最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

乳がんの確定診断法に小さな傷の「マンモトーム生検」

2007年06月21日 08時52分44秒 | メディカルはこだて
乳がんに罹る日本人の女性は年々増え続けていて、現在では女性のがんでは胃がんを抜いて最も頻度の高いがんになっている。そのため早期発見及び早期診断の意義は大きくなっていて、画像診断等の進歩にも伴い、ごく小さな病変の確定的な診断が求められるようになってきた。
乳がんの確定診断である病理検査の方法には穿刺吸引細胞診や針生検、切開生検などがあるが、市立函館病院が昨年8月に開始したマンモトーム生検は微細石灰化や微小病変に対してその有用性が注目されている。
マンモトーム生検の検査対象となるのはマンモグラフィで石灰化があると判断された場合で、この石灰化を採取して、良性・悪性の判別をするために検査を行うのがマンモトーム生検だ(3年前から保険適用)。
市立函館病院中央放射線部の放射線技師は21人(うち女性は写真の4人)。マンモトーム生検は医師、看護師、技師(女性)2人の合計4人のチームで行われる。生検の方法は病変をマンモグラフィで見ながら乳房に生検用針を刺入、針の自動吸引装置が乳腺組織を採取する。
「傷痕は5ミリ以下の小さな傷で目立たず、縫合の必要もなく乳房の変形もありません。検査時間は30分から1時間くらいで入院も不要です」(同院中央放射線部の放射線技師、中村麻名美さん)。

写真は左から市立函館病院中央放射線部放射線技師の中村麻名美さん、滝亜矢さん、齊藤菜摘さん、山田佐智恵さん

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がん術後のリンパ浮腫を治療

2007年06月20日 08時02分06秒 | メディカルはこだて
写真は医療徒手リンパドレナージセラピストの澤田真由美さん

がんの治療成績の向上の一方で、治療後に起きる様々な後遺症に悩まされる患者は少なくない。
乳がんや子宮がんなどの術後に見られることのあるリンパ浮腫もその一つ。手や足にリンパ液がたまることでむくみやだるさ、疲れやすさなどが起きる病気で、がんよりも辛く苦しいと訴える患者の声が多くあることから「リンパ浮腫外来」を設ける医療機関が増えてきた。
北斗市久根別の澤田鍼灸整骨院の看護師、澤田真由美さんは昨年12月に「医療徒手リンパドレナージセラピスト」の資格を取得し、今年の1月からリンパ浮腫の治療を開始している。このリンパ浮腫治療の有資格者は道内で十人ほどしかいなくて、道南では澤田さん一人だけ。そのためまだまだ知名度は低い。
リンパ浮腫には四つの治療法である①病態把握とスキンケア、②セラピストによるソフトな手技、③圧迫療法、④運動療法を用いて、患者個々の症状に合わせた治療メニューを作成し治療するもの。それと患者さんの生活の質をよりよく向上させるために、日常生活におけるセルフケアの指導も併せて行っている。
治療は患者の自宅への出張で行っている。症状や重症度によっても違うが一回の治療時間は1時間から1時間半程度。問い合わせは、澤田さん電話090・2057・6948へ。

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