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映画と音楽と「懐かしのS盤アワー」から 1

2020-01-20 18:14:15 | 映画と音楽と

 1952年から1969年を洋画と洋楽が大好きで過ごした人たちにとって、深夜に放送される新譜紹介番組「S盤アワー」を懐かしく思い起こすのではないでしょうか。ペレス・プラード楽団の「エル・マンボ」のBGMに重ねて、当時の日本ビクターの社員だった帆足まり子のぬくもりのある声にほっとしたものだ。

 そのS盤アワーCD10枚組160曲の新聞広告。DISC 1の16曲にはエルビス・プレスリーの6曲で最多、アラン・ラッドとジャック・パランスの決闘をクライマックスに正義が勝ちを収める映画「シェーン」の主題曲「遥かなる山の呼び声」をヴィクター・ヤング・オーケストラで、グレン・ミラーは「真珠の首飾り」、そして多くの家庭に受け入れられたエディ・フィッシャーが歌う「オー・マイ・パパ」などが並ぶ。

 ところでS盤とは何か。今では全く見ることが出来ないシロモノ。78回転のレコードで、とにかくもろい。落としたり踏んだりすれば粉々になる。細かい溝が刻まれているその破片で、鉛筆の芯を尖らせた記憶がある。それをSPレコード(Standard Playing)と言い、1950年後半まで生産された。今のLPレコードぐらいの大きさで片面1曲しか入らない。再生するには蓄音機という機械が必要。レコードの溝に落とす針は、竹製を使っていたが金属製もあった。なんともカビの生えたお話。

 ウィキペディアにはこんな記述がある。「日本武道館の近くに昭和館があるが、日本で発売されたSPレコードを体系的に蒐集・整理・保管し、いつでも検索・視聴可能にしようとするプロジェクトが政府主導で進められつつある」という。

 映画「シェーン」の悪役ジャック・パランスが印象的だった。アルコールを飲まないでブリキのコップに入れたコーヒーをチビリチビリと飲む。


 映画「グレン・ミラー物語」に劇的に登場する「真珠の首飾り」。グレン・ミラー独特のスタイル、「キラー・ディラー・スタイル」を生み出した。ビッグ・バンドの編成で通常のサックス・セクションの5人(アルト2本、テナー2本、バリトン1本)のうちリード(一番高音のパート)もしくはセカンド(2番目のパート)もアルト・サックスの代わりにクラリネットで1オクターブ高い音で演奏すると甘美な独特のサウンドが醸し出される。(ネットから引用)

 このスタイルは偶然の産物で、映画でも触れられるがトランペット奏者が唇を切ったために、代わりにクラリネットを使ったところ出来たのがこのキラー・ディラー・スタイルなのだ。このグレン・ミラー・オーケストラは現在でも存在し、去年も日本ツアーで来日している。


 次にエディ・フィッシャー。1950年代を代表する歌手で、数百万枚の売り上げを記録する。女性関係が派手でデビー・レイノルズ、エリザベス・テイラー、コニー・スティーヴンスらと結婚・離婚を繰り返し4人の子供に恵まれた。その中のデビー・レイノルズとの間に生まれたキャリー・フィッシャーは、女優で脚本家。しかし、ドラッグに手を出していてそのせいで60歳のとき心臓発作で亡くなっている。その一家の運命を見ていると、残る人の人生も分からないとつくづく思う。父親エディ・フィッシャーの温かい歌声の「オー・マイ・パパ」が寂しく感じる。

それでは、「S盤アワー」の出だしを聴いてください。

グレン・ミラーの「真珠の首飾り」

エディ・フィッシャーの「オー・マイ・パパ」をどうぞ!


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