~ 春風吹いて~ ハマナス咲いて カモメも鳴いて♪
♪はるか沖ゆく~ 外国船の~ けむりも嬉し 宗谷の岬♪
札幌に住んでいた頃よく唄った、ダ・カーポの歌が自然と口から出ました


我が街の駅前通りは「マロニエ通り」と言われていて、5月には濃いピンクのお花が咲き出します。

          

手を骨折して以来、高校時代の友人とのお食事会も延期して、山仲間との山行きも諦め
ブログ仲間の山小屋さんやだんだんさんから誘われた、街道歩きや奥多摩ハイキングも断念して・・・

ひたすら一人で近くの鎌倉や我が街を歩き回っていますが、
先日何気なく見たTVの「ぎんさん宅の4人姉妹」のお元気な姿に触発されました。

上は98歳から一番下は89歳の4人姉妹、平均年齢は93歳
それなのに誰一人、介護の世話にもならずにシャンとしていらっしゃる。

「人は足から死ぬ」と、108歳で亡くなった母親のぎんさんから何時も言われていたとかで
毎日せっせと歩いているそうな・・・、
4人とも自立して生活していて、誰一人、杖も付いていない

そして「笑って今を生きる」と、週に何度も4人で集まって冗談を言い合っている
人間、楽しくしゃべって笑うと、免疫力がアップするそうです。
私に今欠けているのはこの部分だわ


で・・・
私は今ギブスをはめていて、着たいお洋服も袖が通らずお洒落もできないから
「普段着で行ける駅前の○○シネマで”マーガレット・サッチャー”を観て、ランチをしませんか?」と
親しいご近所仲間4人に声をかけました。


「マーガレット・サッチャー(鉄の女の涙)」は、メルリ・ストリーブがサッチャー役で主演し
2012年度のアカデミー主演女優賞をとった映画です。

英国史上初、かつ唯一の女性首相マーガレット・サッチャーは、その強い信念により
当時の封建的な男社会の中でも、強力なリーダーシップを発揮した。
フォークランド紛争での勝利、労働組合制度の改革、低迷する経済の建て直し
国内のみならず、世界中に影響を与え続け、「鉄の女」と呼ばれていた。
(チラシより)

いやはや彼女のような政治家が今の日本にいたならばと痛切に感じた次第です。

現役時代のサッチャーが「英国病」を見事に回復させたことを知っている世代の私
鉄の女の大活躍の物語と思いきや・・・
(過去の栄光もフラッシュバック的に紹介されますが)

今では認知症を患い、亡き夫の幻影を見ながら遺品を整理し
「あなたは幸せだった?」とつぶやく日々
が淡々と描かれていました。

家庭をかえりみなかった女の「懺悔の呟き」なのでしょうが、少々ひっかかりました。
男の首相だったら、この様なシーンは無いに違いない・・・

階級制度が厳しい英国で、雑貨屋の娘が猛勉強して名門大学卒業後政治家となり、首相になって、
栄光と挫折を味わいながらも、妻を支える夫と双子の子供にも恵まれた家庭を持っていた・・・
私はそのことに安堵いたしました。

ぎんさんの4姉妹は別として、
認知症は誰でもがありえること、そして老後は皆孤独なのです。

サッチャーはロンドンで一人住まいをしていますが、ヘルパーさんが毎日やって来て
娘もしょちゅう顔を出し、元首相としてのパーティー出席などに付き添ってくれるだけでも
幸せなのだと思いました。


老後を考えさせられた映画でしたが、すぐに気を取り直しショッピングセンター内の
銀座・三笠会館系のレストランで、お食事しながら3時間半もお喋りです。

一昨年の「エジプト旅行」まで、イタリア・スペイン・ロシア・中欧・北京と数カ国を一緒に旅した
ご近所仲間同士・・・

最近は子供達の結婚や孫の誕生、親の介護、そして自分や伴侶の病気などで
皆心身ともに慌しくなり、中々以前のように一緒に遊ぶ時間もなくなりました。

「最近は仏教にも興味が沸き、夫婦で四国八十八箇所巡りをしてきたわ」という
高尚なお話しから・・・

「利き腕を骨折すると、お化粧も満足に出来ないのよ。眉毛が特に難しい」
「歳をとったら先ず無理」と愚痴ると
「妹が眉毛のタトゥーをしたから詳しいことを聞いてきてあげる」
「でもそれって、大阪市の職員だったら引っかかるのかしら

久しぶりに4人で笑い転げた3時間半でした。
女は美味しい物を食べて、親しい友人とお喋りに興じている時間が
一番の元気の源となりますね

コメント (26)
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