最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

うそつきは大人の始まり

2013年12月19日 06時56分15秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。12月16日掲載のタイトルは、「うそつきは大人の始まり」。



 五輪招致のスピーチで注目を集めた「お・も・て・な・し」は流行語大賞の年間大賞にも選ばれた。五輪招致に成功して得意の絶頂にあった猪瀬都知事は、5千万円の資金提供を受けたことがつまずきのきっかけとなり転げ始める。弁明に脂汗びっしょりの都知事に対して、プレゼンテーションで共に汗を流した滝川クリステルさんは、あのジェスチャーで「ろ・く・で・な・し」とでも言いたいだろう。
 生活に不安がある人が1年間の給与を全額返上はできない。無利子・無担保で5千万円も渡してくれる「親切な人」がいるとしたら、師走に金策で駆けずり回る中小零細企業の経営者はすぐにでも紹介して欲しい。お金は困っている人に簡単には回ってこないのが世の中の仕組みで、親切な人はお金がもっている「力」の仕組みをよく理解している。
 今年も数多くのうそが飛び交った。新潟の知事は東京電力を「うそをつく企業」と非難。ホテルのうそはバナメイエビや牛脂注入肉を教えてくれた。列車内で大きな揺れがあるとレール幅は大丈夫かと緊張し、バッグには吹雪の中でも長時間線路を歩けるように厚手の帽子と手袋などを準備するようになった。
 子供は大人から「うそをついてはいけない」としつけられるが、やがて大人こそ平気でうそをつくとわかってくる。「うそつきは泥棒の始まり」ではなくて「大人の始まり」だと。小説家は上手なうそが得意だが、世の中には効用をもたらすうそも多いのだ。   
              (メディカルはこだて発行・編集人) 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「函館市の高齢者施設」をテーマとした「別冊」を発刊

2013年12月03日 05時05分39秒 | メディカルはこだて
年1回を目標としている「別冊」を11月末に発刊した。



今回は「函館市の高齢者施設」を特集テーマに取り上げた。
ちょうど2年前に「函館市の高齢者施設大事典」を3回シリーズで特集したが、非常に人気が高く、「上」と「中」は売り切れてしまった。その後も希望する読者が多かったことから、再編集と再取材を行って別冊で最新の情報を紹介することができた。
老後の安心を求めた「終のすみか」はどこにあるのだろうか。高齢者向けの函館市内の住宅や施設を「施設・建物」の視点から分類した一覧で紹介、同時に入所・入居基準など特徴を簡潔にまとめた。また、函館市の第5期函館市介護保険事業計画に基づく522床の施設整備の選定や開設状況も掲載した。
後半では市内の特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホーム、2年前に登場したサービス付き高齢者向け住宅など10の施設を取材した。
函館市の65歳以上の高齢者人口は3割にも達しているが、高齢者だけの世帯や独居老人が増えている。子どもが独立して一人暮らしになると買物や雪かきなど生活に不安を感じたり、不便で困ることから、施設への入居を考えている高齢者が多くなっている。
最後に安住する所、死ぬまで住む所である終の住処(ついのすみか)をどう探すかに悩む人は少なくない。高齢者向けの施設は要介護度や入居費用の違いによって、寝たきりや認知症など自宅での生活が困難な人が入所する特別養護老人ホーム、退院後に自宅へ戻ることが困難な人が利用する老人保健施設、認知症の高齢者が少人数で共同生活をする認知症高齢者グループホームなど様々なタイプがあるが、すべての高齢者が介護施設を必要としているのではなく、自立して暮らせる高齢者向け住宅や施設への需要も高い。
こうした自立した人や要介護度の低い人に関心が高まっているのが、2年前に誕生したサービス付き高齢者向け住宅である。安否確認、生活相談などの必要最低限のサービスが付き、食事も選択できるなど高齢者が自立して住みやすいように設計された手頃な高齢者賃貸住宅といえる。老後も自分のライフスタイルを重視する高齢者が増えているが、サービス付き高齢者向け住宅では、見守る人がいる安心感や外出・外泊などの生活の自由さは他の高齢者施設にはない特徴だ。
しかし、サービス付き高齢者向け住宅を選んだ場合も入居後は高齢化に伴って認知症のほか医療的なケアの必要性が高くなる。そうした場合、終の住処として必要になるのは医療や介護との連携で、医療系事業者が運営するサービス付き高齢者向け住宅などは、長期間の看取りまで対応できることから人気が高まっている。
終の住処の選択肢は増えたが、高齢者施設市場は玉石混交だ。自分のニーズをよく吟味し、最も適した施設を探す努力が求められている。

別冊では小誌の創刊号から最新の第48号までに掲載したものを疾患別にまとめた「この病気には、この病院が、この医師が」。また、病院や診療所を選ぶ際の参考となるように各医療機関の特色や、診療所であれば院長の経歴や所属学会などの情報をコンパクトにまとめた医療機関ガイドの「医療機関選びは、この詳細情報で」についても紹介している。

別冊は108頁、880円。函館市内や近郊の書店で発売中。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする