memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

現代の奴隷    恐ろしい漁船での生活(1)

2010-10-11 13:04:18 | 海事
乗組員は船員としての訓練を受けておらず、字の読めない人々で構成されている。彼らの居住区は危険で不潔な生活環境である。(9月30日英国GUARDIAN)

環境問題のキャンペーンのためハイテク装備の韓国のトロール船の西アフリカでの操業を追跡した。そこで見たものは違法操業の証拠であり、先細りするアフリカ沿岸の資源であった。またそこで明らかになったものは異なった形の問題:人間の堕落が極端であり、1世紀以上も前の原住民のような奴隷状態であった。

「きわめて恐ろしい状態」とEJFのキャンペーン担当主任の Duncan Copelandはいう。かれは2008年にシエラレオネの海軍とともに韓国籍のトロール漁船に乗船している。
「人々は換気装置もついていない気温40~45度の魚倉の中で働いている。ほこりにまみれ、脂に汚れ、汗を流している。食堂にはゴキブリが這い回り、彼らの食糧はおぞましい状態であった。彼らが洗濯に使う水はポンプでくみ上げた海水。 彼らは悪臭を放ち、自分は胸が張り裂けそうだった」

調査を続ける中でEJF環境法務財団は船から船を尋ねた。ある船は先例40年以上で、錆だらけで手入れもされていない、そして海賊操業に従事している。違法な交易は脆弱な海洋資源をすでに破壊していて、労働条件は衝撃的な状況におかれていた。

Copeland が乗船した漁船は乗組員36人で中国、ベトナム、インドネシア、シエラレオネから来た人びと。8人が窓のない魚倉の中にダンボールで作った4つの寝床に起居している。4人はほかの4人が寝ている間に欧州市場向けの魚の分類と梱包を行う。交代制であり、次の人々が寝床にやってくれば出てゆかねばならない。

シエラレオネの船員によれば、彼らに賃金は支払われず、箱に入ったゴミのような魚=欧州では引き取ってもらえない=をあてがわれ、それを彼らが地元で販売し、換金する。もし誰かが文句を言えば船長は彼らを近くの海岸に置き去りにしてゆくという。
「状態は決してよくない。しかし我々は何もできない」と別の韓国船の乗り組みは調査に答えた。「我々はこれで生活している、ほかに仕事が見つからないからだ。もし誰かが200ドルの賃金をくれるといっても、家族を養うには不足だ。でもそれで生き延びるしかないのだ」

5月、シエラレオネ沖の漁船で150人のセネガル人が働いているのが発見された。昼夜を問わず18時間労働であった。残りの時間で食事をし眠り、高さ1メートルもない空間である。この船はEUへ魚を輸入できるライセンスを保持してはいた、そこには厳密な衛生星基準があるのだが。

EJFはさらに何隻かのトロール船を発見した。意組員もいたが、彼らは一年間以上も無線も安全装備もない船に乗船しているという。
「会社が物資を船で運んでくる」とギニア沖のトロール船の乗り組みは言い、「会社が船で物資や食料としてのエビや魚を運んでくる、でも誰もここに来たくはない」
漁民たちの話で海賊操業による人的被害の実態が明らかになった。こうした違法操業による水揚げ量は世界全体で1100万トン、金額に換算して100億ドルに及ぶという。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿