最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

あんバタサンとアンバサダー

2019年12月25日 10時30分05秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
10月21日掲載のタイトルは「あんバタサンとアンバサダー」。



 知人の母は「いろんな人がテレビで『あんバタサン』を宣伝している」と思っていたそうだ。あんバタサンは十勝の製菓メーカーの菓子だが、似た商品がテレビドラマに登場したことで品切れが続く人気となっている。
 知人が詳しく聞いてみると、あんバタサンの宣伝ではなく、「アンバサダー」のことだと判明した。アンバサダーは外交官の大使を意味するが、日本語のそれは観光大使や親善大使、ブランド大使として使われているので、耳にする機会も多い。
 政治・経済から医療・介護の分野まで、あらゆる場面でカタカナ語が氾濫している。「尊敬する」は、いつから「リスペクトする」になったのか。競技で優れた記録を残した人物を指す「レジェンド」は、その人物を讃える日本語があるはず。しばしばリスペクトと同義で用いられる「オマージュ」は尊敬や敬意の意味よりも作家の影響を受けて、似た作品を創作することを示すようになった。思想が吹き込まれたり、刺激を与えたりする「インスパイア」も芸術関係でよく使われるが、カタカナ語は軽い感じに受け取られる印象が強い。
 製菓メーカーがアンバサダーを意識して商品名を考えたとしたら、優秀な企画担当者がいたことになる。あんバタサンと同様な例では、パラグアイをバイアグラと読み違える男性が多いそうだが、経験者の一人としてよく理解できる。(メディカルはこだて発行人・編集人)


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