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映画 ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドン「ムーンライト・マイル」(02)

2005-07-08 17:45:00 | 映画
 この映画を監督しているまだ43歳と若いブラッド・シルバーリングの実体験がベースになっている。時代設定が1973年になっているのは、ブラッド・シルバーリングの音楽への思い入れの強い年代だからという。それらの音楽が効果的に挿入されていて、タイトルの「ムーンライト・マイル」はローリング・ストーンの隠れた名曲だそうだ。酒場の場面で実に効果的だった。

 映画はジョー(ジェイク・ギレンホール)の恋人の葬式の場面から始まる。ダスティン・ホフマンが面白いことを言っている。「俳優なら誰しもが葬式というものに共通点を感じることだろう。葬式は芝居と同じなんだ。誰もが演技をする。周囲に対して。両親の役を演じなくてはいけない。(死んだ娘の葬式の場面の解説で言っている)そして一日が終わると突然味わうんだ。舞台後の楽屋で放心する役者のような気分をね」

 恋人の両親が、ベン(ダスティン・ホフマン)とジョージョー(スーザン・サランドン)で、ジョーはその両親の下で生活を始めて、ベンの不動産業を手伝う。ジョーの恋人は銃撃の巻き添えになって殺された。この事情は言葉で語られる。

 犯人は逮捕されて裁判にかけられていて、検事のモナ・キャンプ(ホリー・ハンター)から“犯人は一転して妻を愛する夫になった。難しい状況だ。効果的な手を打たなければ負ける。弁護側は死んだダイアナに触れたくないはず。恋人を殺され犯人に人生を奪われたと判事に訴えてほしい”といわれる。ジョーが法廷で証言する場面が核心部分になる。

 ジョーはダイアナのことを美しく飾ることは出来ない。正直に真実を語るしか方法がない。と訴えてベンとジョージョーに感銘を与える。この法廷場面のジョーの言葉をメモしたが、映画の場面では感動するが、文字にすると平板で感動しない。考えてみれば当然で、映画で登場人物の表情や場面に適切なセリフが伴っていて見るものの感情に訴え、それを助ける音楽がより効果を発揮するからだろう。べたべたしたお涙頂戴映画でなく、爽やかな映画と私は思う。

 ジョーの新しい恋人になるバーディ(エレン・ポンピオ)は、この映画が初出演だそうだが、なかなか魅力的な女優だ。この映画の後、めぼしい出演がないようだが、いずれ頭角を現すはずである。期待したい。
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