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女性弁護士の確執を描く海外ドラマ「ダメージ ファイナルシーズン’12」

2014-12-27 20:25:55 | 海外テレビ・ドラマ

             
 どうしたらこれほど憎たらしい女になり切れるのか。大手法律事務所を差配するパティ・ヒューズ(グレン・クローズ)は、情愛とか思いやり相手の立場に立ってみるという視点のない自分勝手な冷たい女だ。
 それは顔相にも現れている。冷たい色をした目、真一文字に結ばれた薄い唇。皮肉と冷笑をこめた笑み。

 余命わずかの父親に「恨みは消えていない。絶対許さないわ。あるのは死だけ」と言い放つ。この場面では、カメラはグレン・クローズから殆ど動かない。徐々に変わっていく心の動きの表情が見事だった。彼女の力量が見える。そして観るものを凍りつかせ嫌悪させる。

 その対局にあるのが、かつて同じ法律事務所でパティの薫陶を受けたエレン・パーソンズ(ローズ・バーン)だ。そして今、告発集団を率いるハッカー、チャニング・マクラーレン(ライアン・フィリップ)の訴訟で対立していた。

 これを軸にパティと息子のマイケル(ザカリー・ブース)との監護権裁判。一方エレンにも、過去に何者かに殺されかけたことがありその真相を突き止めようとしていた。これらが交錯しながらすべてが明るみに……とはならない。

 エレンが殺されかけたのは、パティの差し金だった。それをエレンは闇に葬った。残念な気がしたが、ラストでその意味が分かった。

 パティとエレンの対比の面白さもあったが、最後に決定的な対比が描かれる。この辺は明かすことはしない。ただ、映像的にパティの場合は、訴訟中のメイクアップとエレンが証拠物件を置き土産に去ったあととは段違いだ。とにかく憎たらしいグレン・クローズとして強い印象を残した。

 グレン・クローズは、マイケル・ダグラスと共演の1988年「危険な情事」でのストーカー女で強烈な印象を残す。こういう役どころが得意かもしれない。「ダメージ」でエミー賞の主演女優賞を受賞している。ローズ・バーンもエミー賞の助演女優賞を受賞している。
  
  
キャスト
グレン・クローズ1947年3月コネチカット州グリニッチ生まれ。
ローズ・バーン1979年7月オーストラリア、シドニー生まれ。
ライアン・フリップ1974年9月デラウェア州ニューキャッスル生まれ。
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