最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

街中の一等三角点

2022年11月08日 23時55分56秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」
11月7日掲載のタイトルは「街中の一等三角点」

 山登りの交流サイト(SNS)では三角点の標石にタッチしている画像を投稿する人が多い。四角柱の標石の上部中央には十字の刻みがあり、これが三角点の位置だ。
 「三角点なのに四角なのはどうして」「三角点は山頂の目印じゃないの」など、最初の頃はモヤモヤとした疑問を抱えながら山に登っていた。
 三角点は三角測量に用いる時に経度・緯度・標高の基準となる点のこと。明治時代に日本全国の正確な地図をつくるため、明治時代、三角点を一定間隔に設置し正確な緯度や経度の位置を測量する必要があった。
 設置場所で重要なのはその三角点から周りの三角点を観測できるかどうか。そのため山頂に必ず三角点があるとは限らず、三角点のない山もある。三角点は一等から四等まで日本全国に約11万点ある。国土地理院のサイトでは三角点の所在地や所有者、選点・設置の時期、設置者などを知ることができるが、三角点のある山や森林が個人や会社の所有である例もあって興味深い。
 市街地には四等三角点が多いが、一等三角点もある。函館は亀田町の道路の地下。マンホールのような丸い鉄製の蓋ふたが上に置かれている。それを持ち上げたら通り過ぎた人から、けげんそうな顔で見られた。私はうれしそうな様子だったはず。一等三角点マニアではないが、ふたの下をのぞいた時は少し誇らしい気分だった。(メディカルはこだて発行人・編集人)


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CKDサポート活動を開始。かかりつけ医から腎専門医への紹介基準は超シンプル

2022年11月04日 06時51分44秒 | メディカルはこだて
第83号のスペシャル・リポートは、CKDサポート活動を開始。かかりつけ医から腎専門医への紹介基準は超シンプル

腎臓には血液をろ過して、体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがある。この腎臓の機能が慢性的に低下している病態については、「慢性腎不全」という病名が用いられていたが、腎機能障害をより理解しやすく、より早期に発見するために、2002年米国腎臓財団から「慢性腎臓病」(CKD)という概念が提唱された。
日本国内におけるCKD患者数は約1330万人に達するといわれているが、これは成人のおよそ8人に1人にあたる数だ。CKD患者は透析の予備軍や心血管疾患の高リスク患者群と捉えられていることから、近年は全国各地でCKD重症化予防の取り組みが推進されてきた。函館では今年2月、CKD患者紹介促進支援活動を目的の一つとして「函館腎臓病懇談会」が設立された。代表世話人である五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長に話を聞いた。
治らない(治せない)CKDは圧倒的に多いが、例外もあると鈴木院長は言う。検尿異常は早期であれば治療可能な腎疾患を発見する糸口となり得るそうだ。「例えば、IgA 腎症は今や治せる腎臓病です。『尿蛋白のみ』 のような早期のタイミングで発見して早期に治療するほど治療成績は向上するのです」
治療のチャンスを逃して腎不全に至り、透析生活を余儀なくされる患者をひとりでも減らすことができるように漏れなくチェックがされるべきであり、軽度腎機能障害では背後に隠れている管理不十分な生活習慣病を是正することで進行を食い止め、遅らせることが可能なケースもある。「透析回避が難しくても、透析開始のタイミングを遅らせることも可能です。
諦めて何もしないのではなく、その時点で出来ることを探してとことん対応することで経過の改善が図れるのです」。CKDへの早期介入は意外と有効であると教えてくれる。 「CKD患者のQOL・予後改善、そして函館市の医療費抑制のために、打てる手があるか否かについて検討してみるのは重要なことなのです」

記事は4ページで紹介しています。


新たなCKD連携システムについて説明をする五稜郭ネフロクリニックの鈴木勝雄院長



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新型出生前診断の「基幹施設」に認定

2022年11月04日 06時35分28秒 | メディカルはこだて
第83号のピックアップニュースは、新型出生前診断の「基幹施設」に認定

日本医学会の運営委員会は6月11日、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断(NIPT)で、全国の大学病院など計169カ所を診断の中核施設となる「基幹施設」に決めた。従来の認定施設に当たり、施設数はこれまでの108施設から1.5倍以上に増えた。施設がなかった青森など7県でも新たに認められるなど、全都道府県に拡大した。道内は8施設、道南からは市立函館病院(森下清文院長)が認定された。
NIPTはダウン症などの原因になる3種類(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)の染色体異常をもつかどうかを調べる検査。2013年日本産婦人科学会の指針に基づき指定を受けた施設で始まったが、最近は無認可施設での検査が増えていることで、妊婦に不利益が生じる問題が起きている。そのため運営委員会では従来の認定施設を基幹施設とし、その下に産科診療所の「連携施設」も設けることになった。連携施設では新型出生前診断を行うが、カウンセリングなどは基幹施設を利用できる。基幹施設と連携施設を合わせると認定の実施施設は数百カ所となる見込みだ。
NIPTについて、市立函館病院産婦人科科長・主任医長の浅野拓也医師に話を聞いた。周産期医療と臨床遺伝学を専門領域とする浅野医師は日本産科婦人科学会(専門医・指導医)、日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会(臨床遺伝専門医)の専門医資格を有している。

記事は浅野拓也医師へのインタビュー形式3ページで紹介しています。


新型出生前診断(NIPT)について説明をする市立函館病院産婦人科科長・主任医長の浅野拓也医師


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難関の「認定血液検査技師」試験に合格

2022年11月04日 06時22分23秒 | メディカルはこだて
第83号のトピックスニュースは難関の「認定血液検査技師」試験に合格

市立函館病院の臨床検査技師、髙屋絵美梨さんは昨年11月に行われた認定血液検査技師の試験に合格した。この資格は日本検査血液学会が発足した認定制度で、血液学的検査分野における高度の学識と技術を有する臨床検査技師の育成を図り、より良質な医療を国民に提供することを目的に創設された。
これまでの取得者は全国で1195人。道南では髙屋さんが2人目となる難関資格だ。この資格試験は経験年数10年以上の技師が受験することが多いが、弘前大学医学部保健学科の検査技術科学専攻を卒業した髙屋さんは入職4年目の速さで、しかも初めての挑戦で合格した。
血液内科を有する同病院は、道南や青森の一部地域の血液疾患患者を診療している。中央検査部の遺伝子細胞生物検査センターに所属する髙屋さんは「仕事の内容は骨髄液やリンパ節などの検体から標本を作製し、細胞の形態的な観察やフローサイトメーターを用いて細胞の特徴を調べることです」と説明する。白血病などに特徴的な遺伝子異常をPCR検査で調べるなどの高度な検査も提供してきた。資格を取得しようとした理由は「臨床検査技師として、血液検査に関してより深い知識を得ることで、医師に対して付加価値のある検査結果や追加検査につながるアドバイスを提供できるようになりたい」と考えたからだ。


「この資格を活かして間接的に患者さんの病気の診断や治療の一助になりたい」と語る髙屋絵美梨さん

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「フットケア外来」を担当する皮膚・排泄ケア認定看護師

2022年11月04日 06時14分42秒 | メディカルはこだて
第83号のトピックスニュースは「フットケア外来」を担当する皮膚・排泄ケア認定看護師

館市医師会病院は今年4月に「フットケア外来」を開設した。担当しているのは循環器科の中川裕也医長と皮膚・排泄ケア認定看護師の森田早苗さんだ。
森田さんは青森県立保健大学の前身である青森県立青森高等看護学院を卒業し、函館市医師会病院へ入職。消化器内科や混合内科、外科を経て、パーキンソン病やALS、筋ジストロフィーなど神経難病の患者が入院する3階西病棟に勤務する。「看護師を目指したきっかけは、母が看護師で、母のまわりにも看護師が多く、看護師という職業は私にとって身近な存在でした」
「外科病棟ではストーマの管理で難渋している患者さんについて、市内の皮膚・排泄ケア認定看護師の一人に相談、適確なアドバイスを受けたことが認定看護師を目指すきっかけになりました」。教育課程入試試験に合格し、2018年8月から翌19年3月まで静岡県立静岡がんセンターで研修を受けた。「授業のレベルは高く、講義後のレポートにはとても苦労しました。40歳を過ぎてからの勉強は辛かったです」


「足の症状で困っていたら相談してください」と話す皮膚・排泄ケア認定看護師の森田早苗さん

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今年8月、函館五稜郭病院の看護部長に就任。自分や自分の大切な人を安心して任せられる病院に

2022年11月04日 05時51分44秒 | メディカルはこだて
第83号のトピックスニュースは「今年8月、函館五稜郭病院の看護部長に就任。自分や自分の大切な人を安心して任せられる病院に」

函館五稜郭病院の看護部長として8月1日に就任したのが須佐庸子さんだ。函館市内の高校を卒業後、函館厚生院看護専門学校に進学する。「高校時代の職業体験で病院に入院中の患者さんの手や足を洗わせていただきました。その経験が看護師を志すきっかけになりました」。看護学校時代には実習で担当した患者から退院後に感謝の手紙をもらったことがある。「学生ですので、ベッドサイドで患者さんの体を拭くことや話をするだけだったのですが、退院後、病院へ感謝の手紙が届きました」。辛いこともあったが、励みになった嬉しい出来事でしたと須佐さんは当時を振り返る。
同病院に入職後は泌尿器科、ICU、胸部外科・脳神経外科、循環器内科、消化器内科等で経験を重ね、2014年に副看護部長となり、業務を担当。19年には日本看護協会の「認定看護管理者」に合格する。「自施設の管理上の問題点に関して、自分の考え方、取り組みなどを講義やレポート作成・発表を通じて学びました。受講した仲間とはその後もお互いに相談できる関係を継続していることは大きな財産です」
看護部理念は「やさしい環境、あたたかな看護を」。「自分や自分の大切な人を安心して任せられる病院でありたいをモットーに、心に寄り添い、思いやれる看護を目指しています」。平成21年地域がん診療連携拠点病院の指定を受けた同病院は地域のがん診療の中心的な役割を担っている。「道南を代表する急性期病院として、さまざまな検査や治療により、業務の煩雑・多様化や責任も増大しています。その状況に対応できる看護師を育成するため、多様な教育研修を導入しています」 
新人教育など看護教育では高い評価を受けてきた同病院だが、コロナ禍で集合研修などは大幅な制限を余儀なくされている。「当院ではちょうどコロナ前というタイミングでeラーニングシステムを導入しました。看護技術や知識を確認・習得するためのオンラインツールで、看護の質の向上や働き方改革に大きく貢献しています」
新人教育とキャリアアップラダーの教育に加えて、中途採用者の教育も重要になっていると須佐さんは強調する。「看護師は活躍する場が医療以外にも拡大、潜在看護師も増えています。病院における看護師補充は喫緊の課題です。そのため中途採用者のサポートや教育にも積極的に取り組んでいます。看護職員には最先端の医療を提供している病院の看護を担っているという自信と誇りを持ち続けてほしいと思っています」


「心に寄り添い、思いやれる看護を目指しています」と話す看護部長の須佐庸子さん


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「メディカルはこだて」第83号が発刊

2022年11月03日 06時47分51秒 | メディカルはこだて
函館・道南の医療・介護の雑誌「メディカルはこだて」第83号が発刊しました。
現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。



【トピックスニュース】
函館港に寄港したクルーズ船を視察。クルーズ船の感染予防対策の確認と函館市と病院の医療体制等について説明
森下清文(市立函館病院院長)

【トピックスニュース】
今年8月、函館五稜郭病院の看護部長に就任。自分や自分の大切な人を安心して任せられる病院に
須佐庸子(函館五稜郭病院看護部長)

【トピックスニュース】
「フットケア外来」を担当する皮膚・排泄ケア認定看護師。足の症状で悩んでいる人のゲートキーパーの役割も
森田早苗(函館市医師会病院3階西病棟看護課長補佐)

【トピックスニュース】
難関の「認定血液検査技師」試験に合格。医師へ付加価値のある検査結果を提供するために
髙屋絵美梨(市立函館病院中央検査部遺伝子細胞生物検査センター)

昭和書房「松井社長」のオススメの本と雑誌
松井靖介(昭和書房代表取締役)

【ドクタークローズアップ】
親子で地域のかかりつけ医として診療。母を目標に医業と子育ての両立を
中里諭美(みどりの森 さとう内科・こどもクリニック院長)

【ドクタークローズアップ】
最新・最良のカテーテル治療技術を提供。カテーテルアブレーション治療も開始
中川裕也(函館市医師会病院循環器科医長兼心血管カテーテル室室長)

【新院長に聞く】
今年4月、国立函館病院の新院長に就任。急性期医療、重症心身障がい者の療養を担うレベルの高い医療を函館と道南の住民に提供
岩代 望(国立病院機構函館病院院長)

身近な漢方医学の知識 高血圧症について(その2)
久保田達也 (久保田内科医院院長)

【トピックス・リポート】
「患者サポートセンターに「入退院支援課」を新設。住み慣れた地域で安心して療養生活を送る支援
大吉宏昌(市立函館病院患者サポートセンター入退院支援課長)

【トピックス・リポート】
函館五稜郭病院は最新の手術支援ロボット「ダヴィンチXi」に更新。泌尿器や消化器外科に続き呼吸器外科も開始
上原浩文(函館五稜郭病院呼吸器外科科長)

【トピックス・リポート】
大動脈弁狭窄症の新しい治療法(ラピッドデプロイ大動脈弁置換術)に成功。「縫わない」ことで心臓を止める時間が短縮
石川和徳(市立函館病院心臓血管外科主任医長)

【トピックス・リポート】
光選択的前立腺蒸散術(グリーンライトレーザー)の新機器を導入。前立腺肥大症の最も安全で有効な低侵襲療法
髙橋 敦(函館五稜郭病院診療部長兼泌尿器科科長)

冬の「雪かき」から解放。函館もロードヒーティングの一般家庭が増加
斉藤明紀(株式会社東商建設住宅事業本部設計担当部長)

【ピックアップニュース】
新型出生前診断(NIPT)の「基幹施設」に認定。妊娠中の母親の血液を調べる非侵襲性検査
浅野拓也(市立函館病院産婦人科科長・主任医長)

【スペシャルリポート】
CKDサポート活動を開始。かかりつけ医から腎専門医への紹介基準は超シンプル
鈴木勝雄(五稜郭ネフロクリニック院長)

東洋医学の治療院から 〜知ってほしいこんなサービス〜 今だからこそ訪問鍼灸・訪問マッサージ
益井 基(益井東洋治療院院長)

楽しく楽ちんな母乳育児をトータルケア
中止したヨガはオンライン方式で再会しましたが、対面の楽しさに改めて気づきました
笠原視砂子(かさはら母乳育児助産院)




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