「ガソリン・ペーパー」の記事が新聞に載っていた。ガソリンを車に給油すときに給油口から立ちのぼる気化したガソリンのことだという。目に見えないがPM2.5や光化学スモッグの原因にもなるといわれる。
アメリカでは発生を抑える装置を車に搭載することを義務付けているし、ヨーロッパでは多くのガソリンスタンドに揮発防止装置が設けられているという。
では、日本ではどうだろう。ネットで検索してみると、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のホームページに行き当たった。
そこにはこのガソリン・ペーパーについて詳しく解説してある。少し拾い出してみると、まず、装置はすでに開発済みで2012年現在では84台が全国に配置されているという。
ガソリン・ペーパーについては、人体に有害性がある「揮発性有機化合物(VOC=Volatile Organic Compounds)」の一つです。VOCの排出削減には、国際的な取り組みが進んでいて、わが国でも2006年から改正大気汚染法が施行され、VOCについても排出規制が実施されています。
ガソリンベーパーは、臭いや大気汚染に加えて、引火すると火災の原因にもなります。また、ガソリンスタンドにとって給油量の損失にもつながります。このガソリンベーパーをガソリンスタンドで液化、回収する装置を、給油計量機のトップメーカーである株式会社タツノがNEDOの委託で、開発、実用化しました。臭わない、大気を汚さない、引火防止により安全性も高い、そして経済的なスタンド経営も可能にするガソリンベーパー回収装置、その普及拡大が期待されています。 という説明がある。
この回収装置は欧米とはかなり違った装置のようだ。欧米より数段上を行く装置らしい。欧米などで使われているガソリンベーパー回収システムでは、ベーパーを気体のまま回収するため回収率は80%台で、臭いを封じるまでには至っていない。しかし、タツノが開発した装置では、99,2%の回収率で臭気も吸収するという。
それも今までどおり給油口にノズルを入れるだけでいいという。この特殊なノズルが秘密らしい。日本が先端を行っているようで喜ばしい。いずれにしてもすべてのガソリン・スタンドに配置できればいい。これも価格次第か。