ポテト姫の気まぐれ雑記 part2

つれづれなるままに、気ままに綴るエッセイ集

‘グッドラック’

2010-07-20 | 本と雑誌

 前回の記事の問題ですが、コメントにて子猫さんが答えてくれた通り、「グッドラック」という本が正解でした。

 私は、この本について、ネット上で知り、早速購入して読みました。読めば必ず、誰かに紹介したくなるような内容だし、文字の量も少なく、すぐに読めてしまうので、読書が好きではない我が娘&息子たちにも勧めました。(読書の宿題をこなすのには、楽に読めるので、ちょうど良いらしい...。

 あまり書いてしまうと、これから読む人たちの楽しみを奪うので、控えますが、さわりだけ。

 幼なじみのマックスとジムが、セントラルパークのベンチにて、54年ぶりに再会する。その時の二人の様子は、対照的だった。マックスは事業に成功し、カジュアルながらも、どこか上品な身なりをして、のどかに午後の公園を味わっている...という感じ。対して、ジムは、仕事も財産も、全て失い、変わり果てた姿だった。

 この二人の立場は、10歳で別れる前までは、立場が全く逆だった。貧乏だったマックスは、学校へも行けず、すぐに働いたという。その後、事業を起こし、それが順調に育って、安定した生活することができた。ジムの方は、祖父の遺産や、残された大きな工場の後を継ぎ、始めは順調だったが、やがて流行に負けて、ダメになってしまったという。

 「僕も、君みたいに、運さえあったらなァ...。」

こう呟いたジムの言葉を聞いて、マックスは、「運と幸運の違い」について教えてくれた自分の祖父の話をする。自分の祖父は、遺産なんて何も残してくれなかったけれど、その話を聞かせてくれたからこそ、その後、事業を起こしたり、それを拡大してこれたのだと思う、と話す。

 マックス:「話をさせてくれないか?」  ジム:「よし、聞いてみよう。」

 こうして、マックスの語る「運命をわけたクローバーの物語」が始まるのである。

 その物語に登場してくるのが、魔術師マーリン、黒いマントの騎士・ノット、白いマントの騎士・シド、大地の王子・ノーム、湖の女王、木々の女王・セコイア、全ての石の母・ストン、悪名高き魔女・モルガナ.....etc.

 この本のステキな所は、この「お話」が終わった後の、マックスとジムのその後にあると、私は思います。とかく、こういう教訓めいたお話の後は、白黒つけたり、勧善懲悪だったりしがちですが、この本の場合、希望に満ちたような終わり方をしている。

 実は、ジムがマックスと再会したのは、「偶然」ではなかったこと。マックスが立ち去った後、彼の真似をして、靴と靴下を脱ぎ、素足を草の上に投げ出してみる。すると、足に何かが触れた。見てみると、それは...。

 後は、読んでのお楽しみですね。

 マックスも、決して押し付けがましく話したのではなく、話したことを、後悔しそうな気になったりする。しかし、ジムは、結果的に、元気を取り戻す。

 こういう微妙な、心のふれあいを表現するには、はやりアニメや演劇にしない方が良いのでしょうかね...? より多くの人に、知って欲しい気もしますが...。

コメント (7)
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