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どこの国も失業者には厳しい目、投げかける重いテーマ「わたしはダニエル・ブレイク」

2017-09-18 16:54:00 | 映画

           
 心臓病で医者に働くことを禁じられている大工のダニエル・ブレイク(ディヴ・ジョーンズ)は、これからの人生に光が見え始めた時、心臓発作で他界する。付き添ってきたケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)の号泣が哀れ。

 ケイティが弔辞を述べる。「朝9時は最も安いので“貧者の葬儀”と呼ばれています。でも彼は貧しくなかった。お金で買えないものを与えてくれました。彼の服からこんなものが、いつもの鉛筆書きです。申し立ての時に用意して読めませんでした。
 彼はとても愛情深く心の広い人でした。国の制度が早い死へと追いやったのです。読みます。“私は依頼人でも顧客でもユーザーでもない。怠け者でもたかり屋でも物乞いでも泥棒でもない。国民保険番号でもなくエラー音でもない。
 きちんと税金を払ってきた。それを誇りに思っている。地位の高い者には媚びないが、隣人には手を貸す。施しは要らない。私はダニエル・ブレイク。人間だ。犬ではない。当たり前の権利を要求する。敬意ある態度というものを。私はダニエル・ブレイク、1人の市民だ。それ以上でも以下でもない”ありがとう」

 ダニエル・ブレイクとケイティの出会いは職安だった。ケイティは、女の子デイジー(ブリアナ・シヤン)と男の子ディラン(ディラン・フィリップ・マキアナン)を伴って係りの女とやりあっていた。それに加勢したのがダニエルだった。ガードマンが出てきて追い出される。

 食うや食わずのケイティたちを見て食料を仕入れて送っていく。やっと入れた市のアパート。ダニエルは大工だけあって修理や棚を作るなどお手もの。ケイティ一家とダニエルとの日常の交流を描いていて脚本に瑕疵がない。きっちりと構築されたストーリーで飽きがこない。

 お役所仕事は、どこも同じで規則一点張り。まあ、税金を使うからある程度は仕方がない。ダニエルの場合、心臓病なのに就職活動をしろ、その証拠をみせろ、面接した企業のサインがいる。

 一連の流れの中で「医師の診断書」を提出というのがなかった。医者から労働を止められていて働きたくても働けないのも拘わらずにだ。こういうのは別途支給の制度があるはずなんだが。罰則もあるというから驚き。説明会に不参加、就職活動をしないが重なると罰則が待っている。
   
 さすがに日本ではないだろう。ダニエルがデイジーに聴かせる「Sailing By」がなかなかいい。さらにアマゾンが運営するIMDb(Internet Movie Database)で最新の美人女優TOP20はケイティ役のヘイリー・スクワイアーズが26位と健闘している。ちなみに1位は、テレビドラマ「ドクター・ハウス」に出ていた私の好きなオリヴィア・ワイルドだった。2016年制作 劇場公開2017年3月
   
それではThe Perryで「Sailing By」をどうぞ!

監督
ケン・ローチ1936年6月イギリス、ワーウィックシャー生まれ。本作はカンヌ国際映画祭2016年パルムドール賞受賞をはじめ毎年のようにノミネートされる常連。

キャスト
ディヴ・ジョーンズ生年不詳、俳優・スタンダップ・コメディアンで主にテレビ界で活躍。
ヘイリー・スクワイアーズ生年不詳、テレビ界で活躍。
ディラン・フィリップ・マキアナン出自不詳。
ブリアナ・シヤン出自不詳。

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