最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

海のしっぽ

2012年03月21日 09時03分05秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。3月15日掲載は「海のしっぽ」。



 後志管内黒松内町は自生北限地帯として国の天然記念物にも指定されているブナ林が見事だ。雪の林の中をスノーシューで歩く。冬は葉がなくなったブナの細い枝と空がよく見えた。
 ブナ林のそばにはヤマメやアユなどが生息する朱太川(しゅぶとがわ)が流れている。同管内寿都町を経て日本海へと注ぐ清流は、豊かな森の滋養を運ぶ。この海水を使って塩づくりを始めるため、2003年に和歌山県から黒松内に移住した夫婦がいた。
 塩とにがりは独自の三段釜による製塩釜で、海水を煮詰めてつくられる。煮詰まった海水からもうもうと水蒸気が立ち上る窯元で話を聞いたことがあった。
「寿都湾からくみ上げる海水は黒松内の豊かな森や貝化石の地層を通るため多くのカルシウムを含み、塩の旨(うま)みを増してくれます。ここは塩づくりには理想的な場所」と語っていた。
 商品化した釜炊き塩「海のしっぽ」はデパートや老舗料理屋などで好評を得たが、3年前、夫婦は塩窯を閉鎖し黒松内を去った。理由は朱太川上流に進出した養豚業者の排水だった。養豚施設では浄化設備を設置したことで数値の上では問題はないとしたが、アユの解禁日に施設から大量の豚の尿が川に流出し、魚の死骸が浮いたこともあった。なにより浄化されても毎日多くの排水が流されることで豊饒(ほうじょう)な海はなくなったと夫婦は考えた。
 朱太川は昔と同じ様相だが、もう海のしっぽではない。夫婦の住んでいた家は深い雪におおわれていた。
                  (メディカルはこだて発行・編集人)
                   

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

川原尚行さんが函館で講演

2012年03月15日 11時38分31秒 | 函館・道南情報
スーダンで医療活動を行っている川原尚行さんの講演会が4月24日午後6時30分から函館市民会館(小ホール)で開催される。

北九州市生まれの川原さんは1992年九州大学医学部を卒業後、九州大学第2外科に入局し臨床医として経験を積み、外務省在タンザニア日本大使館に医務官兼二等書記官として勤務する。その後ロンドン大学にて熱帯医学を学び、在スーダン日本大使館に医務官兼一等書記官となり、大使館内の恵まれた環境とスーダンの厳しい国情、なかでも20%強の子供が5歳まで生きられない医療事情のギャップに衝撃を覚え、その現状を変えるべく2005年1月に医務官を辞職、同年4月ひとりスーダンで医療活動を開始した。翌2006年5月にはスーダンの医療活動を支援するNPO法人ロシナンテス、国際NGOロシナンテス・スーダンを設立し、2つが協力しスーダンなどアフリカ諸国に幅広く寄付金および協賛金を募る事業や医療、教育、農業などの活動を通じて国の基盤づくりの援助と日本とアフリカ諸国の国際交流を目指している。

今回は川原さんと親交のある医師らが「川原尚行の函館講演を実現する会」を立ち上げて企画したもの。
実現する会では「彼の奮闘ぶりはテレビ番組「情熱大陸」や「行列の出来る法律相談所」で取り上げられ、帰国時の各地での講演会や報告会は熱気を帯びています。彼がスーダンと被災地で強く感じるのは「新しい価値観」が必要なことで、日本にあってスーダンにないもの、スーダンにあって日本にないもの、そこに感動があり活動の原点があります。助けているつもりのスーダンの子供たちの笑顔から勇気をもらい,大人を動かし、地域を動かし、国までも動かしてきたその軌跡は年齢や立場を越えて心を揺さぶるはずです。多数の函館市民の皆様、特に若い人達にお集まりいただきたい」と話している。

テーマ:「明日の子供たちの笑顔のために~スーダン・東日本大震災での活動~」
と き:4月24日18時30分開演(18時開場)
ところ:函館市民会館小ホール
会 費:大人1000円(学生以下無料。葉書・メールでの登録か入場券・整理券をお求めください)
※収益はすべてNPO法人ロシナンテスに寄付します。

入場券・整理券や参加登録等の問い合わせは川原尚行の函館講演を実現する会へ。
ホームページ:http://www.kawahara-in-hakodate.info
メールアドレス:mail@kawahara-in-hakodate.info
葉書送り先:〒040-0054函館市元町21-10 1Fサクセンカイギ社内 倉内宣明(市立函館病院外科)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブナ林を歩く

2012年03月13日 06時53分53秒 | 山歩き・散歩・温泉
一昨日の日曜は黒松内町の歌才(うたさい)ブナ林をスノーシューで歩いた。
日本のブナ林の自生北限となる歌才ブナ林は、昭和3年に国の天然記念物に指定されている。
市街地からわずか2キロの場所にある原生林では、林齢200年以上の数々の巨木に会うことができる。
歌才ブナ林の入り口には広い駐車公園がああるが雪でおおわれていて停めるスペースは数台だけだ。
スノーシューを履いて歩きはじめる。
少し歩くとカメラを携えた女性がいた。野鳥を撮っているのだろう。
雪面は固い。スノーシューで歩くと「からから」と高い音が響くので鳥も逃げ出すかもしれない。
ブナ林の散策路は往復約4キロ。雪がなければ2時間程度だ。
最初はトドマツの植林地が続き、歌才川の小さな橋を渡るとブナ林の入口だ。



雪は固く凍った状態で斜面の急なところは歩きづらい。
裸になったブナ林は森の奥までよく見渡すことができる。
ときどき森の中を風が音を立てて通り過ぎていく。
雪の上のスノーシューはどこへでも行ける。
かなりの急斜面を下ろうとして尻餅をついて斜面を滑った。
大きなブナの木の前で止まったのでしばらくそこで休んだ。



ブナの木を見上げると枝分かれを繰り返している様子がよくわかる。
細い枝の間には薄曇りの空が広がっていた。
ブナ林の春はまだ遠い。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「箱館歴史散歩の会」で講演

2012年03月09日 19時14分40秒 | 講演会・勉強会
中尾仁彦さんが主宰する「箱館歴史散歩の会」は郷土の歴史を学び、再発見をテーマに活動を続けている。
同会は2008年4月にスタート。函館の発祥地である西部地区のいたるところに埋もれている歴史の『再発見』をテーマに掲げていて、毎月2回、函館市地域交流まちづくりセンターから約2時間半かけて高田屋嘉兵衛やぺリー、箱館戦争、石川啄木等の縁の地などを歩きながら中尾さんが解説を行っている。
雪のある冬期間はまちづくりセンターでの講演が中心で、次回では私も講演者となった。

第75回「箱館歴史散歩の会」~講演会(郷土の歴史と医療の話)

日時:平成24年3月30日(金) 午前10時から12時30分
集合:函館市地域交流まちづくりセンター

演題:高龍寺にまつわる歴史・人物
講師:箱館歴史散歩の会主宰 中尾仁彦

演題:いい医療を受けるための患者の心がまえ
講師:メデイカルはこだて発行人・編集長 塚本敦志

参加費:100円(申し込み不要)お気軽にご参加ください

問合せ:中尾仁彦さん(電話55-9809)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スノーシューで散策

2012年03月09日 16時24分27秒 | 山歩き・散歩・温泉
日曜日は2週続けてスノーシュー(西洋式かんじき)を楽しんだ。
2月26日は大沼国際セミナーハウスに隣接している大沼森林公園を歩く。
大沼はひどい吹雪で視界も悪かったが、スノーシューを履くころにはピタリと雪も止んだ。

 大沼森林公園の林

大沼国定公園の西に位置するセミナーハウスは自然豊かな会議場で、ハウスのロッジを囲むように森林公園の林の中を遊歩道がある。
冬期間は森林公園ボランティアによって雪をスノーシューで踏み固めた散策の道が作られている。
公園内は散策道以外は深い雪に覆われている。深雪の中はスノーシューを履いていても沈み込む。
倒木と倒木の間に落ちたときは脱出するのに手間取った。
1時間も歩くと汗びっしょりだ。少し休んでから(Yさんが蜂蜜入りの紅茶を用意していた)少し離れたところにある小高い丘を目指す。

 カメラを調整するYさん

深雪の下りは楽しい。
温泉(ちゃっぷ林館、森町駒ヶ岳)の後は函館でややこってり系のラーメンを食べた。


3月4日は見晴公園に隣接するゴルフ場を歩いた。
公園内にある香雪園は、函館市の素封家だった岩船峯次郎が明治31年頃から造成した本格的「風景式庭園」で岩船家の別荘として使われていた。
園内には茶室風の園亭や渓流、煉瓦造の温室などがあり、現在は旧岩船氏庭園(香雪園)の名で北海道唯一の国指定文化財庭園に指定されている。
冬期間はゴルフ場(函館ゴルフ倶楽部)が市民に開放され、そり滑りを楽しむ親子連れが多く訪れる。
青空の広がる天気のよい日だった。

 見上げるゴルフ場の高台

雪は固くしまっていてスノーシューではほとんど沈まない。
ゴルフ場の奥は高台になっていてそこをゆっくりと目指す。
1時間ほどで高台に到着。
Mさん手作りの林檎入りケーキを食べ、持参した蜂蜜入りの紅茶(前週のYさんの真似をする)を飲む。

 紅茶とケーキ

そり滑りをしている子供たちが小さく見える。

 津軽海峡がきらきらと輝いていた

よく見える函館山や津軽海峡を眺めながらのんびりと過ごす。
日差しが強くてずっとサングラスをかけていた。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする