最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

虫退治はオニヤンマ

2021年10月18日 23時02分36秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
10月18日掲載のタイトルは「虫退治はオニヤンマ」。



 鬼退治といえば桃太郎だが、虫退治はオニヤンマだ。釣りや山菜採り、山歩きでは虫に悩まされることが多い。アウトドアでの虫対策は虫除けスプレーや蚊取り線香などだが、薬剤も電池も火も使用しない虫除けとして注目されているのがオニヤンマのフィギュアだ。
 ハエ、アブ、蚊などを捕食するオニヤンマは昆虫界のピラミッドでは最上級の位置にある。そのオニヤンマそっくりの模型を帽子などに付けておくと、虫を寄せ付けない効果があるとして話題となり、商品は品薄状態が続いていた。
 昆虫界の食物連鎖の仕組みを活用した究極のエコ虫除けグッズは、釣り人たちから口コミで広がっていった。模型の開発者は鮎釣りで東北地方を訪れたときに、山菜採りをする地元の人が身につけていたトラロープ(黄色と黒の二色のロープ)からヒントを得た。
 オニヤンマの模型は安全ピンで帽子やザックへの取り付けたり、胴体のストラップにつり下げたりする。使用者からは高い虫除け効果が認められたとの声が多く上がっている。私の場合は虫が避けたような感じだった。
 黄色と黒の組み合わせは危険を知らせる警告色で、スズメバチのまだら模様も毒があることを周囲に警告し、捕食者の攻撃意欲を低下させている。黄色と黒は自然界ばかりではない。人間社会でも踏切や工事現場などの危険区域に使われている。(メディカルはこだて発行人・編集人)


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函館五稜郭病院の小児科は医師4人体制の診療を開始

2021年10月06日 06時50分04秒 | メディカルはこだて
第79号の特集は「函館五稜郭病院の小児科は医師4人体制の診療を開始」。

函館五稜郭病院の小児科は地域医療や専門医療で活躍してきた医師が加わるなど、小児科医4人の新体制の診療をスタートした。4人の医師は立石格、清水直政、鈴木雅彦、八ツ賀千穂の各小児科医で、一般小児および在胎36週以降の新生児の生命と健康を守っている。
専門外来では発達障害や心身症、アレルギー疾患の専門治療を行なっているなど、道南圏の小児医療への貢献が期待されている。

胎児や新生児ならびにそれに関わる母性、母体に関連する医療、研究水準の向上を図ることを目的とした日本周産期・新生児医学会の周産期専門医(新生児)である立石格医師が函館五稜郭病院小児科科長に就任したのは2020年10月。
東京都中野区に生まれ、3歳から神奈川県藤沢市で育った立石医師は「医学部を目指したのは、医者という職業への憧れがあったから」と話す。金沢大学医学部に進学。小児科医になることを決意したのは大学5年次の実習だった。「小児科外来で教授が白血病の女の子の診察をしていました。最後にその子の頭を撫でると頭の毛がずれたのです。女の子はカツラを使用していました。明るく元気に振る舞っていましたが、抗がん剤の影響で髪の毛が抜けていたことに強いインパクトを受けました」。この経験は立石医師が小児科医を目指す大きなきっかけとなった。


函館五稜郭病院小児科科長の立石格医師

今年7月、函館五稜郭病院の小児科主任医長に就任したのが清水直政医師だ。兵庫県姫路市生まれの清水医師は母子家庭で育った。「医師を志したきっかけは、中学から高校にかけて、祖父と祖母が相次いで癌で亡くなったことです。特に祖父の場合は臨終の場面に立ち会ったのですが、自分が無力で何もできなかったことが医師を志すきっかけになりました」目標としていた大阪大学医学部に合格。「入学後は癌に関係する診療科の医師を希望していましたが、実習で各診療科を回っている時に、子どもが好きだということがわかりました」。
大学卒業後は大阪大学医学部附属病院や愛染橋病院総合周産期母子医療センター(大阪市浪速区)、ベルランド総合病院地域周産期母子医療センター(大阪府堺市)などで診療経験を重ねてきた。


函館五稜郭病院小児科主任医長の清水直政医師

今年6月、函館五稜郭病院の小児科医長に就任したのが鈴木雅彦医師だ。岩手県盛岡市出身の鈴木医師はジャーナリストに憧れていた時期もあったが、「医師を選んだのは人の役に立つ仕事であること、それと内科の開業医である父の影響を受けました」と話す。札幌医科大学医学部に進学。「実習では小児科に最も興味を持ちました。子どもが好きだということも小児科医を目指した大きな理由です」。天使病院と帯広厚生病院で臨床研修を行い、王子総合病院や帯広厚生病院で臨床経験を重ねた。2017年楡の会こどもクリニック(札幌市厚別区)の小児科・児童精神科医長に就任。「楡の会こどもクリニックでは心身の発達に悩みを抱えている子どもや家族への診療を行なってきました。子どもの心身症は出来るだけ早期に適切な対応をすることが重要です」。2019年4月から勤務した時計台クリニック(宮城県名取市)では小児アレルギーを担当。また小児科専門医を対象とした国立成育医療研究センター小児アレルギー診療短期重点型研修を修了した。同年11月にはKids Public小児科オンラインの相談医となる。


函館五稜郭病院小児科医長の鈴木雅彦医師

小児発達や心身症、児童精神を専門とする八ツ賀千穂医師は2020年8月函館五稜郭病院小児科医員に着任した。神奈川県横浜市生まれの八ツ賀医師は「父の友人が小児の精神科医で、その人の影響を受けて、小児科医になることを決意しました」
2000年大分医科大学医学部を卒業。「当時、大学病院で心身症を扱う小児科は非常に少なく、西日本では唯一講座があった久留米大学附属病院小児科に勤務しました」。2009年英国のキングス・カレッジ・ロンドン精神医学研究所で児童精神医学修士課程を修了した。「毎年、世界中から10人ほどの医師が集まります。講義を聴講し、実際の臨床現場での陪席など1年間、しっかりと勉強しました。ロンドンは難民が多く、戦争のトラウマを抱えた子どもたちが診療を受けていました」


函館五稜郭病院小児科医員の八ツ賀千穂医師




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市立函館病院は大動脈弁狭窄症に対する TAVI(タビ)治療の専門施設に認定

2021年10月05日 17時39分41秒 | メディカルはこだて
第79号の冒頭カラー3ページで紹介した記事は「市立函館病院は大動脈弁狭窄症に対するTAVI(タビ)治療の専門施設に認定切」。

市立函館病院(森下清文院長)は今年3月、経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会が定める基準を満たし、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の「専門施設」として認定された。
TAVIを実施しているのは全国で193施設(今年8月17日現在)。TAVIを実施するための施設基準は大動脈弁置換術や冠動脈に関する血管内治療などの手術実績(年間200件以上)、開心術が可能な手術室で設置型透視装置を備えているハイブリッド手術室などの設備機器、常勤の心臓血管外科専門医(3名以上)・循環器専門医(3名以上)・日本心血管インターベンション治療学会専門医(1名以上)在籍など、そのハードルは非常に高い。道内の実施施設は9施設で、道南は同病院のみ。専門施設は、過去数年間でのTAVI治療実績(年間平均50症例以上)などでさらなる厳しい基準があり、同病院を含めて道内では3施設だけだ。重症の大動脈弁狭窄症に対する新しい治療法であるTAVIについて、循環器内科の德田裕輔主任医長に話を聞いた。


TAVI中。経食道エコー・シネアンギオを見ながらTAVI弁を留置する。


循環器内科の德田裕輔主任医長

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不妊で悩む人に妊娠・出産や不妊の適切な情報提供

2021年10月05日 17時02分04秒 | メディカルはこだて
第79号のトピックスニュースは「不妊で悩む人に妊娠・出産や不妊の適切な情報提供。不妊カップルの気持ちに寄り添うことが最も大切」。

秋山記念病院は最先端の産婦人科専門治療の提供を目指して1987年に開院した。2009年には乳腺外科を開設、乳がん検診から診断まで行っている。また12年からは本格的に不妊治療に取り組み、卵管鏡下卵管形成術をはじめ、胚培養士のもと、体外受精から顕微授精までトータルに治療を実施している。
不妊で悩んでいる人に対する妊娠・出産や不妊に関する適切な情報提供活動により、カップルが最適な不妊治療を選択することができるような不妊カウンセリング・ケアの実践や研究活動を行うのが日本不妊カウンセリング学会の認定する「不妊カウンセラー」だ。不妊カウンセラーとして患者をサポートしている秋山記念病院看護師の松林佳応子さんに話を聞いた。
松林さんは3年前に不妊カウンセラーの資格を取得した。「体外受精は開院直後から行なっていましたが、不妊カウンセラーの必要性を感じるようなことはありませんでした」。転機は本格的な不妊治療を開始した9年前以降、不妊症で悩む多くの患者が来院するようになってからだ。「生殖医療の理論を理解すること、そしてカウンセリングスキルを学ぶことでスキルアップをして、不妊治療の正しい情報を提供したいと考えるようになりました」


不妊カウンセラーの役割を語る看護師の松林佳応子さん

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臓器移植で重要な役割の「院内移植コーディネーター」

2021年10月05日 16時31分10秒 | メディカルはこだて
第79号のトピックスニュースは「臓器移植で重要な役割の「院内移植コーディネーター」。中立的な立場で、提供者やその家族の意思を尊重」。

1997年臓器移植に関する法律が施行されたことで、脳死後の臓器提供が行われるようになったが、この法律は脳死後の臓器提供には本人の書面による意思表示と家族の承諾を必要とする厳格なルールだった。2010年には改正臓器移植法が全面施行され、本人の意志が不明な場合にも家族の承諾で脳死後の臓器提供が可能となった。このことにより15歳未満であっても脳死後の臓器提供が可能となり、子どもへの移植の道が開かれた。
市立函館病院(森下清文院長)は1998年、脳死後・心停止後の臓器提供施設に選定された。2000年11月には全国で10例目、北海道では最初の脳死下臓器提供を行っている。同病院では臓器提供が生じる可能性が常にあることから、「臓器提供のための対応委員会」を設置するなど、さまざまな活動を行ってきた。
「院内移植コーディネーター」は臓器提供では重要な役割を担っている。看護科長の千葉利香さんは19年に北海道移植医療推進協議会で行われるコーディネーター研修に参加、道知事より委嘱書が交付され、コーディネーターとしての活動を行っている。


院内移植コーディネーターの役割を説明する看護科長の千葉利香さん

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今年4月、国立病院機構函館病院の看護部長に就任

2021年10月05日 15時47分36秒 | メディカルはこだて
第79号のトピックスニュースは「今年4月、国立病院機構函館病院の看護部長に就任。変化に対応しながら、求められる医療を」。

国立病院機構函館病院(加藤元 嗣院長)の看護部長として今年4月に就任したのが、国立病院機構北海道医療センター(札幌市西区)の副看護部長だった余田睦美さんだ。留萌管内羽幌町出身の余田さんは幼少期に札幌の病院へ通院した経験がある。「子供心にも看護師の仕事のイメージが埋め込まれていたようです」。国立札幌病院附属看護学校に進学。卒業後は北海道立衛生学院で保健師の資格を取得。「地元に帰った場合は保健師として働くことも考えていたからです」
卒業後は国立札幌病院(国立病院機構北海道がんセンター)に入職。その後は仙台医療センター、西札幌病院、北海道医療センターを経て、米沢病院の副看護部長となった。「米沢病院は主に神経難病や重症心身障がい児(者)に対する医療を提供しています。初めて重症心身障がい児(者)の看護の経験をしました」。28年北海道医療センターの副看護部長に就任した。同センターは22年に西札幌病院と札幌南病院が統合、北海道内における高度で総合的な医療等の機能を備えた施設として整備、開院した。


休日には自転車で函館市内を散策するのを楽しみにしていると話す看護部長の余田睦美さん

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「メディカルはこだて」第79号が発刊

2021年10月05日 06時24分25秒 | メディカルはこだて
函館・道南の医療・介護の雑誌「メディカルはこだて」第79号が発刊しました。
現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。



【トピックスニュース】
今年4月、国立病院機構函館病院の看護部長に就任。変化に対応しながら、求められる医療を
余田睦美(国立病院機構函館病院看護部長)

【トピックスニュース】
臓器移植で重要な役割の「院内移植コーディネーター」。中立的な立場で、提供者やその家族の意思を尊重
千葉利香(市立函館病院看護科長)

【トピックスニュース】
不妊で悩む人に妊娠・出産や不妊の適切な情報提供。不妊カップルの気持ちに寄り添うことが最も大切
松林佳応子(秋山記念病院看護師)

市立函館病院は大動脈弁狭窄症に対するTAVI(タビ)治療の専門施設に認定
德田裕輔(市立函館病院循環器内科主任医長)

冬の「雪かき」から解放
函館もロードヒーティングの一般家庭が増加
斉藤明紀(株式会社東商建設住宅事業本部設計担当部長)

【ドクタークローズアップ】
椎間板ヘルニアは内視鏡の低侵襲手術を実施。札医大では頸髄損傷に対する再生医療を担当
押切 勉(函館五稜郭病院整形外科医長)

昭和書房「松井社長」のオススメの本と雑誌
松井靖介(昭和書房代表取締役)

【トピックス・リポート】
長期療養患者の職業相談などの就職支援を実施。関係者との調整で治療と仕事の両立ができるように
古川伊代(函館五稜郭病院医療相談課)

【トピックス・リポート】
精神科領域専門医研修プログラムをスタート
医学生から専攻医までの医育医療機関として『教えながら学ぶ』ことで自らの専門性を一層高めることになる 
三國雅彦(函館渡辺病院副理事長)
「教育スタッフ」として専攻医が適切な診断と治療を行い、患者が信頼できる医療を提供できるように指導する
渡辺晋也(函館渡辺病院精神神経科)

【インタビュー】
国内でも患者が増えている潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる原因不明の大腸の炎症性疾患
木下 賢治(市立函館病院消化器内科医長)

身近な漢方医学の知識 栄養ドリンクと生薬について
久保田達也 (久保田内科医院院長)

【ピックアップニュース】
全域停電対策として自家発電機を設置
LPガスを燃料とする非常用自家発電機を設置。72時間の連続運転が可能
鈴木勝雄 (五稜郭ネフロクリニック院長)
開院時に貯水槽と非常用自家発電機を設置。全域停電時も透析は施行
三戸浩実 (平田泌尿器科事務長)
災害時の停電対策として非常用自家発電機を設置。軽油タンクは3日分の備蓄
武藤雅俊 (むとう日吉が丘クリニック院長)

【特集】
函館五稜郭病院の小児科は医師4人体制の診療を開始
新生児の専門医として豊富な経験を活かす
立石 格 (函館五稜郭病院小児科科長)
小児科の中でも新生児医療にやりがいを感じる
清水直政 (函館五稜郭病院小児科主任医長)
新設された専門外来「小児アレルギー」を担当
鈴木雅彦 (函館五稜郭病院小児科医長)
専門外来の「こころ外来」で小児の心身症を診療
八ツ賀千穂 (函館五稜郭病院小児科医員)

これからの「歯列矯正」の話をしましょう 矯正歯科医視点の『水分補給(摂取)』
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

函館市委託新規事業「口腔保健推進事業」について
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

ニュースレターやインスタグラムで歯科に関するおすすめ情報を紹介
村田真介(吉田歯科口腔外科院長)

「S.R.P」(スケーリング・ルート・プレーニング)とは
向山英明(向山歯科桔梗クリニック院長)

東洋医学の治療院から〜納得して施術を受けるために〜
益井 基(益井東洋治療院院長)

楽しく楽ちんな母乳育児をトータルケア
笠原視砂子(かさはら母乳育児助産院)

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