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ミステリー G・M・フォード「黒い河」

2005-07-06 13:38:25 | 読書
 ノンフィクション作家のフランク・コーソは、病院崩壊事故にともなう死傷事件を追っていて事件に巻き込まれる。

 “8フィートの距離から、コーソはチビの眉間を撃ち抜いた。驚愕の表情を浮かべて膝をつき、そのまま仰向けに倒れて、体をひくつかせた。ポニーテイルは口をぽっかりと開けて、相棒の横にひざまずいた。「ヘラルド」静かに言って、小男の肩をゆすった。まるで眠っている男を起こそうとしているようだった。「ああ、ヘラルド!」あごの筋肉が張りつめたロープのようにふるえた。だが彼が怒りをコーソにぶつけようとしたときには、もう遅かった。サイレンサーを相手の頭まで1フィート足らずのところまで近づけて、コーソは引き金を引いた。ポニーテイルの脳が相棒の死体の上に飛び散った。彼は仰向けに倒れて動かなくなった。口の端から血が細い筋になってしたたっていた。そして突然静寂が訪れた”

 まるで映画を観ているような展開で、頭を撃たれた二人はキューバ人の殺し屋だ。コーソ自身も狙われたし、コーソの元恋人メグ(カメラマン)が、この二人が犯す殺人の現場を目撃、逃げる途中トレラーにぶつかり瀕死の重傷を負った上に、まだ生きていることを突き止めた殺し屋にまたも狙われる。そんな状況が続きコーソの怒りが極限に達していた。二人の殺し屋に連れ出されるが、チョットの隙に銃を奪って冒頭の銃撃となる。このときのコーソは怒りに燃えた獣になっていた。

 普段のコーソは、親しい人に自分が住居としているボートで、シアトル近郊の湾を案内したりユーモアのある会話も出来る男である。とにかく私にとって掘り出し物の一冊だった。

 観光案内的記述もあって引用すると“いかにも太平洋岸北部の雰囲気で、環境を意識したむき出しの岩や木材の構造物が崖に沿って上り下りしながら二百メートル以上続いていた。その輪郭を指でたどっていたルネ・ロジャーズ(検察官)が言った。
「もしかして、あれ全部――」
「ああ、一軒の家だよ」コーソは言った。
「誰の――」
「ビル・ゲイツ」コーソは答えた。「五千平方メートル。約1億1千万ドル(約百十九億円)」

 この家は木の葉が落ちているときで、しかも湖の側からしか見られないそうだ。どうです?冬に行ってみますか。
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1 コメント

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Unknown (みんなのプロフィール)
2005-07-08 16:06:22
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