ミャオの家より

今はいないネコの飼い主だった男の日常

飼い主よりミャオへ(47)

2008-11-18 17:25:34 | Weblog
11月18日
 拝啓 ミャオ様
 
 二日ほど、小雨の降りしきる日が続いた後、今日はやっと晴れてくれた。日高山脈の山々にも、さらに新雪が降り積もっているのが見える。午後からは、その山並みの上に、雪雲が並び始めた。
 明日から、一気に寒くなり、日本海側の札幌、旭川では雪の日が続くことになり、一方、太平洋側の帯広や釧路では、晴れた日が続くことになる。これからが、冬型人間の私には、心楽しい季節になるのに、ミャオの待つ九州へ帰らなければならない。
 ミャオも、今では、すっかりおばあさんネコになった。九州とはいえ、山の中だから、50cmもの雪が積もることもあるし、-10度まで下がることもある。そんな所に、ミャオをノラネコ状態で、おいておく訳にはいかない。
 冬の間、ミャオはストーヴの傍か、コタツの中で日がな一日を過ごし、晴れて暖かい日には、ベランダに出ていっちょうらの毛皮を干す。その姿を見るのは、飼い主である私も、心安らぐことなのだ。
 だから、九州に戻ることがイヤなのではない。ただ、大好きな北海道から離れることが辛いのだ。できることなら、ミャオを北海道につれてくればいいのだが、ノラネコ上がりで、神経質なオマエが、まして年寄りネコであるオマエが、環境の激変に耐えられるわけがない。命を縮めるようなものだ。
 そこで夏の間は、ミャオに辛抱してもらって、近くのおじさんからエサをもらえるように頼んでおいて、私が行き来をしているわけだけど、果たして、こんな生活が、何年続くだろうか。
 しかし、もしミャオがいなくなって、私は喜んで北海道に住み続けるようになるのだろうか。少なくとも、私は今でも、ミャオが邪魔だとは思っていない。それどころか、ミャオと一緒に暮らすことは、私にとっても楽しみでもあるのだ。つまり、私はミャオに会うために九州に帰るのだ。

 とはいっても、この北海道はいい所なのだ。ましてこの十勝は・・・春の山菜採りの頃(5月14日、25日の項)、残雪の日高山脈(6月1日の項)、ハマナスの花(7月6日の項)、夏の大雪山(8月8日、10日の項)、秋の大雪山(9月24日の項)、ジャム作り(10月9日の項)、雪の大雪山(10月24日の項)そして前回の剣山のヒグマ(11月14日の項、クマについては色々の体験があり、また後日書きたいと思う)など、いろいろと思い出してしまう。
 日高山脈の、落日風景(写真)を胸にいだいて、しばらくの別れだ・・・。