「我々の主目的はトルコの海の魚を増やすことにある」と当局者らは言う。新しい魚種を水域に放流するための研究も行われているという。彼の推定によれば、昨年11月までの獲るこの魚輸出は4.75億ドルに達したという。その仕向け先はオランダ、ドイツ、イタリア、日本、英国などであり、その前年の金額は4.13億ドルであった。
欧州最大の卸売業者はこのことに注目している。ドイツの販売業者Metro AG 社はトルコ海要調査基金TUDAVのスポンサーとなっていてその第2年目としてもっとも価値のある、そしてトルコでもっとも人気のあるハガツオBONITO7の調査を支援している。腹部が銀色で、背中に黒い筋のあるこの魚はマグロの仲間で、このBONITOは黒海とマルマラ海の間を回遊していると見られている。この魚の運命はこの区に最大の魚卸売り会社Metro’s Turkish Cash and Carry社が注目、この会社は年間6,000トン尾地元の魚を販売している。
魚が受ける脅威は乱獲、汚染、航路や気候変動による住処の喪失であるとTUDAVの会長 Bayram Ozturkはいう。「朝方漁師を訪ねてごらん、100尾の魚に200のクラゲがいる。彼等はクラゲを取り除くために余分な労力と金をはらっている。20年前にはここにクラゲはいなかった。つまり環境が劣化したのだ。クラゲを捕食する相手はいない」と彼はいう。この研究の目的は、4,500尾のハガツオに標識をつけて放流、3年間をかけて魚の回遊と資源の大きさを推定することである。そうした証拠無しには政府が規制を強化したり、取締りを強めることはなく、魚資源は減り続けると Ozturk はいう。
Metro社だけではない。キャンペーン団体Slow Food Istanbulやグリンピースも象徴的な青物魚の保護に取り組んでいる。一流レストランでは稀な魚となり、その数の減少に嘆いている。国内の2万隻以上ある漁船の縮小努力も行われている。政府は漁船を漁師から買い戻す計画(減船)を始めたがまだ牽引力となるには至っていない。11月までに359隻が買い戻されただけである。
ボートの上で網を繕いながらベテラン漁師 Korkmazは問題を端的に言い当てた。「魚をみんなが獲りすぎた。聞く耳を持たなかった」と。