渡島半島の東の端に位置する活火山の恵山(えさん)は「新日本百名山」に選ばれたこともあって道外の登山者にも広く知られる山となった。21日はこの恵山の西側にある海向山(かいこうざん)を登ってきた。
恵山と比較すると何十分の1ほどしか登る人はいないようだが、海向山は登山時間(往復約3時間)も手頃な割にはとても魅力的な山である。
下海岸の海側ではなく鉄山からの山道を進むが、峠を下る頃から海霧が発生していることがわかる。登山口となる賽ノ河原駐車場へと続く道は白い霧にすっかりと覆われていて視界は極めて悪い。広い駐車場に車を停める。恵山も海向山もまったく見ることはできなくて白い闇があるだけだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/4c/e9ec142e3c1c78a41379119a0c18ac09.jpg)
こういう霧の日には誰も登っていないはずで、ちょっと躊躇する気持ちも強かったが、とにかく歩き始めることにした。霧が張り付いた林の中を10分ほど進むと、ふいに左側から子馬がゆっくりと近づいてきた。「親」もいるはずと思った瞬間、右前方の木々の間から大きな親馬がぬっと姿を現す。距離は7~8㍍くらいだろうか。目の高さは2㍍を遥かに超えている。とにかくゆっくりと前に進むが親馬の目はずっとこちらを見つめたままだ。登山道の真ん中で親子は体を寄せ合うようにするとようやく親馬はこちらへの目線をはずしてくれる。子馬はおっぱいを飲み始めた。
子馬が乳を飲み始めた
この辺りでは飼われていた農耕馬が野生化しているようだ。登山道には馬の糞も多く、鳴き声を聞いたことはあったが遭遇するのは初めてである。遠くに見えたという人の話も聞いていたが、登山道のしかもこんな至近距離で出会うとは想像もしていなかった。正直なところ怖さもあったが、静かにしていれば親馬だって騒ぐことはないだろうと思い、子馬が乳を飲み終わるまでじっと眺めていた。満足したかのように子馬が頭を持ち上げると、親子は林の中へ消えていった。
登山道をそのまま進むとほどなくT字路の分岐点だ。左右のコースは時計回りで一周する人が多いようだが、右側の道を進むことにした。普段であれば木々の隙間から頂上部分が見えるはずだが、まったく何も見えない。外界から遮断された世界にいるようで少し落ち着かない気分であるが、これを楽しもうと思う気持ちもまた芽生えてきた。こっちのコースは急斜面が待ち構えている。最近は特に膝を持ち上げる動作がきつく感じるようになってきたが、頂上を目指すしかない。林が潅木に変わると頂上はもうすぐだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/71/41ed1fd356405cc42e74d1047d2a6b16.jpg)
回り一面白一色の頂上には虫の音だけが鳴り響いている。水を一気に飲むが疲れはそう感じていないので、10分ほど休んだだけで下山することにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f0/cdc26269c17777f1208369e5b4044a3b.jpg)
同じコースを下るが膝が結構きつい。前回、海向山を訪れた際にはこのコースで迷ったことがある。秋の枯葉がピークの時期で道が不明瞭だったからだが、今回はその過った場所がわかった。馬の親子にも出会うことはなく駐車場へ戻ったが、海霧はその濃さを増しているようで少し離れたところの車もかすんで見えた。
恵山と比較すると何十分の1ほどしか登る人はいないようだが、海向山は登山時間(往復約3時間)も手頃な割にはとても魅力的な山である。
下海岸の海側ではなく鉄山からの山道を進むが、峠を下る頃から海霧が発生していることがわかる。登山口となる賽ノ河原駐車場へと続く道は白い霧にすっかりと覆われていて視界は極めて悪い。広い駐車場に車を停める。恵山も海向山もまったく見ることはできなくて白い闇があるだけだ。
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こういう霧の日には誰も登っていないはずで、ちょっと躊躇する気持ちも強かったが、とにかく歩き始めることにした。霧が張り付いた林の中を10分ほど進むと、ふいに左側から子馬がゆっくりと近づいてきた。「親」もいるはずと思った瞬間、右前方の木々の間から大きな親馬がぬっと姿を現す。距離は7~8㍍くらいだろうか。目の高さは2㍍を遥かに超えている。とにかくゆっくりと前に進むが親馬の目はずっとこちらを見つめたままだ。登山道の真ん中で親子は体を寄せ合うようにするとようやく親馬はこちらへの目線をはずしてくれる。子馬はおっぱいを飲み始めた。
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この辺りでは飼われていた農耕馬が野生化しているようだ。登山道には馬の糞も多く、鳴き声を聞いたことはあったが遭遇するのは初めてである。遠くに見えたという人の話も聞いていたが、登山道のしかもこんな至近距離で出会うとは想像もしていなかった。正直なところ怖さもあったが、静かにしていれば親馬だって騒ぐことはないだろうと思い、子馬が乳を飲み終わるまでじっと眺めていた。満足したかのように子馬が頭を持ち上げると、親子は林の中へ消えていった。
登山道をそのまま進むとほどなくT字路の分岐点だ。左右のコースは時計回りで一周する人が多いようだが、右側の道を進むことにした。普段であれば木々の隙間から頂上部分が見えるはずだが、まったく何も見えない。外界から遮断された世界にいるようで少し落ち着かない気分であるが、これを楽しもうと思う気持ちもまた芽生えてきた。こっちのコースは急斜面が待ち構えている。最近は特に膝を持ち上げる動作がきつく感じるようになってきたが、頂上を目指すしかない。林が潅木に変わると頂上はもうすぐだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/71/41ed1fd356405cc42e74d1047d2a6b16.jpg)
回り一面白一色の頂上には虫の音だけが鳴り響いている。水を一気に飲むが疲れはそう感じていないので、10分ほど休んだだけで下山することにした。
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同じコースを下るが膝が結構きつい。前回、海向山を訪れた際にはこのコースで迷ったことがある。秋の枯葉がピークの時期で道が不明瞭だったからだが、今回はその過った場所がわかった。馬の親子にも出会うことはなく駐車場へ戻ったが、海霧はその濃さを増しているようで少し離れたところの車もかすんで見えた。